ファイナルエンペラー 悲劇の皇帝 |
5世紀頃の西ローマ帝国。侵攻してきたゴート族にローマを奪われたにも関わらず、何もしない皇帝とキリスト教が支配する国家の状態を失望した多神教を信仰するローマ市長ルティリオは多神教時代のローマ復興を望んで同志を集め、反乱を進めるべく旅に出るが、彼の反逆を知った追手の兵たちが後を追い始め・・・・といった内容。
15世紀に発見されたというルティリオの手記を元に再現した映画でストーリーとしては一見スケールが大きいのだが、話が淡々と進んでいくため、何か退屈に感じるし、見ていて少し寝てしまった。
それにラストの方の展開も「あれ、ここで終わり?」といった感じで、史実に則した歴史モノというならその後の歴史的背景の説明とかを少し加えたりした方がわかりやすかった気がする。
「ローマ帝国」をテーマにした映画というと、これまでシーザーやクレオパトラに関わるアントニウスやオクタヴィアヌスの話、またはネロやカリギュラといった暴君の話が多かったが、こういう多神教のローマ市長の話をとりあげたという点は珍しいし、ローマ時代当時の異教徒の目から見たキリスト教という視点の描き方は新鮮だったと思うが、映画全体の出来が退屈なのが残念。
映像の雰囲気とか銀ピカウロコのような追手のローマ兵と騎馬のちょっと異様なデザインなんかは良かったけど。
それにしても邦題「ファイナルエンペラー 悲劇の皇帝」って確かに西ローマ最後の皇帝の時代の話であるが、皇帝は名前が話の中に出てくるだけで全く姿も映らないし、皇帝メインの話でもなければ、何が悲劇なのかもわからない。
主人公のルティリオの運命は悲劇であるが、彼は皇帝じゃないし・・・何考えてこんな邦題つけたのか?
まあ日本版のバッケージからして派手な史劇スペクタクルみたいに思わせるダマシタイトルであるが。