ヴァージニア |
吸血鬼アレックスは学者として人間界に紛れ込んで日常生活を送っており、ある図書館の常連となっているが、ある日その図書館にかってアレックスの最愛の存在だったが死んでしまった女性ヴァージニアとそっくりな女性アンが新任の図書館員として雇われる事になり、アレックスはアンに、アンはアレックスに惹かれはじめる・・・・
町ではヴァンパイアが犯人ではないかと思われる殺人事件も起こり、そしてその背後にはアレックスとアンを背後から見つめ、何かを企む謎の帽子の男の存在があった・・・・といった感じのストーリー。
血を飲んだり殺人シーンはあるものの映像としては恐怖というよりダークなロマンティックさがある雰囲気で黄色がかった光が当たるような画面の作り方は深みがあって古典絵画のような感じもして好きなイメージ。
また不死ゆえの苦しみや残酷さなどヴァンパイアの苦悩も描かれているし、ヴァージニアのたどった運命を想像すると凄く悲惨で恐ろしい。
ホラーというよりホラーの設定を借りた心理ドラマ、恋愛ドラマといった感じもしてヴァンパイアを描きながら愛や憎しみなど人間の深い心のの部分をヴァンパイアという形を借りて描いているようにも思う。
こういう深い作品の監督が日本人というのも嬉しい。
この監督は後に日本に帰って「エコエコアザラク」の劇場版を撮っているが、こちらは作品に大した深みもなくB級になり下がった感じでちょっと残念だったが。

