古畑中学生~古畑任三郎生涯最初の事件 |
「古畑任三郎」といえば三谷幸喜脚本、田村正和主演の人気ドラマシリーズでまるで海外ドラマ「刑事コロンボ」を和風にしたような刑事古畑が視聴者には最初からわかっている犯人に対してその犯罪トリックを解き、巧妙な会話で犯人の矛盾点を突いたり、いかにして追い詰めるかという心理戦の面白さを持ったサスペンスで、部下の今泉君や西園寺君、向島巡査など古畑の周囲の妙なキャラクターなどユーモアな要素を持っていたり、犯人それぞれの殺人に至る人間臭い背景などヒューマンドラマとしてもよく出来ていて私も好きなシリーズである。
田村版「古畑任三郎」としては2006年1月放送の3話のファイナルエピソードで終了したはずだが、今回のこのドラマはその古畑というキャラクターの原点としての「中学時代」のエピソードを「探偵学園Q」で謎の多い天草リュウというキャラクターを演じた山田涼介を主演に作り上げたエピソードで、家庭の事情で東京から転校してきた中学3年生の古畑はクラスの連中にも馴染まず推理小説ばかり読んでいるちょっと変わった少年だった・・・・クラスメートの向島はそんな古畑にちょっと興味を持っていたが、ある日教頭先生の花壇を荒らした犯人として名指しされた向島を古畑はその卓越した推理力で真相を究明し、彼を救った事から古畑は学校で「名探偵」として有名になり、その後向島と2人で村で使われてない空家で「探偵事務所」を開く事になる・・・・その後村人からいくつかの妙な相談が持ち込まれたり、古畑と仲が良い野々山先生が持ちかけた村の「埋蔵金伝説」をめぐる謎から話は意外な方向に展開し・・・といった内容。
ホームズマニアに古畑に対して何故か次々ホームズのエピソードに関連したような事件が起こるという謎や埋蔵金伝説をめぐる謎解きなど、ミステリーとしての仕掛けは読めたながら、宝探し的アドベンチャ-の要素もあったり結構面白くみられたし、最初は孤独な家庭環境から他人と接するのを嫌う古畑が向島と関わっていく過程で変わっていく様子や同級生の少女明日香との交流、古畑の理解者である野々山先生や古畑に対し厳しい教頭先生との関係などミステリーだけでなく古畑や向島の成長を描いた青春ドラマとしての面白さもあるし、古畑が後に何故自転車を愛用するのかなど古畑自身の原点となった人物が誰であるかとか本エピソードとの関連(勿論向島は後に向島巡査となる人物)などシリーズとしての面白さもちゃんと作られていたのは嬉しい。
また最初、山田涼介に古畑のイメージはどうかと思っていたのだが、実際見てみると違和感ない雰囲気だし、田村正和が演じた古畑独特のポーズやフレーズなんかを話すシーンもそれっぽい感じで良かったと思う。
情報によるとこの中学生版古畑はさらに続編の計画もあるらしいので今度はどんなエピソードを見せてくれるのか楽しみ♪
次回は若き日の今泉君が登場したりして?