2007年 02月 03日
追悼のざわめき |
1988年に制作されたインディーズ映画「追悼のざわめき」の上映会があるというので見に行ってきた。
当時、チラシを入手して読んで興味を持っていたが、その後ビデオソフト化やDVD化される事もなく見る機会がなかったので今回その機会に恵まれたわけだが、実際見てみても「まさにカルト!」と思えるかなり強烈な作品だった。
マネキンを愛して自分の子が生まれるのを夢想する孤独な青年が女性を次々殺し、そのマネキンの中に肉片を埋め込んでいったり、青年が働く清掃会社を運営する小人症の兄妹の秘密や女性の下半身の形をした木片を持ち歩く浮浪者の奇行、仏壇のスイカを供える老人、傷痍軍人やケンパ遊びしか知らない美しい兄妹など奇妙なキャラクターたちが現実と悪夢と時代が交錯した狂気の世界が展開されていく。
モノクロで作られた大阪の退廃した街の風景はまるで異世界のようであるし、象徴的に登場する「鳩」の描写や、鳩に男が餌をやっていたと思うと突然ハンマーで鳩を殺したり意表を突くシーンに驚かされる。
また、男の愛するマネキンの傍らのある小さな工作みたいな建物の中に美しい兄妹が遊んでいるような幻想の中での出来事かと思えば、兄妹は現実世界に現われてきたり、マネキンの腹の中で蠢く胎児のイメージなど幻想とグロテスクが共存する感覚はトッド・ブラウニングの「フリークス」やデビッド・リンチの初期作品「イレイザー・ヘッド」を連想させる。
狂気のシーンのBGMに使用された桜田淳子の歌「わたしの青い鳥」はかなり印象的だったし、血にまみれた猟奇殺人やカニバリズムなどタブー的な闇の領域に踏み込んだ残酷ながら凄く不思議な作品だった。
当時、チラシを入手して読んで興味を持っていたが、その後ビデオソフト化やDVD化される事もなく見る機会がなかったので今回その機会に恵まれたわけだが、実際見てみても「まさにカルト!」と思えるかなり強烈な作品だった。
マネキンを愛して自分の子が生まれるのを夢想する孤独な青年が女性を次々殺し、そのマネキンの中に肉片を埋め込んでいったり、青年が働く清掃会社を運営する小人症の兄妹の秘密や女性の下半身の形をした木片を持ち歩く浮浪者の奇行、仏壇のスイカを供える老人、傷痍軍人やケンパ遊びしか知らない美しい兄妹など奇妙なキャラクターたちが現実と悪夢と時代が交錯した狂気の世界が展開されていく。
モノクロで作られた大阪の退廃した街の風景はまるで異世界のようであるし、象徴的に登場する「鳩」の描写や、鳩に男が餌をやっていたと思うと突然ハンマーで鳩を殺したり意表を突くシーンに驚かされる。
また、男の愛するマネキンの傍らのある小さな工作みたいな建物の中に美しい兄妹が遊んでいるような幻想の中での出来事かと思えば、兄妹は現実世界に現われてきたり、マネキンの腹の中で蠢く胎児のイメージなど幻想とグロテスクが共存する感覚はトッド・ブラウニングの「フリークス」やデビッド・リンチの初期作品「イレイザー・ヘッド」を連想させる。
狂気のシーンのBGMに使用された桜田淳子の歌「わたしの青い鳥」はかなり印象的だったし、血にまみれた猟奇殺人やカニバリズムなどタブー的な闇の領域に踏み込んだ残酷ながら凄く不思議な作品だった。
by lucifuge
| 2007-02-03 20:36
| 映画/邦画