2008年 04月 20日
オカルタス 世界の不思議最前線 |
古本屋で入手した「オカルタス 世界の不思議最前線」という本を読んでみた。
この本は世界の様々な「不思議」を写真やイラスト入りで紹介した本であるが、ナスカの地上絵やピラミッド、モアイやストーンヘンジなどミステリー文明についての他、スカイフィシュやツチノコ、チュパカブラ、河童といった未確認生物、富士山のミステリーや四谷怪談、平将門など日本の歴史と怪奇伝説、陰陽道や風水、祟り、シヴァの予言など呪術的要素のトピック、切り裂きジャックやブラックダリア、井の頭公園バラバラ殺人事件、名古屋妊婦切り裂き事件など未解決事件についてのトピックなどが収録されている。
取り上げられているトピック的にはこれ系の本ではよくある感じのものだし、記事のないように関しても「不思議ナックルズ」のような独特な真相の推理や展開をしているわけでもなく、ありきたりな感じの印象。
ただ、未確認生物の項目の中で紹介されていた「ナゾベーム」こと「ハナアルキ」という生物に関しては知らなかったのでちょっと面白かった。
1941年、太平洋戦争中の日本軍の捕虜収容所から脱出したスウェーデン軍の捕虜が漂着したハイアイ群島という未発見の島に生息していた独自の進化を遂げた鼻で歩行する哺乳類で、その後1961年に生物学者シュテンプケによって発表されたらしいが、実は19世紀に詩人モルゲンシュテルンによってその存在が描かれた詩が存在するらしく、モルゲンシュテルンがどうやってハナアルキの存在を知ったのかは謎とされている・・・しかし、ハイアイ群島はその後どこかの国の核実験によって消滅してしまい、今となってはハナアルキの存在した証拠は残されていないとか。
この「ハナアルキ」という生物について気になったのでネットで調べてみた所、実はこれは専門的に思える生物学的な生体描写などを使って架空の生物をさも実際にいるかのようなコンセプトで作り上げたフィクションとして発表された本で「ウソか!」とちょっとガッカリ・・・。
なので私が昔入手した「秘密の動物誌」という架空の生物学の本(これは架空生物の写真までもが作りこまれていてなかなかリアル)と同類で、映画でいったら最近の「クローバーフィールド」みたいな偽ドキュメンタリーという感じの「お遊び」だったようである。
まあフィクションながら詩人の話や捕虜のエピソードに加え、現地におけるハナアルキの細かい生態記述や種類の説明、時代背景をうまく取り込んだ核実験という要素などここまで作りこんでいるのは面白いし、奇想天外ながら「いそう」と思わせるリアルな部分を持っていて、こういう「お遊び」は好きな感じ。
それにしてもこの本はいくら「世界の不思議」をテーマにしていても、フィクションの話を事実であったかのように載せてるなんてちょっと調査不足な気もするが・・・・。
ただ「切り裂きジャック」の記事については映画「フロムヘル」でいわれていたような王室スキャンダルを隠蔽する王室付の医師説や殺した後アメリカに帰っていった旅行者説とかこれまで言われていたような説と違って推理小説家パトリシア・コーンウェルが主張する画家のシッカートという男が有力だという説を紹介しておりちょっと新鮮だったし、シッカートの絵の心理分析やジャックの手紙のDNA鑑定の捜査などからその結論に達したらしいが、いまだに謎が残るこういう事件は興味をそそられる。
でも当時の容疑者としてあげられた人物名がいくつか載っていたが、「不思議の国のアリス」のルイス・キャロルや何故か「エレファントマン」ことジョン・メリックの名前が挙がっていて意外。
どう考えてもメリックには無理そうな犯罪なのに疑いをかけていた当時の警察の彼の外見に対する差別意識や捜査のいい加減さなど、事件のサイド部分ながら当時のイギリス社会の暗い背景が感じられる記事だった。
この本は世界の様々な「不思議」を写真やイラスト入りで紹介した本であるが、ナスカの地上絵やピラミッド、モアイやストーンヘンジなどミステリー文明についての他、スカイフィシュやツチノコ、チュパカブラ、河童といった未確認生物、富士山のミステリーや四谷怪談、平将門など日本の歴史と怪奇伝説、陰陽道や風水、祟り、シヴァの予言など呪術的要素のトピック、切り裂きジャックやブラックダリア、井の頭公園バラバラ殺人事件、名古屋妊婦切り裂き事件など未解決事件についてのトピックなどが収録されている。
取り上げられているトピック的にはこれ系の本ではよくある感じのものだし、記事のないように関しても「不思議ナックルズ」のような独特な真相の推理や展開をしているわけでもなく、ありきたりな感じの印象。
ただ、未確認生物の項目の中で紹介されていた「ナゾベーム」こと「ハナアルキ」という生物に関しては知らなかったのでちょっと面白かった。
1941年、太平洋戦争中の日本軍の捕虜収容所から脱出したスウェーデン軍の捕虜が漂着したハイアイ群島という未発見の島に生息していた独自の進化を遂げた鼻で歩行する哺乳類で、その後1961年に生物学者シュテンプケによって発表されたらしいが、実は19世紀に詩人モルゲンシュテルンによってその存在が描かれた詩が存在するらしく、モルゲンシュテルンがどうやってハナアルキの存在を知ったのかは謎とされている・・・しかし、ハイアイ群島はその後どこかの国の核実験によって消滅してしまい、今となってはハナアルキの存在した証拠は残されていないとか。
この「ハナアルキ」という生物について気になったのでネットで調べてみた所、実はこれは専門的に思える生物学的な生体描写などを使って架空の生物をさも実際にいるかのようなコンセプトで作り上げたフィクションとして発表された本で「ウソか!」とちょっとガッカリ・・・。
なので私が昔入手した「秘密の動物誌」という架空の生物学の本(これは架空生物の写真までもが作りこまれていてなかなかリアル)と同類で、映画でいったら最近の「クローバーフィールド」みたいな偽ドキュメンタリーという感じの「お遊び」だったようである。
まあフィクションながら詩人の話や捕虜のエピソードに加え、現地におけるハナアルキの細かい生態記述や種類の説明、時代背景をうまく取り込んだ核実験という要素などここまで作りこんでいるのは面白いし、奇想天外ながら「いそう」と思わせるリアルな部分を持っていて、こういう「お遊び」は好きな感じ。
それにしてもこの本はいくら「世界の不思議」をテーマにしていても、フィクションの話を事実であったかのように載せてるなんてちょっと調査不足な気もするが・・・・。
ただ「切り裂きジャック」の記事については映画「フロムヘル」でいわれていたような王室スキャンダルを隠蔽する王室付の医師説や殺した後アメリカに帰っていった旅行者説とかこれまで言われていたような説と違って推理小説家パトリシア・コーンウェルが主張する画家のシッカートという男が有力だという説を紹介しておりちょっと新鮮だったし、シッカートの絵の心理分析やジャックの手紙のDNA鑑定の捜査などからその結論に達したらしいが、いまだに謎が残るこういう事件は興味をそそられる。
でも当時の容疑者としてあげられた人物名がいくつか載っていたが、「不思議の国のアリス」のルイス・キャロルや何故か「エレファントマン」ことジョン・メリックの名前が挙がっていて意外。
どう考えてもメリックには無理そうな犯罪なのに疑いをかけていた当時の警察の彼の外見に対する差別意識や捜査のいい加減さなど、事件のサイド部分ながら当時のイギリス社会の暗い背景が感じられる記事だった。
by lucifuge
| 2008-04-20 21:07
| 本/雑誌・増刊