ダ・ヴィンチの聖杯 暗号をめぐる千年の旅 |
この漫画は聖杯を探す男女二人の主人公が調査を続けていくうちにダ・ヴィンチとの関連やシオン修道会、テンプル騎士団、レン・ヌ・ル・シャトーのマグダラのマリア教会などのつながりを見つけ、そこに待っていた聖杯の正体とは・・・といった内容である。
ダ・ヴィンチと聖杯の謎については小説や映画が話題となった「ダ・ヴィンチ・コード」で有名であるが、あの作品で語られていた聖杯の正体とはマグダラのマリアと結婚し生まれた子供=「キリストの血統」という「杯」の形をしたものではないという結論にまとまっていた。
しかし、この漫画では「聖杯」そのものは存在し、その聖杯によってもたらされる力(=永遠の命)を授かったシオン修道会のメンバーたちはその秘密とともに歴史に隠れているという、いかにも「漫画」らしいファンタスティックな結論でまとめていたのは面白い。
なのでこの漫画の持論でいうと「ダ・ヴィンチ・コード」で語られたような数々の謎の暗号やキリストの血統という話はそういった聖杯の秘密を守る不死のメンバーたちによって作られたフェイクという発想は物語的で結構好きだし、漫画のストーリーの合間に実際の聖杯関連のレポートなんかもあって、まあまあ楽しめる作品だったと思う。
ただこういうコンビニ・コミックではいつものことだが、話はつながってるものの、それぞれの話を描く漫画家が違うので多少違和感を感じたり、三流エロ系劇画を描いてるような漫画家が担当した場合、不必要に女性キャラの尻のアップの絵があったりとか、ちょっと読んでて「何???」って思ってしまうし、こういう考古学系伝奇ミステリーな話の場合は担当させる漫画家のセレクトもちょっと考えてほしいと思う。