2007年 11月 07日
グッド・シェパード |
名優ロバート・デ・ニーロが監督した映画「グッド・シェパード」を見た。
第二次世界大戦前のアメリカ、イェール大学入学した優秀な学生である主人公エドワードはアメリカの中枢に要人を多く輩出しているという秘密結社「スカル&ボーンズ」に入会、そしてあるきっかけからFBIより恩師であった親独派のフレデリックス教授の身辺を探る事を依頼され、その調査によって教授を辞職に追い込む。
それからスカル&ボーンズの会合で出会ったサリヴァン将軍より戦時中の諜報活動に参加を誘われ、その組織での活動によって諜報のノウハウを吸収し、戦後ソ連との冷戦状態の中、組織は新たに「CIA」として始動していく・・・・といった内容。
知られざるCIA創成期の謎とそこにいた人間たちをモデルにした史実に元づいた人間ドラマであるが、結婚して家族を持ちながらもCIAという偽りと非情の仮面をかぶらなければならず、本当の事は口に出来ない孤独な主人公の苦悩や、父のためにとCIA入りした息子と息子にからむソ連KGBスパイの陰謀とそれに対する決断など極限状態で影に隠れながら戦うスパイのドラマを深く重厚に描いていて面白い。
また1960年代の「キューバ危機」を焦点にCIAの行なったキューバ侵攻作戦の失敗と内通者の捜査、エドワードの家に送られた謎のテープの分析から少しずつ解明されていく事実の様子、亡命してきたKGB高官にまつわる疑惑、リアルさを感じさせるスパイ同士の情報のやりとりや専門用語などスパイを扱った映画ならではのスリリングさや謎解き、誰が嘘をついて誰が裏切っているのかというダマし合いも面白い。
それからエドワードの妻クローバーは夫が何をやっているのか全く知らされず、ほとんど家にもいない、誰かの陰謀でエドワードが浮気しているのを知ってしまったりとCIAの枠の外にいながら苦悩を背負わされた女であるし、息子の婚約相手もCIAと関わってしまった事で悲劇的な展開が描かれていたり、CIAに関わった「男と女」のドラマであるような印象もした。
主演のマット・デーモンはいつも冷静で感情を内面に隠したようなエドワードをうまく演じていたが、大学の催しで女装してふざけていたシーンはちょっとジミー大西がコントしてるみたいに見えた(笑)
マットの役とは対照的に明るく感情的な妻を演じたアンジェリーナ・ジョリーも良かったし、監督のデ・ニーロはじめアレック・ボールドウィンやジョン・タトゥーロ、ジョー・ペシなど脇役陣も名優で固められているのはドラマに重厚さを増している。
でも息子役のエディ・レッドメインという俳優は見ていてちょっと顔のイメージが挙動不審過ぎるというか普通の役でも「殺人鬼」みたいに見えてしまって、やらせるならもっとサイコな役の方が似合ったかも。
作品全体としては3時間弱という上映時間も感じさせないほど画面にのめりこめたし、最近見た映画ではかなり良かったと思う。
第二次世界大戦前のアメリカ、イェール大学入学した優秀な学生である主人公エドワードはアメリカの中枢に要人を多く輩出しているという秘密結社「スカル&ボーンズ」に入会、そしてあるきっかけからFBIより恩師であった親独派のフレデリックス教授の身辺を探る事を依頼され、その調査によって教授を辞職に追い込む。
それからスカル&ボーンズの会合で出会ったサリヴァン将軍より戦時中の諜報活動に参加を誘われ、その組織での活動によって諜報のノウハウを吸収し、戦後ソ連との冷戦状態の中、組織は新たに「CIA」として始動していく・・・・といった内容。
知られざるCIA創成期の謎とそこにいた人間たちをモデルにした史実に元づいた人間ドラマであるが、結婚して家族を持ちながらもCIAという偽りと非情の仮面をかぶらなければならず、本当の事は口に出来ない孤独な主人公の苦悩や、父のためにとCIA入りした息子と息子にからむソ連KGBスパイの陰謀とそれに対する決断など極限状態で影に隠れながら戦うスパイのドラマを深く重厚に描いていて面白い。
また1960年代の「キューバ危機」を焦点にCIAの行なったキューバ侵攻作戦の失敗と内通者の捜査、エドワードの家に送られた謎のテープの分析から少しずつ解明されていく事実の様子、亡命してきたKGB高官にまつわる疑惑、リアルさを感じさせるスパイ同士の情報のやりとりや専門用語などスパイを扱った映画ならではのスリリングさや謎解き、誰が嘘をついて誰が裏切っているのかというダマし合いも面白い。
それからエドワードの妻クローバーは夫が何をやっているのか全く知らされず、ほとんど家にもいない、誰かの陰謀でエドワードが浮気しているのを知ってしまったりとCIAの枠の外にいながら苦悩を背負わされた女であるし、息子の婚約相手もCIAと関わってしまった事で悲劇的な展開が描かれていたり、CIAに関わった「男と女」のドラマであるような印象もした。
主演のマット・デーモンはいつも冷静で感情を内面に隠したようなエドワードをうまく演じていたが、大学の催しで女装してふざけていたシーンはちょっとジミー大西がコントしてるみたいに見えた(笑)
マットの役とは対照的に明るく感情的な妻を演じたアンジェリーナ・ジョリーも良かったし、監督のデ・ニーロはじめアレック・ボールドウィンやジョン・タトゥーロ、ジョー・ペシなど脇役陣も名優で固められているのはドラマに重厚さを増している。
でも息子役のエディ・レッドメインという俳優は見ていてちょっと顔のイメージが挙動不審過ぎるというか普通の役でも「殺人鬼」みたいに見えてしまって、やらせるならもっとサイコな役の方が似合ったかも。
作品全体としては3時間弱という上映時間も感じさせないほど画面にのめりこめたし、最近見た映画ではかなり良かったと思う。
by lucifuge
| 2007-11-07 22:34
| 映画/洋画