2008年 02月 12日
METライブビューイング~フンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》 |
先月初めに見たニューヨークメトロポリタン歌劇場で上演されるオペラを映画として配信する企画「METライブビューイング」の「グノー《ロメオとジュリエット》」に続く第2弾「フンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》」を見た。
「ヘンゼルとグレーテル」とは森に迷い込んだ兄妹がお菓子の家を発見するもそこにいた魔女に食べられそうになり・・・・といった「グリム童話」で有名な物語であるが、その物語をベースにワーグナーの助手だったフンパーディングが19世紀末に作ったオペラを新演出で展開している。
前回見た「ロメオとジュリエット」のようないかにも華麗で荘厳なオペラのイメージと違って原作世界が持つメルヘンな雰囲気を保ちながら特殊メイクや仕掛けを駆使した舞台はまるで80年代のファンタジー映画「ラビリンス 魔王の迷宮」や「ダーク・クリスタル」のようなイメージを想起させてオペラとしてはちょっと意外な感じだったし、普通は女性が演じていた魔女役を男性が演じていたり、兄役を女性が演じていたり宝塚ミュージカル的な面白さがあったりと様々な楽しみ方が出来る作品。
キャラクターとしては頭が木になってる人間みたいなものや、ピンクの顔でやたらと頭が大きく太っちょな十数人いるコックなども見ていて何だかコミカルでファンタスティックな存在だったし印象に残った。
休憩時間も飽きさせず、特殊メイクで登場した老人姿の眠りの精が実は若い女優がやっていたというメイキング映像やインタビューなどもあって、そういう舞台の裏側を見られるというのも面白い。
それからメルヘンというだけでなく家庭の貧困や虐待と愛情、子供を騙して自分の糧にしようとする魔女の描き方など社会的な問題を感じさせる部分もあるし、ラストにグレーテルが魔女の裏をかいてかまどで焼き殺すというシチュエーションは現実的に考えたら結構衝撃シーン!
しかもかまどで焼かれた魔女はパンになってしまう設定なので子供たちがそれを食べてるのだが、ある意味カニバリズムを連想させるし、この「ヘンゼルとグレーテル」というのは一見子供の勇気や親の愛情をメルヘンタッチで描きながら実は毒を持ったアブない作品であるのかも知れないと思った。
「ヘンゼルとグレーテル」とは森に迷い込んだ兄妹がお菓子の家を発見するもそこにいた魔女に食べられそうになり・・・・といった「グリム童話」で有名な物語であるが、その物語をベースにワーグナーの助手だったフンパーディングが19世紀末に作ったオペラを新演出で展開している。
前回見た「ロメオとジュリエット」のようないかにも華麗で荘厳なオペラのイメージと違って原作世界が持つメルヘンな雰囲気を保ちながら特殊メイクや仕掛けを駆使した舞台はまるで80年代のファンタジー映画「ラビリンス 魔王の迷宮」や「ダーク・クリスタル」のようなイメージを想起させてオペラとしてはちょっと意外な感じだったし、普通は女性が演じていた魔女役を男性が演じていたり、兄役を女性が演じていたり宝塚ミュージカル的な面白さがあったりと様々な楽しみ方が出来る作品。
キャラクターとしては頭が木になってる人間みたいなものや、ピンクの顔でやたらと頭が大きく太っちょな十数人いるコックなども見ていて何だかコミカルでファンタスティックな存在だったし印象に残った。
休憩時間も飽きさせず、特殊メイクで登場した老人姿の眠りの精が実は若い女優がやっていたというメイキング映像やインタビューなどもあって、そういう舞台の裏側を見られるというのも面白い。
それからメルヘンというだけでなく家庭の貧困や虐待と愛情、子供を騙して自分の糧にしようとする魔女の描き方など社会的な問題を感じさせる部分もあるし、ラストにグレーテルが魔女の裏をかいてかまどで焼き殺すというシチュエーションは現実的に考えたら結構衝撃シーン!
しかもかまどで焼かれた魔女はパンになってしまう設定なので子供たちがそれを食べてるのだが、ある意味カニバリズムを連想させるし、この「ヘンゼルとグレーテル」というのは一見子供の勇気や親の愛情をメルヘンタッチで描きながら実は毒を持ったアブない作品であるのかも知れないと思った。
by lucifuge
| 2008-02-12 21:26
| 舞台