イノセント・ライズ |
1938年のフランス、海辺でイギリス人の刑事が謎の死を遂げたのをきっかけに、死んだ刑事の親友であり、同じく刑事のクロスは彼の死を自殺とされた事に疑問を抱いてフランスに渡り、事件の謎を追っていく。
そこで辿りついたのは死んだ男が調べていたというグレイヴス家の人々。
ナチ支持者の母親に、何やら怪しい関係の兄と妹、そして兄の方は少年時代に双子の兄弟を事故で死なせてしまったという話や、数年前にも妹の婚約者が結婚式直前に謎の死を遂げたのに関係しているのではないかという疑惑が多い人物だった・・・といったストーリー。
舞台設定が戦前という事もあってレトロな雰囲気のある映像は好きな感じだが、この主人公の刑事は自分の娘を殺人現場で死体を見てしまうような場所に連れてきていたり、父親としてどうかと思うし、容疑者である妹に結構簡単に惚れてしまったり刑事としてもどうかと思うキャラクターでちょっと妙な感じ。
サスペンス映画としてもそんなに大した事ないストーリーであるが、ある意味ストーリーの核となるこの妹は無垢な表情をしながら男を破滅に導く恐ろしい悪女なのかも。
この純粋ながらエロティックな雰囲気を持つ妹役を演じたガブリエル・アン・ウォーは結構印象的。
また妹に異常な執着を持つ兄役として「ブレイド」で悪役ヴァンパイアを演じたスティーブン・ドーフがキャスティングされていたが、この役者はこういう悪の要素のある個性的な役は似合っていると思った。
