ヒルズ・ハブ・アイズ |
アレクサンドル・アジャの「ハイテンション」とんでもなく過激で衝撃的な作品と宣伝されていたので見に行ったのだが実際見てみた感じ私的には大した事がなくて物足りなかった。
しかし、彼の本来の感性はこの「ヒルズ・ハブ・アイズ」でこそ発揮されているというので「今度こそは」と期待していた作品。
かって核実験が行なわれたアメリカのある地域では立ち退かなかった事から実験の影響を受け、突然変異を起こした殺人鬼の一族が住んでおり、そこに迷い込んだトレーラーで銀婚式記念に旅行をしていた家族たちが恐ろしい目にあってしまう・・・・・・といったごくわかりやすいストーリー。
ホラーとしてはこういう田舎町に迷い込んでワケわからん連中にひどい目に遭わされるパターンは「悪魔のいけにえ」をはじめとして最近でも「クライモリ」とか「蝋人形の館」とか定番のひとつであるが、そこに「核実験」という要素を加えたのは面白いし、通常の生活から隔絶された場所で生活して血族結婚を繰り返して家族を増やし、旅行者を襲って食べていた14世紀に実在したソニー・ビーン一家をモデルにしたような殺人鬼一族のキャラクター設定もそれぞれ面白い。
また、キャラクターとしてはオリジナル版と同じく凶悪な一家のメンバーにジュピターやプルトーなどの名前が付く連中が登場するし、凶悪な一家の中で妹のローラだけ優しい心を持った存在であり被害者を助けるように動くなど殺人鬼たちと被害者家族たちの戦いが一方的になっていない所も良い。
一方応戦する家族の側も元刑事の父親に脆弱な娘婿、反抗期な次女やヤンチャな弟などが登場するが、こちらは最初はヘタレだった連中が必死に戦って生き残っていくようなホラーとしてはセオリー通りな展開だったものの、何より他の殺人鬼系ホラーと違っていたのは被害者家族の飼っている犬であるビーストが殺人鬼顔負けの大活躍で、こういうホラーで犬が戦うというパターンは珍しくて面白い。
オープニングのクレジットの出し方などは実際の核実験の映像やフリークスの映像などをうまくl組み合わせてかなり良い雰囲気fだったが、前半は悪くはないものの最近のよくあるホラーと大差ない印象。
でも後半、反撃に転じて必死に戦う被害者一家の描写がかなり凄まじく結構衝撃的だったし、なかなかハラハラドキドキ楽しませてくれて、最後までホラーファンを喜ばせてくれるような満足のいく仕上がりだったと思う。
それにしてもあの殺人鬼一家、核実験の影響のせいかとんでもなく身体が丈夫でなかなか死なないし・・・・死んだと思ったら何度も立ってくる様子はしつこいながら油断できない恐ろしさだった。
