2008年 03月 05日
世紀末の黙示録 |
毎日新聞社が1987年に出版した画集「世紀末の黙示録」をネットの古本で見つけて入手した。
この画集は幻想的絵画を描く日本の画家16人の作品を集めたものであるが、私自身が作品のファンであり、プライベートでもお世話になっている高松潤一郎さんの作品が収録されているので前から欲しかった1冊だし、「古本祭」などに行く際は毎回探していたのだがなかなか見つからず、今回ネットで見つけられたのは嬉しかった。
画集の構成としては絵だけでなくそれぞれの画家が自らの作品の世界観とかそれに伴うような文章を載せているのだが、高松さんが「グロテスク」について語っておられる文章は非常に興味深いし、私が自らの作品の中に求める世界についての思考に共通する部分もあったり、「幻想」を描く人間の考え方として凄く参考になる話だった。
また、他には川口起美雄や相馬武夫、横尾龍彦といった「青木画廊」関係の画家の作品は緻密で落ち着いた幻想性を持っていて好きな感じだし、智内兄助やノロ燐、橋本龍美といった和風的幻想を展開している作品も昔日本画をやっていた経験のある私には今後何か活かしていけそうな要素がありそうで見ていて面白かったし、特にノロ燐の作品は異常さを感じるほどの細密感とか、「六根糞掃衣壇」という仏壇めいた作品などは何ともいえない異様さで印象に残る。
それからこの本には大学時代の先生だった渡邊恂三さんの作品も収録されていて「ユダ」や悪魔に付いて語っておられる文章が載っていたが、「聖アントワーヌの誘惑」について当時の画家は誘惑する悪魔の側にから優勢に描いていて渡邊さん自身もその視点で描いているという話は面白いし、確かに美しいだけの神の世界より異様な悪魔の側を描く方が私自身も楽しいと思う。
1冊の画集だが私にとっては絵としての面白さを楽しめるだけでなく、作品としてのクオリティの参考になったり、「幻想」を描く事について色々考えさせる大きな意味のある1冊だった。

この画集は幻想的絵画を描く日本の画家16人の作品を集めたものであるが、私自身が作品のファンであり、プライベートでもお世話になっている高松潤一郎さんの作品が収録されているので前から欲しかった1冊だし、「古本祭」などに行く際は毎回探していたのだがなかなか見つからず、今回ネットで見つけられたのは嬉しかった。
画集の構成としては絵だけでなくそれぞれの画家が自らの作品の世界観とかそれに伴うような文章を載せているのだが、高松さんが「グロテスク」について語っておられる文章は非常に興味深いし、私が自らの作品の中に求める世界についての思考に共通する部分もあったり、「幻想」を描く人間の考え方として凄く参考になる話だった。
また、他には川口起美雄や相馬武夫、横尾龍彦といった「青木画廊」関係の画家の作品は緻密で落ち着いた幻想性を持っていて好きな感じだし、智内兄助やノロ燐、橋本龍美といった和風的幻想を展開している作品も昔日本画をやっていた経験のある私には今後何か活かしていけそうな要素がありそうで見ていて面白かったし、特にノロ燐の作品は異常さを感じるほどの細密感とか、「六根糞掃衣壇」という仏壇めいた作品などは何ともいえない異様さで印象に残る。
それからこの本には大学時代の先生だった渡邊恂三さんの作品も収録されていて「ユダ」や悪魔に付いて語っておられる文章が載っていたが、「聖アントワーヌの誘惑」について当時の画家は誘惑する悪魔の側にから優勢に描いていて渡邊さん自身もその視点で描いているという話は面白いし、確かに美しいだけの神の世界より異様な悪魔の側を描く方が私自身も楽しいと思う。
1冊の画集だが私にとっては絵としての面白さを楽しめるだけでなく、作品としてのクオリティの参考になったり、「幻想」を描く事について色々考えさせる大きな意味のある1冊だった。

by lucifuge
| 2008-03-05 20:04
| 芸術・アート/画集