2008年 02月 28日
エリザベス ゴールデン・エイジ |
1998年に作られたケイト・ブランシェット主演の映画「エリザベス」の続編「エリザベス ゴールデン・エイジ」を見てきた。
16世紀のイングランドを舞台に女王についたエリザベス1世の姿を描いた作品であるが、苦難の時代から女王になるまでを描いた前作からさらに続く彼女の戦いと全盛期をメインに描いており、プロテスタントであるエリザベスとカトリックである当時最強といわれたスペインのフェリペ2世との宗教と覇権を含めた対立や、女王に対する暗殺計画の危機、もう一度王座への復権を狙うスコットランド女王メアリー・スチュアートなど複雑に様々な陰謀が絡む中、女王は新大陸から帰還した航海士ウォルター・ローリーに心惹かれたり・・・・といった内容。
まずストーリーとしては歴史モノとして一応よく考えられているし、暗殺の陰謀に対する情報の探りあいとかサスペンスな展開の部分やこれまで女王であるゆえに孤独だったエリザベスが心惹かれる相手ウォルターに出会いながらウォルターが腹心の侍女べスと関係を持った事に嫉妬したり、「女」としての女王を描いてる部分とかはそれなりに良かったものの、一番大きな要素であるスペインとの戦いに関してはちょっと中途半端な気がする。
戦いのシーンでは一応クライマックスとしてスペイン海軍との「アルマダの海戦」をメインにした感じだが、自軍の船に火をつけて敵艦にぶつけるという戦略なのに火をつけてぶつけようって所で一番盛り上がるはずの破壊シーンが無かったり、戦いの描写としてちょっと中途半端というか、さっさとスペイン王室のシーンに移ってしまって艦隊が全滅したという台詞で済ませてしまったのは少し物足りない感じ。
おそらく「エリザベスの黄金時代」という事で様々なエピソードをあれもこれもと盛り込み過ぎて焦点が合いにくくなってしまい、全体的に描き方が浅いというか映画としての完成度は前作の方が良かったと思う。
しかし、さすがにアカデミー賞を受賞した衣装に関しては豪華なだけでなく場面ごとに様々な趣向が凝らされていてかなり見入ってしまうし、それぞれのシーンでのセットや装飾も凄くて(特に最初のスペイン王室の場面のセットはゴテゴテで私好み☆)どっちかというと人間ドラマ面よりは目で楽しめるシアトリカルな美術館みたいな映画といった印象。
それにしても海戦に臨む鎧姿のエリザベスが迫力の演説をするシーンがあるのだが、乗っている馬のタテガミや前髪に妙なウェーブがかかっており、まるでヴィジュアル系バンドのミュージシャンみたいで凄く気になってしまったが・・・馬にウェーブって(笑)
またエリザベス暗殺計画をめぐるカトリックとプロテスタントの情報戦において容疑者の拷問シーンが登場するのだがプロテスタント側の拷問器具はかなり異様な感じでパッと見「SAW」に出てくる残虐機械を思い出してしまったし、カトリック側の暗殺集団のメンバーの雰囲気やアジトの描き方などは「ダ・ヴィンチ・コード」に登場するオプス・デイに似た印象も感じたが、本来人を救う教義を持つはずのキリスト教徒たちが宗派は違えど暗殺や拷問といった恐ろしい事を遂行していくのは結構皮肉な感じ。
キャスティングとしてはケイト・ブランシェットはこれ以上はないくらいエリザベスのイメージにピッタリで威厳ある強さを発揮し、時には一人の女としての弱さもうまく表現していたが、結構怖さも感じるくらい迫力がある。
また女王の心を揺らすウォルター役を「キング・アーサー」を演じたクライブ・オーウェンが演じているというのも面白いし、力強く冷たい美しさを持ったエリザベスとは対照的に若さと可愛さを併せ持った侍女べスを演じるアビー・コーニッシュもちょっとにコール・キッドマンを思わせるような上品な美しさがあって印象に残った。
シリーズが2までくればいずれエリザベスの晩年を描いた3も作られるかもしれないが、先日DVDで見た「オルランド」に登場したエリザベスのように魔女じみたイメージを持つ権力の象徴的存在で全編描かれていたらかなり怖そうだが・・・。
