METライブビューイング～グノー《ロメオとジュリエット》

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のオペラ公演の様子を映画として衛星中継する企画「METライブビューイング」の第１弾として公開された「グノー《ロメオとジュリエット》」を見てきた。
「ロメオとジュリエット」はシェークスピアを原作とする有名な作品であるが、それをグノーがオペラ化したものを世界的なオペラ歌手でもあるプラシド・ドミンゴが指揮、アンナ・ネトレプコがジュリエット役、ロベルト･アラーニャという配役で上演されたものである。
敵対するそれぞれの一族に生まれた男女、ロメオとジュリエットが愛し合うが、二人の置かれた境遇は悲しい結末に向かうのだった･・・・という感じの有名なストーリー。
話は知ってるのでストーリー展開的に意外といった感じの面白さはないが、実際の舞台を撮ったものならではの映画とは違う臨場感のある表現の面白さがあるし、さすがに本物のオペラは音楽や声の迫力が違う。
まずオープニングの仮面パーティのシーンから豪華絢爛な衣装の数々と作りこまれたセットは目を惹くし、アンナ・ネトレプコとロベルト・アラーニャの歌も凄い！
特にアンナ･ネトレプコの幅広い音域で歌われるハイトーン・ヴォイスはへヴィメタル好きな私には心地よい感じで聴きごたえがあった。
まあ原作では十代のロメオとジュリエットがあの配役ではとても十代に見えないが（ロベルトは白髪があったり・・・笑）、十代のオペラ俳優では逆にあそこまでの豊かな表現は無理だしオペラの舞台としては今回のような配役で良かったと思う。
また「ライブビューイング」というだけあって以前見たお芝居を映画として見る劇団新感線の「ゲキ×シネ」のように実際の舞台の進行時間と同じように途中休憩があったり、舞台の臨場感を感じさせる上映方法がとられていたが、面白いのは幕間の時間に舞台表ならただの幕が閉まった状態か暗転が映るといった所を舞台裏の俳優たちの様子を映すといった演出がされていた事である。
ただメイキング映像っぽいのでストーリー展開上は少し話が中断する感じもするが、それはそれで普段見られないような舞台の内幕が見れるのも楽しいし、休憩時間前後は俳優たちへのインタビューもあって飽きさせなかったのも良かったと思う。
こういう本格的オペラをじっくり見たのは初めてだったが、結構面白いものだしいつか本場の舞台を生で見てみたい♪
このシリーズは今後第８弾まで続くが、次回はフンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」が上映予定らしいのでこちらにも期待☆