2008年 01月 21日
28週後... |
2002年に作られたダニー・ボイル監督の終末的バイオ・パニックホラー「28日後...」の続編「28週後...」を見た。
前作「28日後...」は近未来のイギリスを舞台に過激な動物愛護団体のメンバーによって「レイジ・ウィルス」とよばれる危険なウィルスに感染した猿を解放されてしまい、そこからウィルスに感染した人間たちは全て狂暴化してしまい、イギリス国内がパニックになる・・・・そんな中病院で28日間昏睡状態だった男が目覚め、生きるために感染者と戦い逃げるのだが・・・・といった内容だった。
その続編である今回の話は狂暴化した感染者たちも全て餓死してしまい、米軍の支援もあって事態も沈静化した28週間後、海外に避難していた子供たちの帰国や生存者たちが守られ復興に向けて生活している隔離施設を舞台に、騒乱の中、妻を見捨て生き残り、現在は復興施設の管理官をしている父親ドンとスペインから帰国した姉タミー、弟アンディが再会するが、母の写真を取り戻そうと立ち入り禁止区域内にある実家に忍び込んだ姉弟はそこで生き延びていた母と再会する。
しかし母は遺伝上の特異体質なため感染した保菌者でありながら感染症状が現われていない状態で周囲に対して感染の危険性があった・・・・・という感じのストーリー。
前作はこういう事態が実際に起こった場合のパニック描写や心理描写が凄くリアルに描かれていたが、今回もパニック描写に関しては単なる襲撃や逃走といったシチュエーションだけでなく、人間側からの感染に対する危険措置の非情さなどかなりリアルに描写されていて良かったし、前作よりも心理描写の面はあまり深く描かれていないものの、映像的にはホラー本来の残虐性や血みどろのスプラッター描写は強烈な過激さで迫ってくる感じでインパクトがあった。
去年後半あたりからこういう世界が終末に向かうようなゾンビ映画(厳密に言えばこの作品は「狂暴化した人間」であってゾンビではないがそれに近いイメージ)が「プラネット・テラー」をはじめ、「バイオハザード3」、「ゾンビ3D」、「アイ・アム・レジェンド」など色々公開されていたが、「プラネット・テラー」を除いてどれもどこかが物足りなかったものの、この「28週後...」は久々にこういう系のホラーとしてかなりな良い出来だったし面白かった☆
またこの映画に描かれる元々のパニックの原因は過激な動物愛護者によるテロ行為なのだが、現実に最近でも日本の捕鯨船に対してこういう連中が騒ぎを起こしていたり、動物を過剰に愛護するくせに人間の命は軽視というある意味異常な思考を持った偽善者連中は「悪」を悪とわかって行なっているようなマフィアや麻薬密売人なんかよりよっぽどタチが悪いし、そういう連中への皮肉もテーマ的に含んでいる所がホラーとしてもちょっと異色な感じ。
それからこういう非常事態に対して規律を守らず人間的感情を優先した連中が主人公となり、生きようと必死になる姿は見ていてドラマティックなものの、その決断が皮肉な結果につながっていったりと、このウィルスの危険性は感情で片付けられるような甘い問題ではなく、人類にとって非情なものだという怖さが情け容赦なく描かれていたのも「アイ・アム・レジェンド」みたいなハリウッド系にありがちなハッピーエンドで済まされるホラーとは違うイギリス映画なりのクールさがあるのも良い。
またキャスティングに関しては父親ドンを演じたロバート・カーライル以外は知らないような俳優ばかりだったが、姉タミー役を演じたイモージェン・プーツという女優はこんな血みどろな映画の中、凛とした美しさがあってとても印象的だった。
やっぱりホラーはグロさや血しぶきも重要だがこういう美しさの要素があってこそ怖さが増して楽しめる☆
物語としてはあのラストからすると事態は収拾してないし、今度は「28ヶ月後...」とか「28年後...」とか続いていくのだろうか?

前作「28日後...」は近未来のイギリスを舞台に過激な動物愛護団体のメンバーによって「レイジ・ウィルス」とよばれる危険なウィルスに感染した猿を解放されてしまい、そこからウィルスに感染した人間たちは全て狂暴化してしまい、イギリス国内がパニックになる・・・・そんな中病院で28日間昏睡状態だった男が目覚め、生きるために感染者と戦い逃げるのだが・・・・といった内容だった。
その続編である今回の話は狂暴化した感染者たちも全て餓死してしまい、米軍の支援もあって事態も沈静化した28週間後、海外に避難していた子供たちの帰国や生存者たちが守られ復興に向けて生活している隔離施設を舞台に、騒乱の中、妻を見捨て生き残り、現在は復興施設の管理官をしている父親ドンとスペインから帰国した姉タミー、弟アンディが再会するが、母の写真を取り戻そうと立ち入り禁止区域内にある実家に忍び込んだ姉弟はそこで生き延びていた母と再会する。
しかし母は遺伝上の特異体質なため感染した保菌者でありながら感染症状が現われていない状態で周囲に対して感染の危険性があった・・・・・という感じのストーリー。
前作はこういう事態が実際に起こった場合のパニック描写や心理描写が凄くリアルに描かれていたが、今回もパニック描写に関しては単なる襲撃や逃走といったシチュエーションだけでなく、人間側からの感染に対する危険措置の非情さなどかなりリアルに描写されていて良かったし、前作よりも心理描写の面はあまり深く描かれていないものの、映像的にはホラー本来の残虐性や血みどろのスプラッター描写は強烈な過激さで迫ってくる感じでインパクトがあった。
去年後半あたりからこういう世界が終末に向かうようなゾンビ映画(厳密に言えばこの作品は「狂暴化した人間」であってゾンビではないがそれに近いイメージ)が「プラネット・テラー」をはじめ、「バイオハザード3」、「ゾンビ3D」、「アイ・アム・レジェンド」など色々公開されていたが、「プラネット・テラー」を除いてどれもどこかが物足りなかったものの、この「28週後...」は久々にこういう系のホラーとしてかなりな良い出来だったし面白かった☆
またこの映画に描かれる元々のパニックの原因は過激な動物愛護者によるテロ行為なのだが、現実に最近でも日本の捕鯨船に対してこういう連中が騒ぎを起こしていたり、動物を過剰に愛護するくせに人間の命は軽視というある意味異常な思考を持った偽善者連中は「悪」を悪とわかって行なっているようなマフィアや麻薬密売人なんかよりよっぽどタチが悪いし、そういう連中への皮肉もテーマ的に含んでいる所がホラーとしてもちょっと異色な感じ。
それからこういう非常事態に対して規律を守らず人間的感情を優先した連中が主人公となり、生きようと必死になる姿は見ていてドラマティックなものの、その決断が皮肉な結果につながっていったりと、このウィルスの危険性は感情で片付けられるような甘い問題ではなく、人類にとって非情なものだという怖さが情け容赦なく描かれていたのも「アイ・アム・レジェンド」みたいなハリウッド系にありがちなハッピーエンドで済まされるホラーとは違うイギリス映画なりのクールさがあるのも良い。
またキャスティングに関しては父親ドンを演じたロバート・カーライル以外は知らないような俳優ばかりだったが、姉タミー役を演じたイモージェン・プーツという女優はこんな血みどろな映画の中、凛とした美しさがあってとても印象的だった。
やっぱりホラーはグロさや血しぶきも重要だがこういう美しさの要素があってこそ怖さが増して楽しめる☆
物語としてはあのラストからすると事態は収拾してないし、今度は「28ヶ月後...」とか「28年後...」とか続いていくのだろうか?

by lucifuge
| 2008-01-21 21:30
| 映画/洋画