2007年 03月 04日
新・闇の声「潰談」 |
「富江」や「うずまき」などで知られるホラー漫画家、伊藤潤二の「闇の声」シリーズの新作「潰談(かいだん)」を読んだ。
前作「闇の声」の1編で再び登場した、大人になった設定の「双一」を描く「双一前線」や双一が猫を飼うエピソードである「双一の愛玩動物」は伊藤潤二独特の悪ノリなギャグの世界に仕上がっていてなかなか面白いし、異様な設定の村におけるエピソード「合鏡谷にて」や伊藤潤二版幽霊話といった感じでタイトルの意味がなるほど〜っと思った「幽霊になりたくない」、本好きには少し共感できる部分なんかもありつつ、異常な設定をうまく加えた「蔵書幻影」、こんな歌があったら恐い!と思った「闇の絶唱」、そして表題作の「潰談」はネタ的には昔読んだ水木しげるの人間が入ってはいけない所で何かを取ったために身体が溶けて死ぬ話を連想したが、溶けるのではなく「何か」によってぺッチャンコに潰されて死んでしまうというヴィジュアルのインパクトは伊藤潤二ならではのもので面白い。
しかしながらこの短編集の全体的な印象は昔のような度を超えた暴走ノリの面白さは話にも絵にも見られない感じだし伊藤潤二独自の世界観は十分感じられるものの、ちょっと作品としておとなしくまとまってしまった気もする。

前作「闇の声」の1編で再び登場した、大人になった設定の「双一」を描く「双一前線」や双一が猫を飼うエピソードである「双一の愛玩動物」は伊藤潤二独特の悪ノリなギャグの世界に仕上がっていてなかなか面白いし、異様な設定の村におけるエピソード「合鏡谷にて」や伊藤潤二版幽霊話といった感じでタイトルの意味がなるほど〜っと思った「幽霊になりたくない」、本好きには少し共感できる部分なんかもありつつ、異常な設定をうまく加えた「蔵書幻影」、こんな歌があったら恐い!と思った「闇の絶唱」、そして表題作の「潰談」はネタ的には昔読んだ水木しげるの人間が入ってはいけない所で何かを取ったために身体が溶けて死ぬ話を連想したが、溶けるのではなく「何か」によってぺッチャンコに潰されて死んでしまうというヴィジュアルのインパクトは伊藤潤二ならではのもので面白い。
しかしながらこの短編集の全体的な印象は昔のような度を超えた暴走ノリの面白さは話にも絵にも見られない感じだし伊藤潤二独自の世界観は十分感じられるものの、ちょっと作品としておとなしくまとまってしまった気もする。

by lucifuge
| 2007-03-04 20:57
| 本/漫画