2006年 10月 09日
太陽 |
「エルミタージュ幻想」などで知られるロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が終戦期の昭和天皇をテーマに撮った映画「太陽」を見た。
内容的にシリアスで暗いものかと思っていたが、全く違っていて当時は国民に神と信じられていた昭和天皇の日常や人間的な部分をドラマティックな部分だけではなく、幻想的な映像美とコミカルな描写で表現していて面白かった。
特に天皇の「あ、そう。」っていう口癖や米軍に貰ったチョコレートをめぐる侍従たちとのやりとり、天皇を構い過ぎる侍従とのシーンなどはなかなかユーモラスで笑えるし、「笑い」は人間らしさを感じさせる。
また天皇の写真を撮りにきた米軍の連中などアメリカ人の描写がやけに礼儀知らずに映ったが、これはロシア人であるソクーロフの感覚によるものだろうか?
また、天皇自身は実に人間的でユーモアを感じさせる軽さがあるのに、そのひとつひとつの行動に「現人神」としての重みを周囲が求めるため、「人間宣言」を録音した者が自決してしまったり、歴史が生み出した崇高さと狂気の重みの恐さも感じさせる部分もあった。
天皇役を演じたイッセー尾形は凄くイメージに合っていて良かったし、侍従役の佐野史郎や皇后役の桃井かおりもイイ味を出していた。
以前にヒトラーの人間としての部分をメインに描き出した映画もあったが、どんなに権力や地位を得た人間でも人間らしい部分は消し去れないのかもしれない。
逆にどこにでもいるような育ちなのに周りも信じるくらい上流階級やお嬢様の振る舞いをしてみせるような人もいるが、それもある意味人間らしさのあらわれなのかも?
内容的にシリアスで暗いものかと思っていたが、全く違っていて当時は国民に神と信じられていた昭和天皇の日常や人間的な部分をドラマティックな部分だけではなく、幻想的な映像美とコミカルな描写で表現していて面白かった。
特に天皇の「あ、そう。」っていう口癖や米軍に貰ったチョコレートをめぐる侍従たちとのやりとり、天皇を構い過ぎる侍従とのシーンなどはなかなかユーモラスで笑えるし、「笑い」は人間らしさを感じさせる。
また天皇の写真を撮りにきた米軍の連中などアメリカ人の描写がやけに礼儀知らずに映ったが、これはロシア人であるソクーロフの感覚によるものだろうか?
また、天皇自身は実に人間的でユーモアを感じさせる軽さがあるのに、そのひとつひとつの行動に「現人神」としての重みを周囲が求めるため、「人間宣言」を録音した者が自決してしまったり、歴史が生み出した崇高さと狂気の重みの恐さも感じさせる部分もあった。
天皇役を演じたイッセー尾形は凄くイメージに合っていて良かったし、侍従役の佐野史郎や皇后役の桃井かおりもイイ味を出していた。
以前にヒトラーの人間としての部分をメインに描き出した映画もあったが、どんなに権力や地位を得た人間でも人間らしい部分は消し去れないのかもしれない。
逆にどこにでもいるような育ちなのに周りも信じるくらい上流階級やお嬢様の振る舞いをしてみせるような人もいるが、それもある意味人間らしさのあらわれなのかも?
by lucifuge
| 2006-10-09 19:25
| 映画/洋画