ヘモグロビン |

17世紀、オランダ政府は貴族の間での近親婚を原因とした遺伝性の血液系の異常な病気の蔓延から近親婚を禁止する法令を出した。
それを聞いたヴァン・ダム家の当主エヴァは異常なナルシストであり、自身も双子の弟との関係を持っているため、一族を集めアメリカのある島へ移住、大邸宅を作り、俗世から姿を消した・・・・そして現代、フランスからその島に謎の血の病気の症状を持つ男とその妻がやってくるが・・・・といったストーリー。
男と75年前に滅びたというヴァン・ダム家をつなぐ謎や、島に潜む得体の知れない存在たち、男と知り合った事をきっかけに血の病の謎とヴァン・ダム家について調べるおちぶれた医師、違法の木材を使って棺桶を作ったりとがめつい商売をしているオバハンや穴に引きずり込まれ行方不明になる少女など謎めいた要素や奇妙な人間関係などそれなりに楽しめる感じ。
前半のゴシックな雰囲気やいかにも吸血鬼っぽい顔色が悪くサングラスをかけた血の病を持つ男の風貌などイイ感じなのだが、後半は一転、何かただのB級モンスターパニック映画みたいになってしまってるのが残念。
一応「吸血鬼」ホラーといえる作品だが吸血鬼の設定がオーソドックスなパターンとは大幅に違うのや、遺伝の話や血液細胞の比較、瞳の色など科学的に解明していこうとする展開はちょっと新鮮だし異色の吸血鬼映画ともいえる。
最初ルトガー・ハウアー演じる島の医師は大して出てくるわけでもなく、「これで主演?」って思ってたら後半は結構中心に活躍していくので一応見せ場もある感じ。
オープニングとエンデイングに流れる音楽はゴシックホラーっぽくて結構イイが、後半のB級な雰囲気には合ってない感じもする。


それにしてもこの作品の日本版パッケージはまるで「エイリアン」のようなSFホラーみたいなイメージでデザインされているが、中身はまるで違う吸血鬼モノなのでかなりダマシなパッケージ。

