スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい |
大物マフィアのボスであるスパラッザがある男の暗殺をするためにスウェーデン人を雇ったという情報がFBIに伝わる。
その男とは元人気マジシャンでマフィアにも気に入られ、自らも犯罪行為に手を染めていった、通称「エース」ことイズラエルという男で他にも100万ドルの報酬の為に2人組の女殺し屋、拷問が得意な元傭兵、特殊メイクで顔を変える正体不明な殺し屋、やたらと暴れ回るネオナチ三兄弟などいくつもの殺し屋たちが動き出した他、イズラエルの弁護士から彼の保護を頼まれた元警官のバウンティハンターに事件解決に動くFBI捜査官たちと様々な人物が入り乱れ話は展開していく・・・・といった内容。
女殺し屋のうちの一人は何故かフェミニストだったり、特殊メイクの殺し屋が顔だけでなく声マネの練習をするこだわりようのシーンやネオナチ三兄弟のチェーンソーを振り回したり血しぶき満載な殺人シーンなどホラー映画ばりの演出、バウンティハンターたちがネオナチに教われ、何とか助かった一人が助けてもらった家の住人が子供に興奮剤飲ませている変なオバサンやベストキッドの真似をしているイカレた子供だったりと登場人物の作り込みが奇妙で面白いし、そういうギャグなキャラクター面だけでなく、ちゃんとシリアスなキャラクターの人間ドラマ面も描かれていて良い。
また様々な殺し屋とFBIたちがイズラエルのいるホテルの部屋付近で遭遇してしまうクライマックスのアクションシーンは「まさに戦争!」といわんばかりの過激さで圧倒されるし、そこに至るまでのダマしあいや殺人、かけひきなども見ていて面白かった。
この監督には「ミッション・インポッシブル3」のオファーが来ていたらしいが、それを蹴ってこの作品を作ったようで、もしこの監督がミッション〜を作っていたらどんな凄いものが出来ていたかと考えるのも楽しい。
アクションだけでなくこの事件自体に隠された「ある真相」やスパラッザ自身に隠された「秘密」なども絡み、映画に深みを持たせている。
スパラッザの秘密は劇中の要素から読めたものの、事件自体がまさかあんなカラクリだったとは意外で驚かされた。
キャスティングとしてはFBI副長官にアンディ・ガルシア、その部下にレイ・リオッタとライアン・レイノルズ、バウンティ・ハンターの一人にベン・アフレック、女殺し屋の一人にミュージシャンでもあるアリシア・キーズと結構豪華だし、それぞれのキャラクターをうまく活かしていたト思う。
それに音楽もメインスコアの他にエンニオ・モリコーネの曲やモーターヘッド、ストゥージズなどのハードロックやパンクの代表格に加え、プロディジーのようなハードコア、トリビウムのような最近のメタル、他にもヒップホップ系やソウル系などバラエティに富んだ選曲も面白かった。
