2008年 02月 24日
オルランド |
ヴァージニア・ウルフの原作をサリー・ポッター監督が映画化した「オルランド」をDVDで見た。
16世紀末、年老いたエリザベス1世の寵愛を受けた若き貴族オルランドは女王に永遠の美と不老不死の誓いをたて屋敷を貰い受ける。
女王の崩御と父親の死後、ユーフロジニと婚約したオルランドだったが、新国王への挨拶に訪れたロシア大使の娘サーシャに恋してしまい婚約を破棄、一緒に旅に出ようと約束するもサーシャは来ずに、彼は深い失恋から6日間眠り続けるのだった。
その後詩作の没頭するも断念したり、オリエントの国に大使として10年間務めるも敵国の襲撃を受け、ショックから再び眠り続ける・・・しかし今度彼が目覚めた時は何と女性になってしまっていた・・・・といった感じのストーリー。
最初オーソドックスな史劇映画かと思って見ていたが、オルランドは最初の誓いの通り何十年たっても年老いる事はないし、何故オルランド役を女優が演じてるのかと思っていたら後半突然女性への変貌があったりと意外な展開に驚き!
またそれぞれの時代でのオルランドの様々な立場や経験、男性の頃のオルランドから女性になってからのオルランドの心の変化や、さらに母になってからの変化など、時代を越えた存在であるオルランドを通して人間の心が持つ色んな側面をドラマティックに描いていたと思う。
それにしても誓いをたてただけで不老不死になるオルランドという存在は一体何なのだろうか・・・?
不老不死といえばヴァンパイア、もしくはドリアン・グレイのようなイメージがあるが、不老不死と関連するであろう要素である周期的に眠り続ける特性(楳図かずおの「おろち」みたい)とある時を境に女性に変化してしまったりする設定は個性的。
この複雑な要素を持つオルランド役を演じたティルダ・スウィントンは「ナルニア国物語」での魔女や「コンスタンティン」での天使ガブリエルなど冷たく中性的な役柄を演じていた女優だが、こういう男から女に変わるという特異な役柄を繊細で幻想的に演じていたし、どこかケイト・ブランシェットにも似た雰囲気で上品な風格もあってこういった歴史劇のイメージにもピッタリな役者だと思った。
物語の特異さも個性的だが映像の作りこみもかなりなもので、全体的に華やかな装飾に彩られた見事な衣装次々登場するのだが、特に印象に残ったのは最初に登場するエリザベス1世のファッションでかなりの迫力で昔見た「ラストエンペラー」に登場した西太后にも似た豪華さと恐ろしさを感じさせる衣装だった。
また主人公オルランド自身の時代の変化によってどんどん移り変わる衣装もまるで宝塚の男役のような壮麗な格好良さがあったし、女性に変わってからの衣装もさらに華やかで楽しめる。
衣装だけでなく前半のロウソクの光にこだわったような映像も綺麗だったし、貴族のパーティなんかが描かれるゴテゴテ装飾ビッシリな雰囲気のシーンなどは絵画的な美しさを感じさせたりで映像としても凄く見ごたえがあって色んな面で優れた映画だと思った。
歴史劇でありながら壮大なファンタジーであり、映像的にも芸術的で時間や性を超越した中での「自由」という現代に通ずるようなテーマ性など、ドラマ面にも充実した素晴らしい作品だし、92年に作られていたこの映画を知らずにずっと見逃していたのが悔しい気分に感じさせるほど印象に残る作品だった。
16世紀末、年老いたエリザベス1世の寵愛を受けた若き貴族オルランドは女王に永遠の美と不老不死の誓いをたて屋敷を貰い受ける。
女王の崩御と父親の死後、ユーフロジニと婚約したオルランドだったが、新国王への挨拶に訪れたロシア大使の娘サーシャに恋してしまい婚約を破棄、一緒に旅に出ようと約束するもサーシャは来ずに、彼は深い失恋から6日間眠り続けるのだった。
その後詩作の没頭するも断念したり、オリエントの国に大使として10年間務めるも敵国の襲撃を受け、ショックから再び眠り続ける・・・しかし今度彼が目覚めた時は何と女性になってしまっていた・・・・といった感じのストーリー。
最初オーソドックスな史劇映画かと思って見ていたが、オルランドは最初の誓いの通り何十年たっても年老いる事はないし、何故オルランド役を女優が演じてるのかと思っていたら後半突然女性への変貌があったりと意外な展開に驚き!
またそれぞれの時代でのオルランドの様々な立場や経験、男性の頃のオルランドから女性になってからのオルランドの心の変化や、さらに母になってからの変化など、時代を越えた存在であるオルランドを通して人間の心が持つ色んな側面をドラマティックに描いていたと思う。
それにしても誓いをたてただけで不老不死になるオルランドという存在は一体何なのだろうか・・・?
不老不死といえばヴァンパイア、もしくはドリアン・グレイのようなイメージがあるが、不老不死と関連するであろう要素である周期的に眠り続ける特性(楳図かずおの「おろち」みたい)とある時を境に女性に変化してしまったりする設定は個性的。
この複雑な要素を持つオルランド役を演じたティルダ・スウィントンは「ナルニア国物語」での魔女や「コンスタンティン」での天使ガブリエルなど冷たく中性的な役柄を演じていた女優だが、こういう男から女に変わるという特異な役柄を繊細で幻想的に演じていたし、どこかケイト・ブランシェットにも似た雰囲気で上品な風格もあってこういった歴史劇のイメージにもピッタリな役者だと思った。
物語の特異さも個性的だが映像の作りこみもかなりなもので、全体的に華やかな装飾に彩られた見事な衣装次々登場するのだが、特に印象に残ったのは最初に登場するエリザベス1世のファッションでかなりの迫力で昔見た「ラストエンペラー」に登場した西太后にも似た豪華さと恐ろしさを感じさせる衣装だった。
また主人公オルランド自身の時代の変化によってどんどん移り変わる衣装もまるで宝塚の男役のような壮麗な格好良さがあったし、女性に変わってからの衣装もさらに華やかで楽しめる。
衣装だけでなく前半のロウソクの光にこだわったような映像も綺麗だったし、貴族のパーティなんかが描かれるゴテゴテ装飾ビッシリな雰囲気のシーンなどは絵画的な美しさを感じさせたりで映像としても凄く見ごたえがあって色んな面で優れた映画だと思った。
歴史劇でありながら壮大なファンタジーであり、映像的にも芸術的で時間や性を超越した中での「自由」という現代に通ずるようなテーマ性など、ドラマ面にも充実した素晴らしい作品だし、92年に作られていたこの映画を知らずにずっと見逃していたのが悔しい気分に感じさせるほど印象に残る作品だった。
by lucifuge
| 2008-02-24 17:47
| 映画/洋画