2008年 04月 21日
METライブビューイング~プッチーニ《ラ・ボエーム》 |
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のオペラ公演を映画として公開する企画「METライブビューイング」の第7弾「プッチーニ《ラ・ボエーム》」を見た。
「ラ・ボエーム」とはアンリ・ミュルジュの原作「放浪芸術家たちの生活風景」を元にプッチーニがオペラ化した作品。
パリを舞台に詩人のロドルフォとお針子ミミが出会い、恋に落ちる様子とロドルフォの友人で画家のマルチェッロと元恋人のムゼッタのエピソードや彼らの芸術家仲間たちを交えながら展開していくという感じのストーリー。
第1幕ではパリの芸術家たちが集う貧乏部屋のセットでロドルフォとミミの出会いを描いているが、何かきっかけとか心の探りあいとかがまるで昔のマンガみたいなわざとらしさでちょっと滑稽な印象ながら、歌のやり取りのテンポが良くて見やすい。
続く第2幕ではにぎやかなで壮大なパリの街のカフェのセットが登場するが、そのセットのスケールだけで圧倒されるし、そこに登場する人物の多さに加え、道化師や軍楽隊などの登場によってさらに派手に盛り上がっていく様子はとてもゴージャスであり、こういうシーンこそ私的には「まさにオペラ」という感じで楽しめた。
そこで描かれたストーリー的には芸術家仲間にミミを紹介するロドルフォ、金持ち男の愛人になりながらその様子を見せつけようとする浮気性なマルチェロの元恋人ムゼッタ、それから何だかんだでマルチェッロとムゼッタは元サヤになるといった所で終わるという感じ。
第3幕は2幕の派手さとはうってかわって雪の降り積もるさびれた居酒屋のセットを舞台に関係が悪化して別れを考えるミミとロドルフォの関係、しかし二人の別れの言葉の裏にはお互いを想う深い感情や優しさが隠されていて、しかもミミは不治の病にかかっており・・・といったセットの雰囲気の転換と同じく悲しい展開になって意外。
そして最終章である第4幕では再び芸術家仲間が集う貧乏部屋に戻ったロドルフォとマルチェロの所に瀕死の状態のミミを連れたムゼッタがやってきてミミとロドルフォはお互いの愛情を再確認しながらも死が二人を引き裂いてしまうといった結末で、前半の明るく楽しいイメージから想像してたのとは全く違う悲しい結末だった。
演出はオリビア・ハッセー主演の映画版「ロミオとジュリエット」の監督をしたフランコ・ゼフェレッリであるが、これまでMETライブビューイングのシリーズを数々見た中でも、セットのゴージャスさやコスチューム劇としての衣装の面白さ、歌や音楽の派手さやストーリーのわかりやすさなどイメージ的にも一番私が求めるオペラらしいオペラで特に楽しめた。
休憩時間にはぜフェレッリが過去に演出したMETのオペラ演目が紹介されてオリ、今回の「ラ・ボエーム」みたいにゴージャスで派手な舞台の映像が映っていて興味深かったが、中でも「トゥーランドット」や「オテロ」、「ドン・ジョヴァン二」の映像は凄く面白そうでこういうのを生で見たら凄い体験なんだろうな~とも思った。
それから2006年から始まったMETの中継(京都での上映は残念ながら2007年からだったが)の過去ラインナップも紹介されており、「魔笛」と「始皇帝」の演目がかなり面白そうで特に魔笛は空飛ぶ怪物とか異様な魔女の衣装など奇想天外なセットの舞台が作られているのがかなり気になった。
こういう面白そうな作品は是非DVD化してくれて気軽に見られるようにしてほしいものである。
配役ではこれまで見たMETでも歌唱力はあるものの、年とりすぎてたり体型がゴツ過ぎたりイメージに合わないものが多かったのだが、今回に関してはかなりイメージ通りにキャスティングされていたし、色んな面でオペラとして満足な作品だったと思う。
「ラ・ボエーム」とはアンリ・ミュルジュの原作「放浪芸術家たちの生活風景」を元にプッチーニがオペラ化した作品。
パリを舞台に詩人のロドルフォとお針子ミミが出会い、恋に落ちる様子とロドルフォの友人で画家のマルチェッロと元恋人のムゼッタのエピソードや彼らの芸術家仲間たちを交えながら展開していくという感じのストーリー。
第1幕ではパリの芸術家たちが集う貧乏部屋のセットでロドルフォとミミの出会いを描いているが、何かきっかけとか心の探りあいとかがまるで昔のマンガみたいなわざとらしさでちょっと滑稽な印象ながら、歌のやり取りのテンポが良くて見やすい。
続く第2幕ではにぎやかなで壮大なパリの街のカフェのセットが登場するが、そのセットのスケールだけで圧倒されるし、そこに登場する人物の多さに加え、道化師や軍楽隊などの登場によってさらに派手に盛り上がっていく様子はとてもゴージャスであり、こういうシーンこそ私的には「まさにオペラ」という感じで楽しめた。
そこで描かれたストーリー的には芸術家仲間にミミを紹介するロドルフォ、金持ち男の愛人になりながらその様子を見せつけようとする浮気性なマルチェロの元恋人ムゼッタ、それから何だかんだでマルチェッロとムゼッタは元サヤになるといった所で終わるという感じ。
第3幕は2幕の派手さとはうってかわって雪の降り積もるさびれた居酒屋のセットを舞台に関係が悪化して別れを考えるミミとロドルフォの関係、しかし二人の別れの言葉の裏にはお互いを想う深い感情や優しさが隠されていて、しかもミミは不治の病にかかっており・・・といったセットの雰囲気の転換と同じく悲しい展開になって意外。
そして最終章である第4幕では再び芸術家仲間が集う貧乏部屋に戻ったロドルフォとマルチェロの所に瀕死の状態のミミを連れたムゼッタがやってきてミミとロドルフォはお互いの愛情を再確認しながらも死が二人を引き裂いてしまうといった結末で、前半の明るく楽しいイメージから想像してたのとは全く違う悲しい結末だった。
演出はオリビア・ハッセー主演の映画版「ロミオとジュリエット」の監督をしたフランコ・ゼフェレッリであるが、これまでMETライブビューイングのシリーズを数々見た中でも、セットのゴージャスさやコスチューム劇としての衣装の面白さ、歌や音楽の派手さやストーリーのわかりやすさなどイメージ的にも一番私が求めるオペラらしいオペラで特に楽しめた。
休憩時間にはぜフェレッリが過去に演出したMETのオペラ演目が紹介されてオリ、今回の「ラ・ボエーム」みたいにゴージャスで派手な舞台の映像が映っていて興味深かったが、中でも「トゥーランドット」や「オテロ」、「ドン・ジョヴァン二」の映像は凄く面白そうでこういうのを生で見たら凄い体験なんだろうな~とも思った。
それから2006年から始まったMETの中継(京都での上映は残念ながら2007年からだったが)の過去ラインナップも紹介されており、「魔笛」と「始皇帝」の演目がかなり面白そうで特に魔笛は空飛ぶ怪物とか異様な魔女の衣装など奇想天外なセットの舞台が作られているのがかなり気になった。
こういう面白そうな作品は是非DVD化してくれて気軽に見られるようにしてほしいものである。
配役ではこれまで見たMETでも歌唱力はあるものの、年とりすぎてたり体型がゴツ過ぎたりイメージに合わないものが多かったのだが、今回に関してはかなりイメージ通りにキャスティングされていたし、色んな面でオペラとして満足な作品だったと思う。
by lucifuge
| 2008-04-21 22:34
| 舞台