2008年 04月 07日
METライブビューイング~ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》 |
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のオペラ公演を映画として公開する企画「METライブビューイング」の第6弾「ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》」を見た。
「ニーベルングの指環」などで知られる19世紀ドイツの音楽家リヒャルト・ワーグナーの代表作の一つである「トリスタンとイゾルデ」はケルト伝説を基にした壮大な作品で、コーンウォールのマルケ王に嫁ぐイゾルデ姫を迎えたのはマルケ王の忠実な臣下であるトリスタンだったが、実はトリスタンは戦争でイゾルデの婚約者を殺した人物であり、敵地で傷ついた彼を手当てしたのがイゾルデだった・・・・イゾルデは婚約者の復讐と自分をこんな境遇に追いやったトリスタンへの怒りから魔術に精通した彼女の母が持たせた魔法の薬のうち、死の薬をトリスタンに飲ませ自分も半分飲んで死のうとするが、イゾルデの身を心配した侍女が薬を「愛の薬」と取り替えてしまった事から二人は愛し合う事になってしまう・・・・といった内容。
「トリスタンとイゾルデ」は前に映画になったのも見た事があるが、映画版では魔法の薬とかファンタジー要素は全部無くしていて、どっちかというと史劇映画として作られている感じだったのでオリジナルはどんなものなのかと思っていたのだが、映画版では二人が恋に落ちるのは手当てしたエピソードがきっかけで、イゾルデは婚約者との結婚を嫌がっていたり、多少人物の設定や感情表現、クライマックスの展開などに違いがある。
それにしても休憩時間を入れて5時間20分というのはとにかく長かった・・・・。
映像作品であるため目で見て楽しめる部分が多ければ多少時間が長くても良いのだが、話が大きいわりにはセットのデザインが抽象的でシンプル過ぎるし、人物がほとんど動かず静止画像みたいな状態で歌い続けるので、画面的に見ているのがちょっとしんどい。
こういった演出のため、映像もブライアン・デパルマの映画みたいな画面分割のマルチアングル手法で見せ方を工夫しようとしていたが、あの長い上演時間ではやっぱり退屈してしまうし、音楽や世界観の壮大さや歌自体のクオリティは高かっただけに残念。
1時間続く二重唱とか細かい心理描写を歌にした部分は見ものだし凄いのだが、字幕を見てると同じような事を何度もしつこく悩んで言ってるような感じでだんだん字幕を読むのがだるくなってくるし、途中からは字幕は流して歌の感じだけ楽しんだりしていた。
まあ実際の劇場で生の音楽や歌、単純ながら巨大なセットの存在感などを体験すればまた全然違うのかもしれないが、作品的に舞台を映像として見るのには向いてない感じがする。
それにしてもこのオペラ公演のシリーズではよくある事だが主役の二人がイメージからかけ離れていて、いかついオッサンのトリスタンと貫禄あり過ぎな丸々太ったオバサンのイゾルデにはビックリした・・・・・許されぬ恋に情熱を燃やす若い二人には見えないし、ごついオッサンとオバサンの抱擁とかキスシーンとかのシーンは全然ロマンティックさが感じられなかった(笑)
大作ながら私的にはちょっと思ってたのと違ったし物足らない印象の作品。

「ニーベルングの指環」などで知られる19世紀ドイツの音楽家リヒャルト・ワーグナーの代表作の一つである「トリスタンとイゾルデ」はケルト伝説を基にした壮大な作品で、コーンウォールのマルケ王に嫁ぐイゾルデ姫を迎えたのはマルケ王の忠実な臣下であるトリスタンだったが、実はトリスタンは戦争でイゾルデの婚約者を殺した人物であり、敵地で傷ついた彼を手当てしたのがイゾルデだった・・・・イゾルデは婚約者の復讐と自分をこんな境遇に追いやったトリスタンへの怒りから魔術に精通した彼女の母が持たせた魔法の薬のうち、死の薬をトリスタンに飲ませ自分も半分飲んで死のうとするが、イゾルデの身を心配した侍女が薬を「愛の薬」と取り替えてしまった事から二人は愛し合う事になってしまう・・・・といった内容。
「トリスタンとイゾルデ」は前に映画になったのも見た事があるが、映画版では魔法の薬とかファンタジー要素は全部無くしていて、どっちかというと史劇映画として作られている感じだったのでオリジナルはどんなものなのかと思っていたのだが、映画版では二人が恋に落ちるのは手当てしたエピソードがきっかけで、イゾルデは婚約者との結婚を嫌がっていたり、多少人物の設定や感情表現、クライマックスの展開などに違いがある。
それにしても休憩時間を入れて5時間20分というのはとにかく長かった・・・・。
映像作品であるため目で見て楽しめる部分が多ければ多少時間が長くても良いのだが、話が大きいわりにはセットのデザインが抽象的でシンプル過ぎるし、人物がほとんど動かず静止画像みたいな状態で歌い続けるので、画面的に見ているのがちょっとしんどい。
こういった演出のため、映像もブライアン・デパルマの映画みたいな画面分割のマルチアングル手法で見せ方を工夫しようとしていたが、あの長い上演時間ではやっぱり退屈してしまうし、音楽や世界観の壮大さや歌自体のクオリティは高かっただけに残念。
1時間続く二重唱とか細かい心理描写を歌にした部分は見ものだし凄いのだが、字幕を見てると同じような事を何度もしつこく悩んで言ってるような感じでだんだん字幕を読むのがだるくなってくるし、途中からは字幕は流して歌の感じだけ楽しんだりしていた。
まあ実際の劇場で生の音楽や歌、単純ながら巨大なセットの存在感などを体験すればまた全然違うのかもしれないが、作品的に舞台を映像として見るのには向いてない感じがする。
それにしてもこのオペラ公演のシリーズではよくある事だが主役の二人がイメージからかけ離れていて、いかついオッサンのトリスタンと貫禄あり過ぎな丸々太ったオバサンのイゾルデにはビックリした・・・・・許されぬ恋に情熱を燃やす若い二人には見えないし、ごついオッサンとオバサンの抱擁とかキスシーンとかのシーンは全然ロマンティックさが感じられなかった(笑)
大作ながら私的にはちょっと思ってたのと違ったし物足らない印象の作品。

by lucifuge
| 2008-04-07 23:12
| 舞台