2007年 11月 29日
宮廷料理人 ヴァテール |
「ミッション」のローランド・ジョフィ監督、ジェラール・ドパルデュー主演の映画「宮廷料理人 ヴァテール」をビデオで見た。
17世紀のフランス、現職から外されている老いた英雄コンデ公の居城シャンティイにフランス王ルイ14世の一行が訪れ、3日間滞在する事になる。
これを機会に王の信頼を回復し、復帰したいと考えたコンデ公はヴェルサイユを上回るような贅沢で豪勢な宴を計画し、料理長であるヴァテールに託すのだが・・・・といった内容。
まず驚いたのは現代の「食事会」では考えられないようなスケールの豪華で壮大な宴席のシーンはインパクトがあったし、「食」がまるでひとつの舞台のような華やかなショーのような感じであった。
宴のシーンは美術的にとても素晴らしく、話の展開とは別に目で楽しめるというか様々な趣向が凝らされていて面白い☆
勿論それを仕切るヴァテールの存在も単なる料理人ではなく(ヴァテール自身も当然凄い調理技術を持っているが)、あらゆる問題に対処しながらベストな宴を披露するために動いていく様子は映画や舞台を作り上げるような「監督」のようだったし、ある意味昔の時代の「マルチ・クリエイター」とも言えるかも。
また女官モントージェをめぐるヴァテールとローザン侯爵との対立や、遊び回って邪魔ばかりする国王のバカ弟、貴族の子供たちなど宴の準備だけでも忙しいのにトラブルが続出していき、予定していた装備や材料が来ないなど窮地に追い込まれながらも豊富な知識や機転の利いたアイデアなどで乗り越えていく様は見ていて楽しめる。
また、華やかな宴の裏で交わされる貴族の謀り事などもあり、一見贅沢し放題でバカ騒ぎしている貴族の恐い部分も少し描かれていて皮肉っぽい感じを残しているのも良いと思う。
しかし、妥協を許さずひたすら上を目指してきた男が自らの本当の立場に気付いた時の絶望など、どんなに才能があっても貴族に支配される時代ゆえのラストは唐突ながら結構悲しい。
キャスティングの関してはジェラール・ドパルデューはじめ、モントージェ役のユマ・サーマン、ローザン侯爵役のティム・ロスなど名優が揃っているが演技の印象としては結構普通というか映像の豪華さに比べて印象が薄かった気がする。
でも史劇モノの映画でここまで壮大に「食」をテーマに描いたものは見た事がなく新鮮だったし、映像に関しても凄く豪華で美術的にも楽しめたので私的には結構満足のいく作品だった。

17世紀のフランス、現職から外されている老いた英雄コンデ公の居城シャンティイにフランス王ルイ14世の一行が訪れ、3日間滞在する事になる。
これを機会に王の信頼を回復し、復帰したいと考えたコンデ公はヴェルサイユを上回るような贅沢で豪勢な宴を計画し、料理長であるヴァテールに託すのだが・・・・といった内容。
まず驚いたのは現代の「食事会」では考えられないようなスケールの豪華で壮大な宴席のシーンはインパクトがあったし、「食」がまるでひとつの舞台のような華やかなショーのような感じであった。
宴のシーンは美術的にとても素晴らしく、話の展開とは別に目で楽しめるというか様々な趣向が凝らされていて面白い☆
勿論それを仕切るヴァテールの存在も単なる料理人ではなく(ヴァテール自身も当然凄い調理技術を持っているが)、あらゆる問題に対処しながらベストな宴を披露するために動いていく様子は映画や舞台を作り上げるような「監督」のようだったし、ある意味昔の時代の「マルチ・クリエイター」とも言えるかも。
また女官モントージェをめぐるヴァテールとローザン侯爵との対立や、遊び回って邪魔ばかりする国王のバカ弟、貴族の子供たちなど宴の準備だけでも忙しいのにトラブルが続出していき、予定していた装備や材料が来ないなど窮地に追い込まれながらも豊富な知識や機転の利いたアイデアなどで乗り越えていく様は見ていて楽しめる。
また、華やかな宴の裏で交わされる貴族の謀り事などもあり、一見贅沢し放題でバカ騒ぎしている貴族の恐い部分も少し描かれていて皮肉っぽい感じを残しているのも良いと思う。
しかし、妥協を許さずひたすら上を目指してきた男が自らの本当の立場に気付いた時の絶望など、どんなに才能があっても貴族に支配される時代ゆえのラストは唐突ながら結構悲しい。
キャスティングの関してはジェラール・ドパルデューはじめ、モントージェ役のユマ・サーマン、ローザン侯爵役のティム・ロスなど名優が揃っているが演技の印象としては結構普通というか映像の豪華さに比べて印象が薄かった気がする。
でも史劇モノの映画でここまで壮大に「食」をテーマに描いたものは見た事がなく新鮮だったし、映像に関しても凄く豪華で美術的にも楽しめたので私的には結構満足のいく作品だった。

by lucifuge
| 2007-11-29 19:03
| 映画/洋画