エクステ |
死体安置所に勤める髪の毛フェチの変態男が臓器売買のために殺された少女の髪の毛を使って作ったエクステ(付け毛)を様々な美容室に配り、その呪いのエクステを付けた者は無惨に死んでいく・・・・といった内容。
栗山千明演じる主人公は美容師を目指している明るく前向きな少女だが、映画が始まった時の台詞が何か自分の状況説明をひたすらしながら過ごすという遊びにハマってるって設定で、見ていてまるで漫画の登場人物紹介とかわざとらしいお芝居のような印象も持った。
自分の説明を大きな声でひたすらしながら自転車で走る場面なんてリアルに考えたら、ひとりごとをずっと言ってる結構変な人だし(笑)
で、変な映画だと思っていたら、その姉は過去に自分を虐め、今も迷惑をかけ続け、娘を虐待し男と遊び回るような母親としても人間としても最低な女だったり、勤め先の美容室にも彼女に嫌味を言う女性従業員がいたりで結構人間の暗い部分も描いていたりでシリアスな要素も持っている。
こういう嫌な感じのキャラクターってホラー映画ではいかにも劇中死んでくれそうなのだが、見せ場としては嫌な従業員が変幻自在の髪の毛に体中をのたうちまわられた末、ハゲになって殺されるのはわりと面白かった。
しかしながら園子温監督は「自殺サークル」で結構衝撃的な血のシーンを演出してたのでもっと凄い事やってくれそうだと期待していたが、一番ムカつくキャラである姉の殺される場面に関してはほとんど映らず、あっさりし過ぎなのが期待ハズレで不満。
あんな人間のクズのような役柄ならもっと内臓ぶちまけて胃や腸から髪の毛がうじゃうじゃ出たり皮と筋肉の間から髪の毛が吹き出して肉が裂けまくるような激烈な苦痛を味あわせないと!
それから悪の側の役柄ながらも大杉蓮演じる髪の毛フェチ変態男はかなり面白いキャラクターで本人も楽しく演じている感じもしたし、クライマックスシーンではホラーながら完全にギャグだった(笑)
全体的にはちょっと変わった前半にシリアスな要素も見えてくる中盤、でもギャグな印象になってしまったクライマックスと妙な感じのホラー映画だったが増殖し動き回る髪の毛のVFXに関しては凄くよく出来ていたと思う。