2008年 02月 25日
METライブビューイング~ヴェルディ《マクベス》 |
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のオペラを映画として上映する企画である「METライブビューイング」の第3弾「ヴェルディ《マクベス》」を見た。
「マクベス」といえばシェークスピア原作の悲劇として有名な作品であるが19世紀にヴェルディがそれをオペラとして作り、今回エイドリアン・ノーブルの新演出で上演されたものである。
将軍マクベスとその友人バンクォーは森の中で遭遇した3人の魔女から「マクベスは王に、バンクォーは王にはなれないが王の父親になる」という予言を聞かされる。
予言の話を手紙で知ったマクベス夫人はマクベスをそそのかし、王を暗殺させ、王の地位につかせるが、もう一つの予言が気になりだしたマクベスはバンクォーをも殺そうとし・・・といったストーリー。
原作の歴史劇的な雰囲気のイメージと違い、この新演出版は舞台を20世紀に設定していたので、軍服的な衣装や銃を使っていたり、舞台風景が見ていて何かちょっと思ってたのと違うという印象を受けたが、ダークでゴシックな雰囲気はないもののクーデターや暗殺、悪政による難民問題、はたまた怪しいスピリチュアル的なものに運命が左右されたりなど社会的な面や、悪女にたぶらかされる野心ある男とか悪事を行なったものの、罪の意識に苦悩したりなど人間ドラマ面としての描き方は現代にも通じるストーリーとしてこれはこれで面白い演出だと思う。
勿論オペラであるからには歌や音楽も素晴らしいクオリティだったし、特にもう一人の主役とも言うべきマクベス夫人の歌の存在感はかなりな大きさだった。
この作品には一つのオカルト要素として「魔女」が登場するが、最初のシーンで薄汚い格好をしたオバサンたちがいっぱい登場して何者かと思っていたらそれが魔女で意外な感じだったし、あんな感じの魔女なら現実にも案外沢山潜んでいそう(笑)
でもこの作品で最も魔女たる存在はマクベス夫人だと思うし、ある意味人間の女の方が魔女より恐ろしいのかも?
しかしながらマクベス夫人は罪の意識にさいなまれ夢遊病者になって悪事を告白したりした末、死んでしまったり、あんな悪事を行ないながら心は案外脆くて弱い存在だったというのは凄く人間的な部分を感じた。
私が初めてこの「ヴェルディのマクベス」を知ったのは昔見たダリオ・アルジェント監督のホラー映画「オペラ座・血の喝采」の劇中に物語の焦点となるオペラとして登場したのだが、劇中では「ヴェルディのマクベスを上演すると不吉を呼ぶ」といった伝説が登場していて凄く怪しいオペラとして記憶に残っていた。
でもこのMETライブビューイングの上演でも何故か突然2人のキャストが変更になったお知らせなどが出ていて何か怪しい事があったのだろうか・・・?なんて思ってしまったが。

「マクベス」といえばシェークスピア原作の悲劇として有名な作品であるが19世紀にヴェルディがそれをオペラとして作り、今回エイドリアン・ノーブルの新演出で上演されたものである。
将軍マクベスとその友人バンクォーは森の中で遭遇した3人の魔女から「マクベスは王に、バンクォーは王にはなれないが王の父親になる」という予言を聞かされる。
予言の話を手紙で知ったマクベス夫人はマクベスをそそのかし、王を暗殺させ、王の地位につかせるが、もう一つの予言が気になりだしたマクベスはバンクォーをも殺そうとし・・・といったストーリー。
原作の歴史劇的な雰囲気のイメージと違い、この新演出版は舞台を20世紀に設定していたので、軍服的な衣装や銃を使っていたり、舞台風景が見ていて何かちょっと思ってたのと違うという印象を受けたが、ダークでゴシックな雰囲気はないもののクーデターや暗殺、悪政による難民問題、はたまた怪しいスピリチュアル的なものに運命が左右されたりなど社会的な面や、悪女にたぶらかされる野心ある男とか悪事を行なったものの、罪の意識に苦悩したりなど人間ドラマ面としての描き方は現代にも通じるストーリーとしてこれはこれで面白い演出だと思う。
勿論オペラであるからには歌や音楽も素晴らしいクオリティだったし、特にもう一人の主役とも言うべきマクベス夫人の歌の存在感はかなりな大きさだった。
この作品には一つのオカルト要素として「魔女」が登場するが、最初のシーンで薄汚い格好をしたオバサンたちがいっぱい登場して何者かと思っていたらそれが魔女で意外な感じだったし、あんな感じの魔女なら現実にも案外沢山潜んでいそう(笑)
でもこの作品で最も魔女たる存在はマクベス夫人だと思うし、ある意味人間の女の方が魔女より恐ろしいのかも?
しかしながらマクベス夫人は罪の意識にさいなまれ夢遊病者になって悪事を告白したりした末、死んでしまったり、あんな悪事を行ないながら心は案外脆くて弱い存在だったというのは凄く人間的な部分を感じた。
私が初めてこの「ヴェルディのマクベス」を知ったのは昔見たダリオ・アルジェント監督のホラー映画「オペラ座・血の喝采」の劇中に物語の焦点となるオペラとして登場したのだが、劇中では「ヴェルディのマクベスを上演すると不吉を呼ぶ」といった伝説が登場していて凄く怪しいオペラとして記憶に残っていた。
でもこのMETライブビューイングの上演でも何故か突然2人のキャストが変更になったお知らせなどが出ていて何か怪しい事があったのだろうか・・・?なんて思ってしまったが。

by lucifuge
| 2008-02-25 22:16
| 舞台