2008年 03月 01日
チーム・バチスタの栄光 |
第4回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した現役医師でもある海堂尊の本格医療ミステリー小説を原作に映画化した「チーム・バチスタの栄光」を見た。
東城大学医学部付属病院では成功率60パーセントといわれる心臓手術「バチスタ手術」の専門集団「チーム・バチスタ」を結成し、26連続で手術を成功させる快挙を成し遂げていたが27度目から3連続で手術に失敗、そこに事件なのか事故なのか不審な点が感じられる事から、成り行きで内部調査をする事になってしまった女性医師田口は独自の視点で調査を始めるも進展しない・・・しかしそこに厚生労働省からやってきた白鳥という男が加わり関係者の感情をひっかきまわしながらも真相につながる情報を徐々に得ていき、そこに隠されていた真実とは・・・・・といった内容。
病院というある意味「聖域」ともいえる特殊な場を舞台に、その中にある特別なチームを焦点にした殺人の疑惑というミステリーの切り口は凄く興味深いし、普段病院に全く行かない私にとっては全くの別世界だしミステリーの部分だけでなくそういう知られざる世界で展開される人間関係のドラマとか知識的な情報などは結構新鮮で面白かった。
また登場人物の描き方や設定もそれぞれよく考えられていて、竹内木結子演じる主人公の女性医師である田口は患者の愚痴や悩みを聞く部署「不定愁訴外来(=通称グチ外来)」で働いており、患者の観察に長けている事からチーム・バチスタに対する内部調査でもそれぞれの調査対象人物を動物に例えたり、コミカルながら面白い調べ方をするし、途中から調査に加わる厚生労働省の白鳥は人の心理を読み、行動力にも富んだ有能な男ながら役人風を吹かせて周りを見下す人間的にはちょっとどうかと思う面も持つ変なキャラクターでまともにこういうキャラクターを演じると単に嫌味な感じになってしまうが、そこは演じる阿部寛のユーモラス感溢れる雰囲気がうまく嫌味な感じを笑いに変えていて面白い。
それからアメリカから招聘されたチーム・バチスタ主任の桐生医師、桐生の義弟でかって桐生のせいで手に怪我を負い外科医への道を断たれた病理医に鳴海、桐生が来たせいで助教授になれなかった第一助手の外科医垣谷、垣谷が嫌いな第二助手酒井、手術の失敗が起こった時から担当になった女性看護士大友、麻酔のスペシャリストである氷室、臨床工学技士の羽場など容疑者はどれもが怪しく動機が感じられ、単独犯行の線だけでなくもしやこの人物とこの人物がグルだったのか?とか見ている最中色々考えたり、院長と外科部長の対立とか病院内の勢力関係についても感じさせるし、色んな面でミステリーの醍醐味を存分に楽しめる作品に仕上がっている。
クライマックスの部分も一度真相がわかって決着したのかと思いきや、まだその先にさらなる真相が隠されていたり油断できない意外な展開は私も全く真犯人がわからなくて完成度の高いミステリー映画だったと思う。
それから謎解きの部分も勿論盛り上がるのだが、何といってもタイトルにも含まれる「バチスタ手術」のシーンの緊張感が凄い!
