呪怨 パンデミック |
東京にある幽霊屋敷として有名なある一軒家。
そこはかって佐伯伽椰子という女性とその息子である俊雄が夫に殺され、その夫も自殺したという惨劇があった家であり、その家に関わった人間は全て伽椰子と俊雄を中心とした怨霊たちにとり殺されていく・・・・
その家に遊び半分でやってきたアメリカンスクールの女子生徒たち、前作で伽椰子の呪いを解こうとして家に火を放ったがおかしくなり入院した留学生カレンをアメリカに連れ戻しに来た妹、しかしカレンは病院の屋上から落ちて死に・・・といったストーリー。
この映画のストーリーとしては基本的にやってる事は同じだし、どういう風に怖がらせるかというのが見どころのひとつであるが、今回はとことん直接的というかお化け屋敷的な驚かせ方を追求していてある意味ギャグっぽくもあるし、初期の呪怨のように暗く得体の知れない恐さのような雰囲気がなくなったのは残念であるが、あっさりとしたアメリカンテイストのJホラーという印象がする作品に仕上がっている。
冒頭の霊的ではないがインパクトのあるショックシーンから、机の下に俊雄がいるいつものパターン、あらゆる場所から伽椰子が襲ってきたり、様々な見せ方の他、今回は特に「目」の使い方が印象的。
あの怨念に満ちた目の表情はかなりゾッとする。
ギャグっぽく思ったショックシーンは霊の影響で女性が突然牛乳をイッキ飲みしたと思ったら、すぐにウエ〜ッと吐き出したり、ちょっと志村けんのコントを思い出した(笑)
まあ現実に目の前でああいう事されたらリアルに不気味としか言い様がないが・・・・
そして今回ならではの新しい面としては舞台のひとつにアメリカのシカゴが登場する部分。
そこで起こる奇妙な出来事やフードで顔を隠した謎の人物の正体など、日本とアメリカでの話を時間軸や人物関係を交錯させながら展開させていき、パズルのように組み合わせていくのは初期の呪怨を彷佛させるし、アメリカの部分を入れた事でさらに呪怨の世界が広がるようで面白い。
また日本ではカレンの妹が中国人のルポライター(何で中国人?)とともに伽椰子の過去を明かしていったり、伽椰子が何故ああいう魔の存在にいたったかという理由も明かされていて、そういう謎解きはシリーズのファンには嬉しい。
キャスティングとしてはシカゴでの話に「フラッシュダンス」のジェニファー・ビールスが出ていてホラーなイメージのない女優だけに意外だったが、異常な行動をするシーンなどわりとハマっていたしホラーが結構似あっていた。
それにしても海外版だからって地方の田舎に住む老婆となった伽椰子の母が英語ペラペラだったり(前半の病院の看護婦や警官が全く英語わからないシーンがあるのに)、ちょっとリアリティに欠ける部分もあるし、「アメリカンスクール」と聞いて昔ダウンタウン松本に東野が「娘をアメリカンスクールなんかに入れて似合わへんのじゃ」とか言われてたあの学校か!とか思ってしまった。
まあ多少おかしな部分もある作品だったが、とにかく白塗り怨霊の伽椰子や俊雄のキャラクターは強烈だし、せっかく今回でアメリカに怨念が上陸してしまう展開になったのだからそのうち「ジェイソンvs伽椰子」とかやってくれたら面白いかも?
