2007年 11月 25日
ドラキュラ・イン・ブラッド 血塗られた運命 |
ドラキュラ公、ヴラド・ツェペシュを史実に元付き描いた「ドラキュラ・イン・ブラッド 血塗られた運命」という映画をビデオで見た。
15世紀、オスマン・トルコの脅威にさらされている東ヨーロッパの小国ルーマニア。
弟とともにトルコに捕われていたルーマニアの王子ヴラドは突如解放されたが弟は捕らえられたままであり、ハンガリーの援助と美しい妻を得て国に帰ったものの、父は生き埋めにして殺されてしまっていた。
トルコに通じた貴族によって国は腐敗し荒廃しており、彼はトルコから国を守り、国家を建て直し、父を殺した者への復讐、しれからいつか弟を取り戻す事を誓う。
しかし戦争が続く中、彼は大きな脅威に対して国を守る為には恐怖が必要と残虐な方法をとりはじめ、いつしか「串刺し公」と恐れられるようになってくる・・・・といった内容。
ビデオ店ではホラー映画のコーナーに置いてあったし、パッケージデザインもいかにもドラキュラな感じだが、あくまで真実のドラキュラの話であってホラーではないし、ラストにちょっとしたホラーっぽいオマケのシーンがあるものの、真面目に作られた史劇ドラマである。
ヴラドの妻は結婚前は尼になろうとしていたくらいの純粋な女性で彼の残虐なやり方にどんどん不信を感じ、ついていけなくなってしまうが、彼は荒廃した苦難の時代に国を守るために「悪魔」になったのであってそんな綺麗事では国が滅びてしまうという事をわかってもらえない悲しさや、そんな純粋な女性だからこそ残虐な行為を続けていく彼が癒される存在でもあるという重要な存在として描かれていたように思うし、トルコ側になってしまった弟との確執、ヴラドと教会の関係にしても、ヴラドが援助を得る為にカトリックに改宗したのを当時ルーマニアを支配していたギリシャ正教会が非難してきたりと、体を張って国を守ってきた人間に対しておかしいとしか思えない対応や、影で動く権力争いに関わっていたりと目先の利益しか考えない愚かな連中によってヴラドが窮地に陥っていく姿は悲しい。
ヴラドは「神を信じない不死身の反キリスト」と恐れられたが彼にとっては神など関係なく、国を守る事が重要であって民衆を守る為に最後までひかなかった姿はまさに英雄だし、恐怖と残虐さをあわせもつ悲劇の救世主だったと思う。
中世の描写に関しては貴族たちが登場するものの、よくあるフランスやイギリスの華麗な貴族像とは違ってちょっと薄汚く、野蛮な感じの貴族たちが描かれていたりするのもリアルで面白い。
約1時間半の映画ながら凄く深い内容だったし、一見安っぽいパッケージから単なるヴァンパイア映画と思いきや、歴史の闇に埋もれた英雄を描いた壮絶な人間ドラマ作品だった。
15世紀、オスマン・トルコの脅威にさらされている東ヨーロッパの小国ルーマニア。
弟とともにトルコに捕われていたルーマニアの王子ヴラドは突如解放されたが弟は捕らえられたままであり、ハンガリーの援助と美しい妻を得て国に帰ったものの、父は生き埋めにして殺されてしまっていた。
トルコに通じた貴族によって国は腐敗し荒廃しており、彼はトルコから国を守り、国家を建て直し、父を殺した者への復讐、しれからいつか弟を取り戻す事を誓う。
しかし戦争が続く中、彼は大きな脅威に対して国を守る為には恐怖が必要と残虐な方法をとりはじめ、いつしか「串刺し公」と恐れられるようになってくる・・・・といった内容。
ビデオ店ではホラー映画のコーナーに置いてあったし、パッケージデザインもいかにもドラキュラな感じだが、あくまで真実のドラキュラの話であってホラーではないし、ラストにちょっとしたホラーっぽいオマケのシーンがあるものの、真面目に作られた史劇ドラマである。
ヴラドの妻は結婚前は尼になろうとしていたくらいの純粋な女性で彼の残虐なやり方にどんどん不信を感じ、ついていけなくなってしまうが、彼は荒廃した苦難の時代に国を守るために「悪魔」になったのであってそんな綺麗事では国が滅びてしまうという事をわかってもらえない悲しさや、そんな純粋な女性だからこそ残虐な行為を続けていく彼が癒される存在でもあるという重要な存在として描かれていたように思うし、トルコ側になってしまった弟との確執、ヴラドと教会の関係にしても、ヴラドが援助を得る為にカトリックに改宗したのを当時ルーマニアを支配していたギリシャ正教会が非難してきたりと、体を張って国を守ってきた人間に対しておかしいとしか思えない対応や、影で動く権力争いに関わっていたりと目先の利益しか考えない愚かな連中によってヴラドが窮地に陥っていく姿は悲しい。
ヴラドは「神を信じない不死身の反キリスト」と恐れられたが彼にとっては神など関係なく、国を守る事が重要であって民衆を守る為に最後までひかなかった姿はまさに英雄だし、恐怖と残虐さをあわせもつ悲劇の救世主だったと思う。
中世の描写に関しては貴族たちが登場するものの、よくあるフランスやイギリスの華麗な貴族像とは違ってちょっと薄汚く、野蛮な感じの貴族たちが描かれていたりするのもリアルで面白い。
約1時間半の映画ながら凄く深い内容だったし、一見安っぽいパッケージから単なるヴァンパイア映画と思いきや、歴史の闇に埋もれた英雄を描いた壮絶な人間ドラマ作品だった。
by lucifuge
| 2007-11-25 23:09
| 映画/洋画