大統領暗殺 |
この映画は現在アメリカの大統領であるブッシュ大統領が暗殺されるというフェイク・ドキュメンタリーなのであるが、現役で生きている大統領を映画の中でいえど殺してしまうという過激な内容に公開前からかなり賛否両論が起きている作品である。
ストーリーはシカゴを訪れた大統領が何者かによって銃撃され死んでしまい、その犯人として疑われた反ブッシュを掲げるデモ隊の指導者や銃撃したと思われるビルにいたアラブ系の男など様々に捜査は動いていくが、結局アラブ系の男が犯人として起訴され有罪を告げられる・・・・それと併行して大統領に就任した副大統領チェイニーと彼の事件を利用したような怪しい政治行動、そして別の所から浮き上がってきた真犯人らしき人物とは・・・・といった内容。
多くの実際の映像をうまく編集し、インタビューやテレビ映像などを使って巧みに事実のように錯覚してまう偽ドキュメンタリーであるが、ブッシュの暗殺という単なる過激さだけの作品ではなく暗殺を通して今のアメリカが抱えるアラブ系への差別、イラク戦争の代償など様々な問題を皮肉っぽくとりあげ、強いメッセージ性を残す作品に仕上がってるし、ブッシュよりもむしろ現在影に隠れたチェイニー副大統領の存在が恐ろしく映る。
またエンターティメントとしても様々な情報から推理される犯人探しのミステリーやそこに関わる人間達の背景などドラマ面もしっかり描かれていて面白いし、「ブレア・ウィッチ」を現実の人物を要素として皮肉に満ちたサスペンスとして描いたような印象の衝撃作品だった。
