2008年 01月 10日
魍魎の匣 |
伝奇ミステリー作家、京極夏彦の原作を「伝染歌」の原田眞人が映画化した「魍魎の匣」を見た。
この作品は古本屋で神主で陰陽師である京極堂こと中禅寺秋彦を中心に財閥の次男であり、人の記憶を読める探偵榎木津や作家の関口、刑事の木場といったひとクセある人物たちが登場する怪奇と幻想のミステリー話であり、2005年に作られた「姑獲鳥の夏」に続く第2弾である。
今回は1952年の東京を舞台にして起こる美少女バラバラ連続殺人事件や女優、柚木陽子と娘をめぐる遺産相続争い、戦争中に榎木津が出会って今は小説家となった怪しい男、久保の存在、人の不幸を箱に閉じ込めるという怪しい宗教団体、京極堂の過去と柚木陽子にも関わる美馬坂教授と彼の研究施設であるハコのような建物の謎・・・・といった様様な要素が交錯していく感じのストーリーである。
まず私はこういう複雑に絡み合ったようなストーリーは大好きだし、ラストのオチはまあ予想できたものの話として凄く重厚に作られていて面白かった。
人物たちの描き方も前作よりさらに突っ込んで描かれている感じで複雑に関係した人物関係もそのキャラクター性からより魅力的に表現されていたのも良かったと思う。
このシリーズは結構細かい知識の論理展開とかも個性のひとつであるのだが、前作ではその表現がちょっと理屈でこねくり回しすぎたような印象も受けていたので、あまり説明的過ぎないようにして欲しいと思っていたら今回も倫理的展開の台詞の見せ場はあるものの、やり過ぎてない感じだったし物語の個性を壊さずバランス良い感じで見せていたのも映画として見やすかった。
戦中から戦後にかけての奇妙で混沌とした雰囲気も物語の幻想的なイメージによくあってるし、まるで中国の風景のような東京の裏町が描かれていると思ったら実際に上海で撮影したらしい。
描いている内容的には重く、恐ろしい事件と悲劇を扱いながら、部分的に不自然なく笑いの要素が入っている所も原田監督ならではのうまさだし、こういう雰囲気でこういうミステリーが撮れるなら原田監督に江戸川乱歩作品なんかを撮ってもらったら面白いのが出来そうとも思った。
小説ではさらなる続編「狂骨の夢」や「鉄鼠の檻」があるようだが、いずれ映画化されるだろうしどんな作品が作られてくるのかも楽しみである。

この作品は古本屋で神主で陰陽師である京極堂こと中禅寺秋彦を中心に財閥の次男であり、人の記憶を読める探偵榎木津や作家の関口、刑事の木場といったひとクセある人物たちが登場する怪奇と幻想のミステリー話であり、2005年に作られた「姑獲鳥の夏」に続く第2弾である。
今回は1952年の東京を舞台にして起こる美少女バラバラ連続殺人事件や女優、柚木陽子と娘をめぐる遺産相続争い、戦争中に榎木津が出会って今は小説家となった怪しい男、久保の存在、人の不幸を箱に閉じ込めるという怪しい宗教団体、京極堂の過去と柚木陽子にも関わる美馬坂教授と彼の研究施設であるハコのような建物の謎・・・・といった様様な要素が交錯していく感じのストーリーである。
まず私はこういう複雑に絡み合ったようなストーリーは大好きだし、ラストのオチはまあ予想できたものの話として凄く重厚に作られていて面白かった。
人物たちの描き方も前作よりさらに突っ込んで描かれている感じで複雑に関係した人物関係もそのキャラクター性からより魅力的に表現されていたのも良かったと思う。
このシリーズは結構細かい知識の論理展開とかも個性のひとつであるのだが、前作ではその表現がちょっと理屈でこねくり回しすぎたような印象も受けていたので、あまり説明的過ぎないようにして欲しいと思っていたら今回も倫理的展開の台詞の見せ場はあるものの、やり過ぎてない感じだったし物語の個性を壊さずバランス良い感じで見せていたのも映画として見やすかった。
戦中から戦後にかけての奇妙で混沌とした雰囲気も物語の幻想的なイメージによくあってるし、まるで中国の風景のような東京の裏町が描かれていると思ったら実際に上海で撮影したらしい。
描いている内容的には重く、恐ろしい事件と悲劇を扱いながら、部分的に不自然なく笑いの要素が入っている所も原田監督ならではのうまさだし、こういう雰囲気でこういうミステリーが撮れるなら原田監督に江戸川乱歩作品なんかを撮ってもらったら面白いのが出来そうとも思った。
小説ではさらなる続編「狂骨の夢」や「鉄鼠の檻」があるようだが、いずれ映画化されるだろうしどんな作品が作られてくるのかも楽しみである。

by lucifuge
| 2008-01-10 22:13
| 映画/邦画