ALICE COOPER LIVE IN OSAKA 2008

昨日は待ちに待った伝説のショック･ロッカー「アリス・クーパー」のライブを大阪･京橋にあるIMPホールまで見に行ってきた。



アリス･クーパーは私がロック系ミュージシャンとしては初めてCDを買い、本格的にハマったミュージシャンなのだが、そのホラー風なメイクやイメージ、過激な演劇的パフォーマンス、そしてキャッチｰなメロディを持った印象的な曲も多くてまさにハードロックの巨人である。
かといって長い活動の中、同じようなイメージに固まる事もなくてアリス･クーパーというキャラクターを通して様々な音楽の要素を感じさせたり、実にバラエティーに富んだミュージシャンであり、その後活躍していったガンズ＆ローゼズやモトリークルー、マリリン・マンソンやロブ・ゾンビといった一流のミュージシャンたちへも大きな影響を与えた凄い存在。
そんなアリスは長い間日本でのライブを行なってなかったのだが、約20年ぶりに今回来日し、東京だけでなく大阪でのライブも実現したので是非行かねば!と思っていた。
会場は以前元スキッドロウの「セバスチャン･バック」を見に行った事があるIMPホールでここはスタンディングライブをやるのに何故かロッカーがなかったり多少不便な印象を持っていた会場なのであるが、グッズの先行販売があると思って少し早目に行って見たところ、何と「グッズの先行販売は行いません」の貼り紙が・・・・無駄に早く来てしまった（苦笑）
しかもしばらくして「都合により自由席になりました」って貼り紙も追加！
「自由席」って何？スタンディングじゃないのか？って思ったがどうやら椅子付きの会場設営になっていてあとは整理番号順に自由に座っていくらしい。
だったら整理番号193番だった私は結構不利な感じ。
それから待っている客たちは寒い外に追いやられ待たされた中、ようやく入場し、何とか前から7列目くらい？の真中あたりの席を確保出来た。
実をいうと月曜から風邪をひいていてまだ全快というわけではなかったので今回のライブはあんまり暴れずじっくりパフォーマンスを鑑賞しようと思っていたのだが、前には行けないながら十分良く見れる位置だし、荷物も置けて結果的には席付きで良かったかもと思う。
そして待った中ついにアリス・クーパーのライブが開始！
幕の内側でシルエットに映し出された2人のアリスの片方がもう片方に殺されるというシーンから「It's Hot Tonight」が始まる。
アリスのステッキさばきのパフォーマンスはビデオで見た時と同じく華麗でうまいし、目の前に実物のアリスが歌っているという現実は実に感動的だった♪
そして「No More Mr Nice Guy」、「Under My Wheels」、「I'm Eighteen」、「Is It My Body？」といった名曲が続き会場は大盛り上がり！
確か新譜収録の「Woman Of Mass Distraction」や90年代の代表曲「Lost In America」や映画「ウェインズワールド」でも出演し歌った「Feed My Frankenstein」を披露、昔の曲「Be My Lover」の後は新譜の表題曲「Dirty Diamonds」がプレイされ観客に首飾りを投げるというパフォーマンスが面白い☆
続く「Muscle Of Love」の後ギターソロがあったり、アリスが殺し屋風の衣装を着て登場する「Desperado」、そこでアリスの娘のキャリコ･クーパーがチャイナドレスを着た妖艶な殺し屋風のキャラクターで登場し、アリスに銃をつきつけながら退場していく・・・・
それからエリック･シンガーの迫力のドラムソロの後、再び魔術士風の衣装で登場したアリスは「Welcome To My Nightmare」を歌い、周囲には頭に血まみれの布をかぶせられた異様な連中がフラフラ漂っている。
その中の一人が再び登場したキャリコでアリスに殺されるというパフォーマンスの後マネキン人形に変わった キャリコをとことん痛めつけながら歌う「Cold Ethyl」、血まみれメイクでまたもや登場のキャリコと共演するバラード名曲「Only Women Bleed」から「Steven」に渡る展開とアルバム「Welcome To My Nightmare」からの集中セレクトは悪のアリスとキャリコ演じる死人女を中心としたストーリーが感じられたり、前半よりさらに演劇的見せ場が増えて面白い。
そして死人女の子供であろう赤ん坊を串刺しにしながら歌う「Dead Babies」では乳母車型のマイクが登場したり突飛な発想が凄いし、アリスの物語は赤ん坊殺害で捕らえられ拘束衣を着せられて精神病院に送られる展開に！
そして拘束衣を着たまま歌うスタイルで有名な曲「Ballad Of Dwight Fry」が登場☆
「Killer」などのメドレー演奏の中、大きな絞首刑のセットが登場し、処刑人たちの手によってアリスの首が吊られる所で悪のアリスの物語が終焉を迎え、退場したアリスの代わりに他メンバーが歌う「I Love The Dead」がプレイ。
その後復活したアリスが登場し名曲「School's Out」で巨大風船が出てきたり、まるでサーカスやお祭りの会場にいるような雰囲気の楽しさで最大の盛り上がりだった！
アンコールでは剣に串刺しにしたドル札をばらまく「Billion Dollar Babies」や80年代末の代表曲「Poison」に続き、邦題「アリスは大統領」として知られる「Elected」がプレイ。
この曲ではヒラリーとブッシュを模した人物が殴りあったり抱き合ったりする政界をおちょくったようなパフォーマンスが登場したのも毒のあるユーモアセンスを持ったアリスらしいしシメの1曲としても面白かったと思う。
普通レベルのバンドのライブではこのバンドならではのこの1曲というのがあって特に盛り上がる場に使われるが、アリスのように長い歴史を持つミュージシャンはそういう名曲がゴロゴロあるし、今回のライブではほとんどがクライマックスといった状態で独特の演劇的パフォーマンスも含めて久しぶりに大満足なライブだったし本当に見に行って良かったと思う。