阿修羅城の瞳(2003 舞台版) |
文化文政の江戸では闇に蠢く鬼たちを抹殺する鬼御門とよばれる機関があったが、かってそこで鬼殺しと恐れられた出雲という男は5年前のある事をきっかけに一切を捨て鶴屋南北の一座に弟子入りしていた。
しかしある日鬼御門に追われる背に燃える椿のようなあざを持つ女、つばきとの出会いから運命は大きく動いていき、鬼を率いる尼僧の姿をした鬼女、美惨や幼馴染みだが出雲に劣等感と憎しみを持っていた鬼御門の邪空などの陰謀が交錯し、それは鬼の王といわれる「阿修羅」の復活につながってくるのだが・・・・といったストーリー。
「阿修羅城の瞳」は以前に映画になったものを見た事があるが、その元である舞台は見た事がなかったのでどんなものなのか凄く興味があった。
映画も結構良かったが話の内容的には舞台の方がさらに濃厚だったし、舞台ならではの派手で「魅せる」演出や舞台だからこそ出来るギャグの数々なども凄く楽しめた。
また出演している俳優たちの中では美惨を演じた夏木マリが特に面白い!
まるでヘヴィメタルのスクリーミングのように高音で声を震わせるような台詞回し、鬼の姿になってからのコスチュームは「ヘルレイザー4」の地獄の女王アンジェリークのようでもあり、ピッコロ大魔王みたいな印象も受けるインパクトだった。
主演の市川染五郎と天海裕希もイメージにピッタリだったし、邪空役の伊原剛志も良かった。
劇団新感線は音楽や衣装含めてヘヴィメタル的な演出をするのも魅力のひとつであるが、今回気付いたのが染五郎演じる出雲の着物の紋がスラッシュメタルの帝王、スレイヤーが2001年に発表したアルバム「GOD HATES US ALL」の海外版ジャケットに使われた紋章のデザインに似ていたのを発見!前に「髑髏城の七人-アカドクロ」を見た時も敵の軍団の衣装についていた紋章がメタルゴッドとよばれるジューダス・プリーストというバンドのものに似ていたり(実際ジューダスは劇団のお気に入りで、以前見た「吉原御免状」という舞台の開演時にも曲がかかっていた)でメタルファンとしてはそういうのを探すのも楽しい♪
また数種類登場していた鬼のコスチュームのひとつがスリップノットのコリーのマスクに似たイメージのものもあったり面白かった。
舞台は高いのでなかなか行く機会がないが、DVDを見てまた生で見てみたいと思った。(この劇団は凄い人気があるので良い席取るのは難しいが・・・)