2008年 04月 09日
クローバーフィールド/HAKAISYA |
前から予告段階で謎だらけの映像を見せられ気になっていた映画「クローバーフィールド/HAKAISYA」が先週末から公開になっていたので見に行ってきた。
この映画はアメリカ国防省の記録のうち、通称「クローバーフィールド事件」とよばれる謎の事件の複数の目撃証拠の中のうちの一つのテープを公開するという設定で描かれたドキュメンタリー風の作品。
ニューヨークを舞台に、あるビルの中で行なわれていた日本に転勤が決まったロブ・ホーキンスの送別パーティに集まった友人たち・・・・だがパーティの最中に突如として地震や街が次々破壊されていく異常事態に遭遇し、彼等は避難する事になるが街の破壊の破壊の原因は得体の知れない巨大な生物だった・・・といった内容。
まあ単純にいってみれば日本では馴染み深い「怪獣映画」である。
だが、その見せ方が怪獣の被害に遭遇してしまった一般市民のビデオカメラだったという視点がこれまでになかったものだし、そういう描き方は「もし実際にああいう巨大怪獣が現代の都市に出現してしまった場合どんな事になってしまうのか?」という状況をかなりリアルに感じさせる臨場感があってかなり怖い!
シーンとしては自由の女神の首が地面に落ちてくる所はかなりショッキングだったし、何が起こってるのかわからないという状況が続くのは不安とスリルを盛り上げ、揺れや手ぶれの多い映像はじっくり見ると疲れてしまう感があるが、映画として新しいものを見せてくれた気がする。
音響や映像の迫力も含めてパニック描写や破壊シーンはスピルバーグの「宇宙戦争」以来のクオリティの高さだし、巨大生物と戦う軍の攻撃シーンなどはコッポラの「地獄の黙示録」やリドリーの「ブラックホークダウン」に匹敵するような戦争やテロの現場そのものを感じさせる凄まじさだった。
こういった手持ちカメラで実際にあった事件のように映画を表現する作品といえば「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が有名であるが、本当に低予算で森へ行って出演者をおどかした様子を撮っただけという映像的にはお粗末だったブレア・ウィッチに対して、映像は確かに見にくいビデオ映像ながら、そこに映ってる破壊情景の作りこみはかなり本格的に計算されたもので、見せ方こそブレア・ウィッチであるがクオリティ的には全くレベルが違う考え抜かれた作品。
また怪獣を倒す側の人間を主人公に描きがちな通常の怪獣映画と違って、たまたまその場にいた単なる被害者の人間たちを主人公にしている点は我々見る側にとっても登場人物たちと近い視点で見れるリアルさがあるし、主人公たちはパーティの中、ちょっとした痴話喧嘩や下らない噂話などついさっきまで何気なく過ごしていたはずの「日常」が一瞬にして崩れてしまう恐怖や絶望感がこの設定によってうまく表現出来ていると思う。
最初予告を見た時日本という要素が出てきたり舞台がニューヨークだったりする部分から「アメリカ版ゴジラ」の続編?とか色々予想していたが、巨大生物の造形デザインを見てみると全くの別物であった。
ネタバレになるが、巨大生物の造形イメージとしては「エヴァンゲリオン」や昔「ダウンタウンのごっつええ感じ」の「ゴレンジャイ」のコントで板尾がやってた手の長い猿みたいなレンジャイの紛装に似たような妙なイメージだったり、ゴジラのような恐竜型というよりは人間型に近いような異様な生物のデザインでかなり不気味だし、なかなか姿がはっきり映されないという見せ方も怪物に対する興味がどんどん湧いてうまい。
それから登場するのが巨大生物だけではないという所もミソ♪
映画全体としてはドキュメンタリータッチながらオープニングの足音のような音とかエンディングに流れる曲など「1954年版ゴジラ」を彷彿させるような雰囲気で日本の怪獣映画へのオマージュととれる部分があったりするのも嬉しかったし、ここ数年の間に見た怪獣映画では韓国の「グエムル漢江の怪物」以来の完成度の高い作品だったと思う。
結局あれが何だったのかはサッパリわからないし「クローバーフィールド」という名称が何を意味していたのかもわからないが、続編の計画も進んでいるらしいし、また次も違った見せ方でこの「クローバーフィールド」の世界を展開させ驚かせてほしい。

この映画はアメリカ国防省の記録のうち、通称「クローバーフィールド事件」とよばれる謎の事件の複数の目撃証拠の中のうちの一つのテープを公開するという設定で描かれたドキュメンタリー風の作品。
ニューヨークを舞台に、あるビルの中で行なわれていた日本に転勤が決まったロブ・ホーキンスの送別パーティに集まった友人たち・・・・だがパーティの最中に突如として地震や街が次々破壊されていく異常事態に遭遇し、彼等は避難する事になるが街の破壊の破壊の原因は得体の知れない巨大な生物だった・・・といった内容。
まあ単純にいってみれば日本では馴染み深い「怪獣映画」である。
だが、その見せ方が怪獣の被害に遭遇してしまった一般市民のビデオカメラだったという視点がこれまでになかったものだし、そういう描き方は「もし実際にああいう巨大怪獣が現代の都市に出現してしまった場合どんな事になってしまうのか?」という状況をかなりリアルに感じさせる臨場感があってかなり怖い!
