2007年 08月 20日
怪談 |
三遊亭圓朝の「真景累ヶ淵」をベースに「リング」の中田秀夫監督が撮った「怪談」を見た。
江戸時代、下総ノ国の羽生村で皆川宗悦という按摩に借金していた深見新佐衛門という武士が取り立てに現われた宗悦を殺し、「累ヶ淵」とよばれる昔、累という女が夫に殺され捨てられたといういわくつきの場所へ死体を沈めるが、その後新佐衛門は錯乱して妻を殺し、自殺してしまう・・・・この事件から25年後の江戸で出会い、惹かれあってしまった煙草売りの新吉と富本の師匠である豊志賀。
実は新吉は新佐衛門の息子であり、豊志賀は宗悦の娘であった・・・。
二人は愛しあい夫婦のような生活を送るが、豊志賀は新吉がちょっと他の女性に話し掛けるだけでも怒り出すなど嫉妬に狂い、だんだん様子がおかしくなっていく・・・・。
そして豊志賀はちょっとした傷口から病になり死んでしまうが、「このあと女房を持てば必ずやとり殺す」という遺言を残していた・・・といったストーリー。
「リング」の監督なので純和風な話をどういう見せ方をするか興味があったが、予告を見た感じは結構恋愛物メインのソフトな印象だった。
実際見てみると予告の雰囲気の通り情感のある和風で妖艶な映像が展開されていて幽霊のメイクもちょっと抑え気味だし、ホラーとしてはあまり恐くはないものの、話の発端となるエピソードをモノクロで描いてリアルに感じさせたり、所々ギョッとするようなシーンの見せ方もあり、その点では「さすがリングの監督!」と思った。
それにこの映画は霊の見せ方の恐さよりかは現実に生きる人間の嫉妬とか狂っていく姿を描いたシーンの方が恐く感じたし、演じた黒木瞳もこれまでのイメージと違ってちょっとサイコな役柄が面白かった。
また霊や人間とか関係なく、豊志賀をはじめ、新吉を好きになってあれこれアピールするお久や新吉と結婚したがるお累など女の戦いを描いた映画でもある気がするし、新吉をめぐる様々な女性キャラクターの人物関係も面白い。
話の構成としてはいくつかのシーンで同じ場所に出来る「傷」や同じような「出来事」など「因縁」を印象付ける演出は怪談モノとして正統派な部分をちゃんと踏襲してるし、それでいて中田監督ならではの新しい見せ方もしていて完成度も高い感じであるが、豊志賀の目の上がお岩さんみたいに膿んで腫れたり、残された方の男が祟りでおかしくなっていったりと話として「四谷怪談」に似た印象も強い。
私は小さい時にこの「累ヶ淵」を映画化したものをテレビで見た事あるが、その作品はこの話の発端となる按摩と武士の話をメインにしたもので、この後の話はあまり知らなかったので同じ原作ながら焦点を変えたこの映画は新鮮に楽しめた。
まあいかにも怪談的なドロドロした恐さは昔見た方の作品にはかなわないけど。
キャスティングとしては黒木瞳をはじめ尾上菊之助、井上真央、麻生久美子、木村多江、瀬戸朝香、津川雅彦など多彩だが、その中に死体の始末とか汚い仕事をする男の役で芸人の村上ショージが出ていたのにはビックリした!ギャグでない役も意外にあっているし、芸人より俳優としてもっと出ても面白いかも。
劇中「ドゥン!」とか言ったらどうしようとか勝手な事を思っていたがやっぱり言わなかった(笑)
江戸時代、下総ノ国の羽生村で皆川宗悦という按摩に借金していた深見新佐衛門という武士が取り立てに現われた宗悦を殺し、「累ヶ淵」とよばれる昔、累という女が夫に殺され捨てられたといういわくつきの場所へ死体を沈めるが、その後新佐衛門は錯乱して妻を殺し、自殺してしまう・・・・この事件から25年後の江戸で出会い、惹かれあってしまった煙草売りの新吉と富本の師匠である豊志賀。
実は新吉は新佐衛門の息子であり、豊志賀は宗悦の娘であった・・・。
二人は愛しあい夫婦のような生活を送るが、豊志賀は新吉がちょっと他の女性に話し掛けるだけでも怒り出すなど嫉妬に狂い、だんだん様子がおかしくなっていく・・・・。
そして豊志賀はちょっとした傷口から病になり死んでしまうが、「このあと女房を持てば必ずやとり殺す」という遺言を残していた・・・といったストーリー。
「リング」の監督なので純和風な話をどういう見せ方をするか興味があったが、予告を見た感じは結構恋愛物メインのソフトな印象だった。
実際見てみると予告の雰囲気の通り情感のある和風で妖艶な映像が展開されていて幽霊のメイクもちょっと抑え気味だし、ホラーとしてはあまり恐くはないものの、話の発端となるエピソードをモノクロで描いてリアルに感じさせたり、所々ギョッとするようなシーンの見せ方もあり、その点では「さすがリングの監督!」と思った。
それにこの映画は霊の見せ方の恐さよりかは現実に生きる人間の嫉妬とか狂っていく姿を描いたシーンの方が恐く感じたし、演じた黒木瞳もこれまでのイメージと違ってちょっとサイコな役柄が面白かった。
また霊や人間とか関係なく、豊志賀をはじめ、新吉を好きになってあれこれアピールするお久や新吉と結婚したがるお累など女の戦いを描いた映画でもある気がするし、新吉をめぐる様々な女性キャラクターの人物関係も面白い。
話の構成としてはいくつかのシーンで同じ場所に出来る「傷」や同じような「出来事」など「因縁」を印象付ける演出は怪談モノとして正統派な部分をちゃんと踏襲してるし、それでいて中田監督ならではの新しい見せ方もしていて完成度も高い感じであるが、豊志賀の目の上がお岩さんみたいに膿んで腫れたり、残された方の男が祟りでおかしくなっていったりと話として「四谷怪談」に似た印象も強い。
私は小さい時にこの「累ヶ淵」を映画化したものをテレビで見た事あるが、その作品はこの話の発端となる按摩と武士の話をメインにしたもので、この後の話はあまり知らなかったので同じ原作ながら焦点を変えたこの映画は新鮮に楽しめた。
まあいかにも怪談的なドロドロした恐さは昔見た方の作品にはかなわないけど。
キャスティングとしては黒木瞳をはじめ尾上菊之助、井上真央、麻生久美子、木村多江、瀬戸朝香、津川雅彦など多彩だが、その中に死体の始末とか汚い仕事をする男の役で芸人の村上ショージが出ていたのにはビックリした!ギャグでない役も意外にあっているし、芸人より俳優としてもっと出ても面白いかも。
劇中「ドゥン!」とか言ったらどうしようとか勝手な事を思っていたがやっぱり言わなかった(笑)
by lucifuge
| 2007-08-20 21:38
| 映画/邦画