2007年 12月 11日
ベオウルフ 呪われし勇者 |
欧米ではよく知られ、英国文学最古といわれる英雄叙事詩を基にニール・ゲイマンが書いた原作をロバート・ゼメキス監督が映画化した「ベオウルフ 呪われし勇者」を見た。
6世紀のデンマーク、フロースガール王が治める王国は怪物グレンデルの突然の襲撃によって平和を乱された為、グレンデルを倒した者には王国の黄金の半分を与えるという約束を掲げる。
そこにやってきたのが父親がフロースガールと旧知の仲だったという強靱な勇者ベオウルフ。
彼は激闘の末、素手でグレンデルを倒し、さらにグレンデルを産み出した魔物の母をも倒しに禁断の地にあるという洞窟に向かうが、魔物の母の持つ美しさと彼女と交わって子を授けてくれれば最強の王にしてやるという誘惑に負け、周りには魔物の母を退治したという事にして王国に帰還するが・・・・・といったストーリー。
ストーリーだけ読むとよくありそうな英雄モノの話であるが、さすがニール・ゲイマンの原作だけあってキャラクターの作り方がひと味違っていて面白い。
アンソニー・ホプキンス演じる大デブのフロースガール王は裸が見えそうな格好で下品な言葉を発して王妃にドン引きされるというシーンから登場するし、ジョン・マルコヴィッチ演じるフロースガール配下のアンファースは強くないのにいかにも嫌味なキャらでべオウルフを挑発するし、アンジェリーナ・ジョリー演じる魔物の母はこないだ見た同じくゲイマン原作の「スターダスト」に登場したミシェル・ファイファー演じる魔女の役に匹敵するような魅力ある悪女イメージを体現していたし、何より強烈だったのがクリスピン・グローバー演じる怪物グレンデル!
これまで色んなファンタジー映画を見たがあんな醜くて気持ち悪い怪物は見た事がない!でも単に気持ち悪いというのではなくて「ウルトラマン」に登場する怪獣ジャミラにも似たような悲哀を感じさせるイメージのキャラクターでベオウルフと闘いのシーンは恐ろしくもあり滑稽でもあり、ちょっとかわいそうにも感じる印象に残る場面だった。
昔の時代を再現した情景は勿論、迫力あるアクションやグレンデルの造形、後半に登場する黄金龍の造形など映像の特殊効果は見ていて凄くクオリティが高いと思ったが、一番驚いたのは家に帰ってパンフを読んでみると人間を含むあの映像全てが何とCGアニメで出来ていたという事だった。
俳優の演技や動作を再現する為に身体にピッタリの特製スーツにチップを取り付けて演技させ、そのデータを全てコンピューターに取り込んで処理し、映像に再構成していくという「パフォーマンス・キャプチャー」という技術を使ったらしいが、(確かに映画を振り返ってみるとアンソニー・ホプキンスは何かいつもより太ってる感じがしたし、ベオウルフ役のレイ・ウィンストンってあんなに筋肉質だったか?などちょっとそれぞれの俳優の持っているイメージも感じたが、パフォーマンス・キャプチャーはそういう実際の俳優とは全く違うキャラクターや年齢設定なども可能という面白さがある)これまでのフルCGアニメは「ファイナル・ファンタジー」など人間をリアルに表現しようとしながら違和感を感じる妙な出来上がりだったのに対し、この作品は俳優の顔などまったく自然な完成度で、私はてっきりこれまでよく使われていた実写とCGの併用作品だと思っていた。
こんな事が出来るようになったとは映画の映像技術も凄い進化してしまったとビックリする反面、こういう技術が現実世界での戦争や犯罪での陰謀(例えば権力者や有名人のスキャンダル映像の捏造とか)に使われだしたら恐ろしい事になりそうとも想像してみたり・・・。
とにかくそういう意味でもこの作品は映像を見るだけで凄いし、物語もラストの皮肉っぽい余韻の残し方や登場人物たちの描き方など大人が楽しめるファンタジーとしてもなかなかうまく出来ていたと思う。

