実録 日本恐怖伝説

ブックオフで買った「実録　日本恐怖伝説」という本を読んだ。
日本中をめぐる様々な「本当にあった恐怖話」を集めた本であるが、単に誰かから聞いた話というのではなく、それぞれの話にまつわる場所や人を筆者がレポート追跡しにいったりしている点はリアリティがあるし、レポートの過程で筆者本人や関係者に起こった妙な事なども書かれていて結構読んでいてゾッとする。
稲川淳二のビデオでも有名になった関係した者がほとんど死ぬという「生き人形」エピソードの真相や設計者が呪いの実験のために作ったという「三角マンション」、東京の美大に伝わるという卒業制作に自分の「焼身自殺実況ビデオ」を出したという噂、連続児童殺傷事件をおこした犯人、宅間にまつわる怪奇話、鉄道にまつわる数々の心霊話の他、そういう不思議な話の他に「津山30人殺し」や「女祈祷師妊婦解体事件」、「便槽怪死事件」など実際にあった猟奇事件や不可解な事件、ある島の歴史に隠された生き肝喰いの習慣のある秘密の宗教「クロ」の話、東京某所にあるという「侵入者を破壊する」という謎の集団が棲む広大な土地といったリアルに存在する狂気の恐怖もレポートされていたり、面白かったのは「ミミズバーガー」というハンバーガー屋が肉のコストを下げるためにミミズの肉を使っているという噂を検証するため、実際に筆者がミミズでハンバーガーを作ってみて、それは食べられる味なのかどうかをやってみたレポートはなかなか笑える！
それから私は京都に住んでいるが、京都にまつわる「幽霊マンション」のレポートも載っており、映画スタジオのある付近って「ウ○○サ」のあたり？と思ってしまうような具体的な記述やマンションの外観まで書いてあったりで、そんな怖い場所がそんなに遠くない所にあるかと思うと怖くなってしまう。
異界と現実の色んな恐怖話が沢山載っている濃い内容の本だったが、こういう本を読むとこの世には本当に何か人間の価値観だけでは理解出来ないような得体の知れない存在が混ざっていたり、どこかをうろついているんじゃないかと思ってしまう1册だった。