バチスタ手術は一旦心臓を止めて人工の心臓と心肺につなぎ、患部の切除後再び元につなぎ直すのだが、その元に戻す段階で心臓が再び動くのか、失敗して動かないのか・・・といった緊張感が息も詰まる感じでハラハラしてしまうし、人の命を預かる病院の手術室という厳しい現場の空気がうまく表現されていたと思う。
ストーリーとしてちょっと重い感じながらも、グチ外来を訪れるオッサンのホクロの話とかバチスタ手術を受ける予定で退院後はロックミュージシャンになりたいと願うオッサンが大人しく歌うシーンとか笑えるシーンもいっぱいあるし、映画としてサスペンスの緊迫感とユーモアの楽しさのバランスがうまくとれていて見やすく出来た作品でもあった。
小説版ではさらに続編「ナイチンゲールの沈黙」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」というのもあるらしいのでまた是非映画化して欲しいものである。
東城大学医学部付属病院では成功率60パーセントといわれる心臓手術「バチスタ手術」の専門集団「チーム・バチスタ」を結成し、26連続で手術を成功させる快挙を成し遂げていたが27度目から3連続で手術に失敗、そこに事件なのか事故なのか不審な点が感じられる事から、成り行きで内部調査をする事になってしまった女性医師田口は独自の視点で調査を始めるも進展しない・・・しかしそこに厚生労働省からやってきた白鳥という男が加わり関係者の感情をひっかきまわしながらも真相につながる情報を徐々に得ていき、そこに隠されていた真実とは・・・・・といった内容。
病院というある意味「聖域」ともいえる特殊な場を舞台に、その中にある特別なチームを焦点にした殺人の疑惑というミステリーの切り口は凄く興味深いし、普段病院に全く行かない私にとっては全くの別世界だしミステリーの部分だけでなくそういう知られざる世界で展開される人間関係のドラマとか知識的な情報などは結構新鮮で面白かった。
また登場人物の描き方や設定もそれぞれよく考えられていて、竹内木結子演じる主人公の女性医師である田口は患者の愚痴や悩みを聞く部署「不定愁訴外来(=通称グチ外来)」で働いており、患者の観察に長けている事からチーム・バチスタに対する内部調査でもそれぞれの調査対象人物を動物に例えたり、コミカルながら面白い調べ方をするし、途中から調査に加わる厚生労働省の白鳥は人の心理を読み、行動力にも富んだ有能な男ながら役人風を吹かせて周りを見下す人間的にはちょっとどうかと思う面も持つ変なキャラクターでまともにこういうキャラクターを演じると単に嫌味な感じになってしまうが、そこは演じる阿部寛のユーモラス感溢れる雰囲気がうまく嫌味な感じを笑いに変えていて面白い。
それからアメリカから招聘されたチーム・バチスタ主任の桐生医師、桐生の義弟でかって桐生のせいで手に怪我を負い外科医への道を断たれた病理医に鳴海、桐生が来たせいで助教授になれなかった第一助手の外科医垣谷、垣谷が嫌いな第二助手酒井、手術の失敗が起こった時から担当になった女性看護士大友、麻酔のスペシャリストである氷室、臨床工学技士の羽場など容疑者はどれもが怪しく動機が感じられ、単独犯行の線だけでなくもしやこの人物とこの人物がグルだったのか?とか見ている最中色々考えたり、院長と外科部長の対立とか病院内の勢力関係についても感じさせるし、色んな面でミステリーの醍醐味を存分に楽しめる作品に仕上がっている。
クライマックスの部分も一度真相がわかって決着したのかと思いきや、まだその先にさらなる真相が隠されていたり油断できない意外な展開は私も全く真犯人がわからなくて完成度の高いミステリー映画だったと思う。
それから謎解きの部分も勿論盛り上がるのだが、何といってもタイトルにも含まれる「バチスタ手術」のシーンの緊張感が凄い!
バチスタ手術は一旦心臓を止めて人工の心臓と心肺につなぎ、患部の切除後再び元につなぎ直すのだが、その元に戻す段階で心臓が再び動くのか、失敗して動かないのか・・・といった緊張感が息も詰まる感じでハラハラしてしまうし、人の命を預かる病院の手術室という厳しい現場の空気がうまく表現されていたと思う。
ストーリーとしてちょっと重い感じながらも、グチ外来を訪れるオッサンのホクロの話とかバチスタ手術を受ける予定で退院後はロックミュージシャンになりたいと願うオッサンが大人しく歌うシーンとか笑えるシーンもいっぱいあるし、映画としてサスペンスの緊迫感とユーモアの楽しさのバランスがうまくとれていて見やすく出来た作品でもあった。
小説版ではさらに続編「ナイチンゲールの沈黙」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」というのもあるらしいのでまた是非映画化して欲しいものである。
by lucifuge
| 2008-03-01 20:39
| 映画/邦画