デス・プルーフinグラインド・ハウス |
アメリカではタランティーノの「デス・プルーフ」とロドリゲスの「プラネット・テラー」が70年代当時のように2本立という形に加え、ニセのB級映画の予告編まで作って公開したらしいが、2本立だとそれぞれの作品が短縮版になってしまうこともあり、日本ではオリジナル全長版で1作品ずつ公開される事になった。
そこで今回見た「デス・プルーフinグラインド・ハウス」であるが、当然そういった低予算映画テイストで作られているので話は凄く単純!
自ら補強改造した車で他の車を襲い、殺人を楽しむサイコ野郎が襲ってしまったのは同じくスタントマンをやっているキレた女たちだった・・・といった内容。
正直サスペンスとしてはちょっと中だるみというか、余計な部分が多すぎる気もするが、登場するバッド・ガールたちのリアルで下品な会話や行動(特に会話のシーンは劇中結構長い)、エロっぽい演出(エロっぽいといっても裸は一切出てこない所がうまい感じもする)などタランティーノの映画ならではの台詞やデティールへのこだわりは楽しめる。
まあ、あのダラダラと長い会話シーンやバカっぽい日常風景の連なりがあったからこそあの「衝撃シーン」が引き立っている気もするが。
また殺人鬼を演じたカート・ラッセルのファッションもいかにもって感じだし顔の傷とかわかりやすいキャラクターとして描かれていて印象深い。
それに音飛びや汚れ、傷が入る古臭さをわざわざ作ったような映像エフェクトへのこだわりようとか、オープニングのチープなアニメ、文字の形などいかにも70年代B級な雰囲気が出ているのは面白い!
ラストも「え、終わり?」って感じで唐突だったし(そのシーンでやってることは結構エグかったが)そういうのもB級っぽくてイイ(笑)
こういう映画って昔「テレビ大阪」の昼間にやってたようなどこのかよくわからんようなチープな映画の雰囲気を思い出した。
ただこういう知らんような映画ってたまに凄いインパクトのあるものがあったり、意外に音楽が印象に残ったりタイトルは思い出せないけど何となく記憶に残ってるのもあるし、何でも大金かけてハリウッド式に作れば面白いものが出来るとはいえないと思う。
これはそんなB級テイストの面白さを再確認させてくれる映画だったし、この感じだとロドリゲスの「プラネット・テラー」も凄く楽しみ☆
