東京ゴッドファーザーズ

昨年「パプリカ」を作った今敏監督によるアニメ映画「東京ゴッドファーザーズ」をビデオで見た。
クリスマスの夜、東京に暮らすオッサンとオカマと家出娘のホームレス三人組がひょんな事からゴミ捨て場で見つけた赤ん坊を拾った事からその子の親を探す事になり・・・・といったストーリー。
親を探す過程で様々な人に出会い、ハプニングが起き、右往左往しながら赤ん坊の親の手がかりを得ていく様子や、赤ん坊の親を探しながら運命的とも思える自分達の過去について見直す機会や出会いがあったりでコミカルながら凄く人間ドラマとしてもドラマティックで良いし、ラストまで練りに練られたシナリオを感じさせる展開が素晴らしい作品だった。
また主人公たちのキャラクターも非常に人間くささを感じる魅力があったりで、設定や物語の展開が濃厚さが感じられ良く出来ていると思った。
「パプリカ」でもそうだったが映像もかなり描き込まれた凝り様で圧倒されるし、映像イメージ自体の奇想天外さでは夢の世界を描いている設定という点で「パプリカ」の方がインパクトがあるが、この作品も普通の東京を描きながらもかなり異世界のような不思議さがあるイメージが面白い。
映像だけでいえば奇想天外な「パプリカ」の方が良かったが、総合的にはこの「東京ゴッドファーザーズ」の方がずっと面白かったと思う。