2006年 10月 17日
悪女 |
ウィリアム・サッカレーの「虚栄の市」を原作とした映画「悪女」をDVDで見た。
物語は19世紀のイギリスを舞台に孤児となった画家の娘が貴族の家の家庭教師となった事をきっかけにして、その美貌と才気を活かし上流社会にのしあがっていこうとするのを描いた歴史文芸ドラマである。
「悪女」というタイトルからもっと悪どい事をして周りを蹴落としのし上がっていくような話を想像していたが、そうでもなく主人公は多少は狡猾な手を使う部分もあるものの、純粋だし、どちらかというと周りの貴族たちの方が狙った女性を自分のものにするためや財産を得るためにそこまで汚い手を使うかって感じの描写の方が悪どかった。
階級差別や民族差別が当たり前のように横行している当時の社会や没落した貴族の生活、貴族より金持ちだけど地位にコンプレックスを持つ商人の描写なんかは社会風刺的で興味深かった。
貴族文化は豪華絢爛で美術的にも私は好きだが、この映画で描かれる貴族という種の人間たちの中身のなさと、快楽と遊興に耽り見栄と嘘で固めている人生は呆れるくらい愚かしく感じられて、彼等の社会はまさに「虚栄の市」のように思える。
映画全体としては沢山あるエピソードが次々展開されていくので内容的に盛り沢山であるがエピソードひとつひとつの描き方が浅くてダイジェスト的印象だった気もする。
キャスティングは「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーンが全く違ったイメージで出ているのがなかなか良かった。
衣装やセット、美術に関しても当時を豪華に再現しているし、歌やダンスなどのシーンも結構あったりで、エンターティメントとしてもわりと楽しめる作品だと思う。
物語は19世紀のイギリスを舞台に孤児となった画家の娘が貴族の家の家庭教師となった事をきっかけにして、その美貌と才気を活かし上流社会にのしあがっていこうとするのを描いた歴史文芸ドラマである。
「悪女」というタイトルからもっと悪どい事をして周りを蹴落としのし上がっていくような話を想像していたが、そうでもなく主人公は多少は狡猾な手を使う部分もあるものの、純粋だし、どちらかというと周りの貴族たちの方が狙った女性を自分のものにするためや財産を得るためにそこまで汚い手を使うかって感じの描写の方が悪どかった。
階級差別や民族差別が当たり前のように横行している当時の社会や没落した貴族の生活、貴族より金持ちだけど地位にコンプレックスを持つ商人の描写なんかは社会風刺的で興味深かった。
貴族文化は豪華絢爛で美術的にも私は好きだが、この映画で描かれる貴族という種の人間たちの中身のなさと、快楽と遊興に耽り見栄と嘘で固めている人生は呆れるくらい愚かしく感じられて、彼等の社会はまさに「虚栄の市」のように思える。
映画全体としては沢山あるエピソードが次々展開されていくので内容的に盛り沢山であるがエピソードひとつひとつの描き方が浅くてダイジェスト的印象だった気もする。
キャスティングは「キューティ・ブロンド」のリース・ウィザースプーンが全く違ったイメージで出ているのがなかなか良かった。
衣装やセット、美術に関しても当時を豪華に再現しているし、歌やダンスなどのシーンも結構あったりで、エンターティメントとしてもわりと楽しめる作品だと思う。
by lucifuge
| 2006-10-17 06:12
| 映画/洋画