オーロラ |
中世くらいかと思われる昔の時代、踊りが禁じられている王国を舞台に踊る事が大好きなオーロラ姫と娘を愛しながらも国の財政の傾きから側近にそそのかされ、オーロラ姫を他国の金持ち王子と結婚させようとする踊り嫌いな王、王を愛しながらも娘の踊り好きを理解し娘には愛する人と結婚して欲しいと願う王妃、自分の計略に邪魔だと王妃に毒を盛る側近、見合いである舞踏会の為に他国の王子に送るオーロラ姫の肖像画を依頼され描くうちに姫を愛してしまった画家、そしてオーロラ姫も画家を愛し始め、怒った王は画家の処刑を命じ・・・といった感じで様々な人物が絡みあい、妖精や雲の上の世界が登場したりで幻想的な要素も含みつつ物語は展開していく。
まあストーリーとしては単純なおとぎ話的であんまり大した内容ではない感じだし、画家役のニコラ・ル・リッシュはサル顔の上、貧相なイメージでちょっと姫の相手役としては違和感があった気もする。
だが何といってもこの映画の見どころは様々な「踊り」のシーンであり、
最初の舞踏会にやってきた中東風の王子の国の踊りとして妖艶でエキゾチックな群舞が披露されたり、2番目に来たジパング国(日本?)の王子の用意した踊りは日本だからいかにも和風な日本舞踊とかが展開されるのかと思いきや、何と石膏に固められた女性ダンサーや白塗りの男性ダンサーたちが異様な動きをする「暗黒舞踊」でビックリ!
私的にはこういうアングラ的なのは好きであるが、劇中のオーロラ姫はいかにもひいてる様子の上、後で王妃に「ひどい王子よ」という始末で・・・日本のイメージって一体・・・?!
それから最後はオーソドックスな感じの西洋風バレエが展開されていたし、劇中所々に入る王女の踊り、そして雲の上の世界での幻想的な踊りなど「踊り」の美しさや面白さがそれぞれのシーンでよく出ていたと思う。