シーンとしては自由の女神の首が地面に落ちてくる所はかなりショッキングだったし、何が起こってるのかわからないという状況が続くのは不安とスリルを盛り上げ、揺れや手ぶれの多い映像はじっくり見ると疲れてしまう感があるが、映画として新しいものを見せてくれた気がする。
音響や映像の迫力も含めてパニック描写や破壊シーンはスピルバーグの「宇宙戦争」以来のクオリティの高さだし、巨大生物と戦う軍の攻撃シーンなどはコッポラの「地獄の黙示録」やリドリーの「ブラックホークダウン」に匹敵するような戦争やテロの現場そのものを感じさせる凄まじさだった。
こういった手持ちカメラで実際にあった事件のように映画を表現する作品といえば「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が有名であるが、本当に低予算で森へ行って出演者をおどかした様子を撮っただけという映像的にはお粗末だったブレア・ウィッチに対して、映像は確かに見にくいビデオ映像ながら、そこに映ってる破壊情景の作りこみはかなり本格的に計算されたもので、見せ方こそブレア・ウィッチであるがクオリティ的には全くレベルが違う考え抜かれた作品。
また怪獣を倒す側の人間を主人公に描きがちな通常の怪獣映画と違って、たまたまその場にいた単なる被害者の人間たちを主人公にしている点は我々見る側にとっても登場人物たちと近い視点で見れるリアルさがあるし、主人公たちはパーティの中、ちょっとした痴話喧嘩や下らない噂話などついさっきまで何気なく過ごしていたはずの「日常」が一瞬にして崩れてしまう恐怖や絶望感がこの設定によってうまく表現出来ていると思う。
最初予告を見た時日本という要素が出てきたり舞台がニューヨークだったりする部分から「アメリカ版ゴジラ」の続編?とか色々予想していたが、巨大生物の造形デザインを見てみると全くの別物であった。
ネタバレになるが、巨大生物の造形イメージとしては「エヴァンゲリオン」や昔「ダウンタウンのごっつええ感じ」の「ゴレンジャイ」のコントで板尾がやってた手の長い猿みたいなレンジャイの紛装に似たような妙なイメージだったり、ゴジラのような恐竜型というよりは人間型に近いような異様な生物のデザインでかなり不気味だし、なかなか姿がはっきり映されないという見せ方も怪物に対する興味がどんどん湧いてうまい。
それから登場するのが巨大生物だけではないという所もミソ♪
映画全体としてはドキュメンタリータッチながらオープニングの足音のような音とかエンディングに流れる曲など「1954年版ゴジラ」を彷彿させるような雰囲気で日本の怪獣映画へのオマージュととれる部分があったりするのも嬉しかったし、ここ数年の間に見た怪獣映画では韓国の「グエムル漢江の怪物」以来の完成度の高い作品だったと思う。
結局あれが何だったのかはサッパリわからないし「クローバーフィールド」という名称が何を意味していたのかもわからないが、続編の計画も進んでいるらしいし、また次も違った見せ方でこの「クローバーフィールド」の世界を展開させ驚かせてほしい。

by lucifuge
| 2008-04-09 21:03
| 映画/洋画