16世紀のイングランドを舞台に女王についたエリザベス1世の姿を描いた作品であるが、苦難の時代から女王になるまでを描いた前作からさらに続く彼女の戦いと全盛期をメインに描いており、プロテスタントであるエリザベスとカトリックである当時最強といわれたスペインのフェリペ2世との宗教と覇権を含めた対立や、女王に対する暗殺計画の危機、もう一度王座への復権を狙うスコットランド女王メアリー・スチュアートなど複雑に様々な陰謀が絡む中、女王は新大陸から帰還した航海士ウォルター・ローリーに心惹かれたり・・・・といった内容。
まずストーリーとしては歴史モノとして一応よく考えられているし、暗殺の陰謀に対する情報の探りあいとかサスペンスな展開の部分やこれまで女王であるゆえに孤独だったエリザベスが心惹かれる相手ウォルターに出会いながらウォルターが腹心の侍女べスと関係を持った事に嫉妬したり、「女」としての女王を描いてる部分とかはそれなりに良かったものの、一番大きな要素であるスペインとの戦いに関してはちょっと中途半端な気がする。
戦いのシーンでは一応クライマックスとしてスペイン海軍との「アルマダの海戦」をメインにした感じだが、自軍の船に火をつけて敵艦にぶつけるという戦略なのに火をつけてぶつけようって所で一番盛り上がるはずの破壊シーンが無かったり、戦いの描写としてちょっと中途半端というか、さっさとスペイン王室のシーンに移ってしまって艦隊が全滅したという台詞で済ませてしまったのは少し物足りない感じ。
おそらく「エリザベスの黄金時代」という事で様々なエピソードをあれもこれもと盛り込み過ぎて焦点が合いにくくなってしまい、全体的に描き方が浅いというか映画としての完成度は前作の方が良かったと思う。
しかし、さすがにアカデミー賞を受賞した衣装に関しては豪華なだけでなく場面ごとに様々な趣向が凝らされていてかなり見入ってしまうし、それぞれのシーンでのセットや装飾も凄くて(特に最初のスペイン王室の場面のセットはゴテゴテで私好み☆)どっちかというと人間ドラマ面よりは目で楽しめるシアトリカルな美術館みたいな映画といった印象。
それにしても海戦に臨む鎧姿のエリザベスが迫力の演説をするシーンがあるのだが、乗っている馬のタテガミや前髪に妙なウェーブがかかっており、まるでヴィジュアル系バンドのミュージシャンみたいで凄く気になってしまったが・・・馬にウェーブって(笑)
またエリザベス暗殺計画をめぐるカトリックとプロテスタントの情報戦において容疑者の拷問シーンが登場するのだがプロテスタント側の拷問器具はかなり異様な感じでパッと見「SAW」に出てくる残虐機械を思い出してしまったし、カトリック側の暗殺集団のメンバーの雰囲気やアジトの描き方などは「ダ・ヴィンチ・コード」に登場するオプス・デイに似た印象も感じたが、本来人を救う教義を持つはずのキリスト教徒たちが宗派は違えど暗殺や拷問といった恐ろしい事を遂行していくのは結構皮肉な感じ。
キャスティングとしてはケイト・ブランシェットはこれ以上はないくらいエリザベスのイメージにピッタリで威厳ある強さを発揮し、時には一人の女としての弱さもうまく表現していたが、結構怖さも感じるくらい迫力がある。
また女王の心を揺らすウォルター役を「キング・アーサー」を演じたクライブ・オーウェンが演じているというのも面白いし、力強く冷たい美しさを持ったエリザベスとは対照的に若さと可愛さを併せ持った侍女べスを演じるアビー・コーニッシュもちょっとにコール・キッドマンを思わせるような上品な美しさがあって印象に残った。
シリーズが2までくればいずれエリザベスの晩年を描いた3も作られるかもしれないが、先日DVDで見た「オルランド」に登場したエリザベスのように魔女じみたイメージを持つ権力の象徴的存在で全編描かれていたらかなり怖そうだが・・・。
by lucifuge
| 2008-02-28 21:00
| 映画/洋画