2007年 12月 14日
マイティ・ハート 愛と絆 |
アンジェリーナ・ジョリー主演、マイケル・ウィンターボトム監督の映画「マイティ・ハート 愛と絆」を見た。
2002年1月。アメリカのジャーナリストであるダニエルと妊娠中の妻マリアンヌはパキスタンのカラチという所に滞在していたが、ダニエルはある男の取材に出掛けたまま戻らなくなる・・・・・しばらくしてダニエルを誘拐したというテロリスト・グループから犯行声明が出され、マリアンヌは夫の救出の為、様々な方面に助けを求め、現在の苦境を訴えるためテレビ出演したり必死に頑張り、夫が生きて帰ってくるのを信じて待ち続けるが・・・・という感じのストーリー。
この映画の内容は実際に起こった事件であり、その体験者であるマリアンヌ自身の手記「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」(潮出版社刊)を基に作られているが、事実という重みと、事件が捜査される中でにじみ出てくる宗教や思想、民族の違いによって生まれる国家間の憎悪や差別などで捜査がうまくいかなかったりと異国で事件に遭遇した恐さなどがマイケル・ウィンターボトム監督の描くドキュメンタリータッチの映像でリアルな感覚が見事に表現されている。
また、パキスタンのマスコミの捏造や誤報し放題のいい加減さや、人権無視のヒドさ(誘拐されたダニエルがユダヤ系という理由でイスラエルの諜報機関であるモサドのスパイだと言い出したり、マリアンヌの友人としてインド国籍の女性キャラクターが登場するが、パキスタン政府はインドと険悪な関係のため、彼女をインドのスパイ呼ばわりし、インドにある実家の住所や電話番号まで新聞に載せるという有り得ないと思えるシーンがある)、同じくパキスタン情報部の人権無視など誘拐事件に関連させて陰謀をデッチあげようとしたり、事件本来のテロリストとは別にマリアンヌたちにたちはだかる障害もあって、事件をメインに描きながらも、こういう情勢が安定しない国家での影に隠れた黒い背景がちゃんと描かれているのも良いと思う。
主演のアンジェリーナ・ジョリーは物語が展開する中で悩み苦しみ、でも信じ続けるマリアンヌの演技を感情が引き裂かれるような激しさで演じて見ていてマリアンヌの感情に同化してしまうくらい強烈に印象に残ったし、自らも国連の親善大使など政治的な活動をしているアンジェリーナだからこそ、テロと向き合ったマリアンヌのような役が見事に演じられたのだと思った。
内容的にテーマも深く、人間ドラマとしてもサスペンスとしても見ごたえがある良い作品であるが、実話ゆえの容赦ない展開や悲しいエピソードがあるし、何か見た後凄く疲れてしまったが・・・。

2002年1月。アメリカのジャーナリストであるダニエルと妊娠中の妻マリアンヌはパキスタンのカラチという所に滞在していたが、ダニエルはある男の取材に出掛けたまま戻らなくなる・・・・・しばらくしてダニエルを誘拐したというテロリスト・グループから犯行声明が出され、マリアンヌは夫の救出の為、様々な方面に助けを求め、現在の苦境を訴えるためテレビ出演したり必死に頑張り、夫が生きて帰ってくるのを信じて待ち続けるが・・・・という感じのストーリー。
この映画の内容は実際に起こった事件であり、その体験者であるマリアンヌ自身の手記「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」(潮出版社刊)を基に作られているが、事実という重みと、事件が捜査される中でにじみ出てくる宗教や思想、民族の違いによって生まれる国家間の憎悪や差別などで捜査がうまくいかなかったりと異国で事件に遭遇した恐さなどがマイケル・ウィンターボトム監督の描くドキュメンタリータッチの映像でリアルな感覚が見事に表現されている。
また、パキスタンのマスコミの捏造や誤報し放題のいい加減さや、人権無視のヒドさ(誘拐されたダニエルがユダヤ系という理由でイスラエルの諜報機関であるモサドのスパイだと言い出したり、マリアンヌの友人としてインド国籍の女性キャラクターが登場するが、パキスタン政府はインドと険悪な関係のため、彼女をインドのスパイ呼ばわりし、インドにある実家の住所や電話番号まで新聞に載せるという有り得ないと思えるシーンがある)、同じくパキスタン情報部の人権無視など誘拐事件に関連させて陰謀をデッチあげようとしたり、事件本来のテロリストとは別にマリアンヌたちにたちはだかる障害もあって、事件をメインに描きながらも、こういう情勢が安定しない国家での影に隠れた黒い背景がちゃんと描かれているのも良いと思う。
主演のアンジェリーナ・ジョリーは物語が展開する中で悩み苦しみ、でも信じ続けるマリアンヌの演技を感情が引き裂かれるような激しさで演じて見ていてマリアンヌの感情に同化してしまうくらい強烈に印象に残ったし、自らも国連の親善大使など政治的な活動をしているアンジェリーナだからこそ、テロと向き合ったマリアンヌのような役が見事に演じられたのだと思った。
内容的にテーマも深く、人間ドラマとしてもサスペンスとしても見ごたえがある良い作品であるが、実話ゆえの容赦ない展開や悲しいエピソードがあるし、何か見た後凄く疲れてしまったが・・・。

by lucifuge
| 2007-12-14 20:55
| 映画/洋画