6世紀のデンマーク、フロースガール王が治める王国は怪物グレンデルの突然の襲撃によって平和を乱された為、グレンデルを倒した者には王国の黄金の半分を与えるという約束を掲げる。
そこにやってきたのが父親がフロースガールと旧知の仲だったという強靱な勇者ベオウルフ。
彼は激闘の末、素手でグレンデルを倒し、さらにグレンデルを産み出した魔物の母をも倒しに禁断の地にあるという洞窟に向かうが、魔物の母の持つ美しさと彼女と交わって子を授けてくれれば最強の王にしてやるという誘惑に負け、周りには魔物の母を退治したという事にして王国に帰還するが・・・・・といったストーリー。
ストーリーだけ読むとよくありそうな英雄モノの話であるが、さすがニール・ゲイマンの原作だけあってキャラクターの作り方がひと味違っていて面白い。
アンソニー・ホプキンス演じる大デブのフロースガール王は裸が見えそうな格好で下品な言葉を発して王妃にドン引きされるというシーンから登場するし、ジョン・マルコヴィッチ演じるフロースガール配下のアンファースは強くないのにいかにも嫌味なキャらでべオウルフを挑発するし、アンジェリーナ・ジョリー演じる魔物の母はこないだ見た同じくゲイマン原作の「スターダスト」に登場したミシェル・ファイファー演じる魔女の役に匹敵するような魅力ある悪女イメージを体現していたし、何より強烈だったのがクリスピン・グローバー演じる怪物グレンデル!
これまで色んなファンタジー映画を見たがあんな醜くて気持ち悪い怪物は見た事がない!でも単に気持ち悪いというのではなくて「ウルトラマン」に登場する怪獣ジャミラにも似たような悲哀を感じさせるイメージのキャラクターでベオウルフと闘いのシーンは恐ろしくもあり滑稽でもあり、ちょっとかわいそうにも感じる印象に残る場面だった。
昔の時代を再現した情景は勿論、迫力あるアクションやグレンデルの造形、後半に登場する黄金龍の造形など映像の特殊効果は見ていて凄くクオリティが高いと思ったが、一番驚いたのは家に帰ってパンフを読んでみると人間を含むあの映像全てが何とCGアニメで出来ていたという事だった。
俳優の演技や動作を再現する為に身体にピッタリの特製スーツにチップを取り付けて演技させ、そのデータを全てコンピューターに取り込んで処理し、映像に再構成していくという「パフォーマンス・キャプチャー」という技術を使ったらしいが、(確かに映画を振り返ってみるとアンソニー・ホプキンスは何かいつもより太ってる感じがしたし、ベオウルフ役のレイ・ウィンストンってあんなに筋肉質だったか?などちょっとそれぞれの俳優の持っているイメージも感じたが、パフォーマンス・キャプチャーはそういう実際の俳優とは全く違うキャラクターや年齢設定なども可能という面白さがある)これまでのフルCGアニメは「ファイナル・ファンタジー」など人間をリアルに表現しようとしながら違和感を感じる妙な出来上がりだったのに対し、この作品は俳優の顔などまったく自然な完成度で、私はてっきりこれまでよく使われていた実写とCGの併用作品だと思っていた。
こんな事が出来るようになったとは映画の映像技術も凄い進化してしまったとビックリする反面、こういう技術が現実世界での戦争や犯罪での陰謀(例えば権力者や有名人のスキャンダル映像の捏造とか)に使われだしたら恐ろしい事になりそうとも想像してみたり・・・。
とにかくそういう意味でもこの作品は映像を見るだけで凄いし、物語もラストの皮肉っぽい余韻の残し方や登場人物たちの描き方など大人が楽しめるファンタジーとしてもなかなかうまく出来ていたと思う。

by lucifuge
| 2007-12-11 22:22
| 映画/洋画