2007年 03月 23日
ラストキング・オブ・スコットランド |
1970年代のウガンダで恐怖政治を行ない「人喰い大統領」と恐れられたイディ・アミンの姿を側近となったスコットランド出身の青年医師の視点で描いたジャイルズ・フォーデンの原作を元にした映画「ラストキング・オブ・スコットランド」を見た。
クーデターによって将軍だったアミンが新たな指導者になったウガンダにスコットランドから青年医師ギャリガンがやってくる。
貧しい村での医療を続けていたギャリガンが怪我をしたアミンを治した事からアミンに気に入られ、主治医になる事になるが、アミンは主治医として以上にギャリガンに信頼を寄せ、国家の顧問として頼るようになるものの、度重なる暗殺への不安からアミンはだんだんと狂気の道を進んでいき・・・・といったストーリー。
ギャリガンというキャラクターはフィクションであるが、実在したアミンの人物像を表現するのに凄く効果的なキャラクターだし、ただの青年医師だった最初の描写から独裁者に気に入られ、権力の側にいた描写とそこから離れ、逃れようと画策する困窮した立場になってしまった描写など様々に立場が入れ替わり、それによって独裁者への視点も変わっていくところが興味深い。
独裁者であるアミン大統領自身のキャラクターも最初は陽気で面白く夢と理想を語る「良い」男だったはずが、だんだん理不尽な会話や要求をつきつけたり自らの妻までも残酷に殺すような大量虐殺に走っていく様子は凄まじく、アミンを演じたフォレスト・ウィテカーがこの映画でアカデミー主演男優賞を受賞したのもうなずける。
アミンの風貌はやたらと派手な軍装で何か「黒人版ムッソリーニ」といった印象も受けたり、演説のパフオーマンスもショー的でロックスターと観客のやりとりを連想したり、同じ独裁者でもヒトラーとはまた違うタイプの人心掌握に長けた人間だという印象も受けた。
映画の出来としては人間ドラマとしても濃厚で見ごたえがあったが、それだけではなくサスペンス映画としても一級品ともいえる演出で実際の話をモデルにしているだけあって当時実際に起こったエア・フランス機のハイジャック事件がうまく絡めてあったり、窮地に追い込まれたギャリガンがイギリス政府の人間からアミンの暗殺をしなければならない状況に持っていかれたり、パスポートを取り上げられ、帰国を阻まれた中でどうやって脱出するかなど緊迫感いっぱいのシーンは見ていてハラハラした。

クーデターによって将軍だったアミンが新たな指導者になったウガンダにスコットランドから青年医師ギャリガンがやってくる。
貧しい村での医療を続けていたギャリガンが怪我をしたアミンを治した事からアミンに気に入られ、主治医になる事になるが、アミンは主治医として以上にギャリガンに信頼を寄せ、国家の顧問として頼るようになるものの、度重なる暗殺への不安からアミンはだんだんと狂気の道を進んでいき・・・・といったストーリー。
ギャリガンというキャラクターはフィクションであるが、実在したアミンの人物像を表現するのに凄く効果的なキャラクターだし、ただの青年医師だった最初の描写から独裁者に気に入られ、権力の側にいた描写とそこから離れ、逃れようと画策する困窮した立場になってしまった描写など様々に立場が入れ替わり、それによって独裁者への視点も変わっていくところが興味深い。
独裁者であるアミン大統領自身のキャラクターも最初は陽気で面白く夢と理想を語る「良い」男だったはずが、だんだん理不尽な会話や要求をつきつけたり自らの妻までも残酷に殺すような大量虐殺に走っていく様子は凄まじく、アミンを演じたフォレスト・ウィテカーがこの映画でアカデミー主演男優賞を受賞したのもうなずける。
アミンの風貌はやたらと派手な軍装で何か「黒人版ムッソリーニ」といった印象も受けたり、演説のパフオーマンスもショー的でロックスターと観客のやりとりを連想したり、同じ独裁者でもヒトラーとはまた違うタイプの人心掌握に長けた人間だという印象も受けた。
映画の出来としては人間ドラマとしても濃厚で見ごたえがあったが、それだけではなくサスペンス映画としても一級品ともいえる演出で実際の話をモデルにしているだけあって当時実際に起こったエア・フランス機のハイジャック事件がうまく絡めてあったり、窮地に追い込まれたギャリガンがイギリス政府の人間からアミンの暗殺をしなければならない状況に持っていかれたり、パスポートを取り上げられ、帰国を阻まれた中でどうやって脱出するかなど緊迫感いっぱいのシーンは見ていてハラハラした。

by lucifuge
| 2007-03-23 20:50
| 映画/洋画