2007年 06月 15日
女帝 [エンペラー] |
チャン・ツィイー主演の映画「女帝 [エンペラー]」を見た。
戦乱渦巻く五代十国時代の中国、その美しさゆえ皇帝の妃となったワンは実はかって皇帝の息子ウールアンと想いを寄せあう仲だったが、ワンの王との結婚でウールアンは失意してしまい呉越の地にて隠遁生活を送っていた。
しかし、ある日皇帝が謎の死を遂げ、皇帝の弟であるリーが新たに皇帝に即位し、ワンも妃として手に入れるが皇帝の死にはリーによる暗殺の疑惑がある上、隠遁生活を送るウールアンの命も狙われる。
何とか都に帰郷してワンと再会したウールアンはリーへの復讐を誓うが・・・・といったストーリー。
ワンへの想いを秘めながら復讐を誓うウールアンと不本意ながら自分とウールアンの命を守るためリーの妃になったワン、何とかウールアンを抹殺し、揺るぎない権力を手にしようとするリー、表面上は従順ながらも陰で王権を狙う宰相インとその息子、純粋に婚約者であるウールアンに愛情を捧げるがなかなか振り向いてもらえないインの娘チンニーなど様々登場人物の想いと欲望が交錯する展開は非常にドラマティックで面白い。
それにそれぞれの登場人物の想いが入り乱れ、暗殺のクライマックスとなる夜宴のシーンは緊張感が一気に盛り上がるし、サスペンスとしても十分楽しめる作品。
実は原作はシェイクスピアの「ハムレット」なのでストーリーや人物像がしっかりしているし、人間心理の描写がきめ細やかで見ていてどんどん引き込まれてしまった。
登場人物で特に印象に残ったのはウールアンの婚約者チンニーであるが、このキャラクターのたどる運命はあまりにも悲し過ぎる。
「ハムレット」を中国の歴史劇というアレンジの発想は大胆で意外だし、ハムレットの母が彼より4才年下で血のつながりのないという設定にした事でそこに新たな愛憎ドラマを生み出したというのも新鮮である。
またそういう人間ドラマ面だけでなく豪華なセットによる情景や装飾に贅を尽くしたような衣装なども見どころであるし、シーンによって衣装やッ情景の色を使い分けているという点も興味深い。
それから戦いのシーンは最近のアクション系のアジア映画ではよく使われている空を舞うようなワイヤーアクションを多用しているが、単なる激しいマーシャルアーツというのではなく、舞踊と武術を融合したような美しいシーンに仕上がっているのも印象的。
映像的にも内容的にも重厚でクオリティの高い作品で結構面白かった。
![女帝 [エンペラー]_a0093332_19292059.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200706/15/32/a0093332_19292059.jpg)
戦乱渦巻く五代十国時代の中国、その美しさゆえ皇帝の妃となったワンは実はかって皇帝の息子ウールアンと想いを寄せあう仲だったが、ワンの王との結婚でウールアンは失意してしまい呉越の地にて隠遁生活を送っていた。
しかし、ある日皇帝が謎の死を遂げ、皇帝の弟であるリーが新たに皇帝に即位し、ワンも妃として手に入れるが皇帝の死にはリーによる暗殺の疑惑がある上、隠遁生活を送るウールアンの命も狙われる。
何とか都に帰郷してワンと再会したウールアンはリーへの復讐を誓うが・・・・といったストーリー。
ワンへの想いを秘めながら復讐を誓うウールアンと不本意ながら自分とウールアンの命を守るためリーの妃になったワン、何とかウールアンを抹殺し、揺るぎない権力を手にしようとするリー、表面上は従順ながらも陰で王権を狙う宰相インとその息子、純粋に婚約者であるウールアンに愛情を捧げるがなかなか振り向いてもらえないインの娘チンニーなど様々登場人物の想いと欲望が交錯する展開は非常にドラマティックで面白い。
それにそれぞれの登場人物の想いが入り乱れ、暗殺のクライマックスとなる夜宴のシーンは緊張感が一気に盛り上がるし、サスペンスとしても十分楽しめる作品。
実は原作はシェイクスピアの「ハムレット」なのでストーリーや人物像がしっかりしているし、人間心理の描写がきめ細やかで見ていてどんどん引き込まれてしまった。
登場人物で特に印象に残ったのはウールアンの婚約者チンニーであるが、このキャラクターのたどる運命はあまりにも悲し過ぎる。
「ハムレット」を中国の歴史劇というアレンジの発想は大胆で意外だし、ハムレットの母が彼より4才年下で血のつながりのないという設定にした事でそこに新たな愛憎ドラマを生み出したというのも新鮮である。
またそういう人間ドラマ面だけでなく豪華なセットによる情景や装飾に贅を尽くしたような衣装なども見どころであるし、シーンによって衣装やッ情景の色を使い分けているという点も興味深い。
それから戦いのシーンは最近のアクション系のアジア映画ではよく使われている空を舞うようなワイヤーアクションを多用しているが、単なる激しいマーシャルアーツというのではなく、舞踊と武術を融合したような美しいシーンに仕上がっているのも印象的。
映像的にも内容的にも重厚でクオリティの高い作品で結構面白かった。
![女帝 [エンペラー]_a0093332_19292059.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200706/15/32/a0093332_19292059.jpg)
by lucifuge
| 2007-06-15 19:30
| 映画/アジア映画