デッド・サイレンス |
ある日、仲の良い夫婦であるジェイミーとリサの家に差出人不明の腹話術人形が届けられた・・・・それからジェイミーの外出中に腹話術人形を使って遊んでいたリサは「ある異変」によって死んでしまい、帰ってきたジェイミーは悲嘆に暮れるも逆に警察から疑われるが、腹話術人形の箱に隠されていた「メアリー・ショー」という人物にまつわるある手がかりが自分の故郷レイブンズ・フェアとつながっている事に気付き、実家に戻ってくる。
地元の資産家である実家の父は身体を悪くしていたが新しい妻と再婚して暮らしており、メアリー・ショーについて聞き出そうとするが父の口は重く、葬儀屋のヘンリーも何かを恐れて教えてくれない・・・はたしてメアリー・ショーの正体やそこに隠された謎とは・・・といったストーリー。
閉鎖空間でのパズルのように張り巡らされた謎と恐怖、過激な残虐描写の映像などが強烈な印象を残した「ソウ」の監督が次はどんなスタイルで作品を作るのかと思ってたのだが今度は「ソウ」でもヴィジュアル要素のひとつとして重要なポイントだった「人形」をメインにしたオカルティックなホラーとしてまた違った恐怖を演出していた。
「腹話術」や「人形」をテーマにしたホラーでは昔見た狂っていく腹話術師の悲劇を描いたアンソニー・ホプキンス主演の「マジック」が秀逸で印象に残っているが、これはああいう感じのサイコものではなく、どっちかといえば人形自体に超常現象的な要素を含んでいる「チャイルド・プレイ」や「ドールズ」といったホラーに近い感じ。
しかしながらただ呪いの人形が暴れて人を殺していくといった内容ではなく、人形の背後に隠されたメアリー・ショーという人物と主人公の一族に絡む残酷な話やメアリーとともに埋葬されたはずの101体の人形たちの行方、主人公を疑い故郷まで追ってくる刑事との関係や何か重要な情報を持ってそうな狂ってしまっている葬儀屋の妻の存在など「ソウ」とはまた違うスタイルながら謎解きとスリリングな要素はしっかり含まれていて、殺人のシーンは舌を切られていたり残虐だし、亡霊の描写もなかなかおどろおどろしく表現していたりホラーとしては十分面白く出来ていると思う。
それから物語の焦点となる謎の人形のデザインはキャラクター的には「ソウ」のほっぺにグルグル模様の入った人形ほどデザインにインパクトはないが、不気味さでは完全に勝ってるし、あんなのが部屋にあったら気持ち悪くて仕方がない・・・・また後半登場するピエロ人形とか腹話術人形の数々のデザインは面白かったし、人形という存在が「オチ」にもつながっていてラストにひとヒネリあったのも好きな感じで良かった☆
