2008年 04月 23日
モンゴル |
2007年度のアカデミー賞で外国語映画部門や主演男優賞にノミネートされ、その主演が日本俳優の浅野忠信だった事で話題になったロシアやドイツ、モンゴルなど多国籍の合作映画「モンゴル」を見た。
12世紀、モンゴルの一部族の頭領の息子として生まれたテムジンは彼の妻を選ぶ旅の帰りに起きた父の死をきっかけに父の配下タグルタイの裏切りで全てを奪われ、命からがら逃げてきた彼を救い親友となったジャムカとは後に母の因縁からテムジンの妻を奪ったメルキト部族を協力して滅ぼすも、お互いの考えや兵に対する方針の違いなどから反目するようになり、ある事件からテムジン側に弟を殺されたジャムカはテムジンと交戦、敗北したテムジンは西夏に奴隷として売られるも妻の助けで再び自由を手にし、モンゴル統一に向けて動き出す・・・・しかしそこにはジャムカの大軍が立ちはだかり、最後の決戦に向けて戦いが開始される・・・といったモンゴルの英雄チンギス・ハーンの生涯を描いたストーリー。
テムジンが父の死からたどる逆境に次ぐ逆境がとんでもなく困難な設定で当時のモンゴルは生きるか死ぬかの本当に過酷な世界だったという事が衝撃だったし、その逆境を不屈の意志で切り開いていき、モンゴルの伝統や格式に縛られない大きな男の生き方格好良い!
ちょっとテイスト的には日本の戦国時代の武将の波乱万丈なサクセスストーリーにも似た面白さがあって、そういう男性的な美学をうまく表現した映画だともいえる。、
またテムジンの妻となるボルテのたくましく強い生き方、正しい選択を夫にさせるという賢さなど大英雄チンギス・ハーンという存在はこの妻があってこそ有り得たものだと思わせる人間としての大きさがあった。
それにしても当時の社会は賊が妻を奪ったり、すぐ身体を要求したり女性に対して厳しい世界だった事もシビアに描かれていたが、そんな中自分を犠牲にしながらもテムジンを愛し助け、子供を守るボルテの姿は家族の「絆」というものを凄くドラマティックに表現してたし、こういった映画では単純に戦闘シーンばかりで人間ドラマがショボくなりがちな傾向の中、この「モンゴル」はそのあたりもしっかり描けていて見ごたえがあった。
まあ肝心の戦闘シーンに関しては独特の戦い方をするテムジンの戦法の面白さとか大人数を使った騎馬戦、弓矢の戦いなどそれなりに趣向を凝らされていてかなりな迫力があるが、血の表現が全部CGでやってしまったからか妙にアッサリ小綺麗感があって黒澤明の映画のような生々しいリアル感に欠けてしまい、臨場感があまりないというか、ちょっと物足りない印象がする。
それから西夏から逃げたテムジンが次のシーンではいきなり大軍団の長になっていてその間いかにしてそうなったのかがアッサリいきすぎている所ももうちょっと何かほしい感じだったが、映画全体としては雄大なモンゴルの情景を映した美しい映像といい、人間ドラマも合戦シーンも含め結構クオリティの高い良い作品だったと思う。
監督はこの「モンゴル」を3部作構想と考えているというような話も聞いたが、それならまあ後半の急展開の部分を後で詳しく描くのかもしれないし、チンギス・ハーンになってからの話も描かれてないのでどういった描き方をするのかも楽しみな所。
浅野忠信はチンギス・ハーンの肖像画のイメージを少し痩せさせたようなイメージだったが、目つきは肖像画そのままを感じさせるイメージだったし、役としてはちょっと前に角川映画が作った「蒼き狼」のチンギス・ハーン役だった反町隆史よりずっと合ってる気がした。
ジャムカ役の俳優スン・ホンレイは西村雅彦ソックリでみていて「古畑さん~!」とか言いそうだったが(笑)
12世紀、モンゴルの一部族の頭領の息子として生まれたテムジンは彼の妻を選ぶ旅の帰りに起きた父の死をきっかけに父の配下タグルタイの裏切りで全てを奪われ、命からがら逃げてきた彼を救い親友となったジャムカとは後に母の因縁からテムジンの妻を奪ったメルキト部族を協力して滅ぼすも、お互いの考えや兵に対する方針の違いなどから反目するようになり、ある事件からテムジン側に弟を殺されたジャムカはテムジンと交戦、敗北したテムジンは西夏に奴隷として売られるも妻の助けで再び自由を手にし、モンゴル統一に向けて動き出す・・・・しかしそこにはジャムカの大軍が立ちはだかり、最後の決戦に向けて戦いが開始される・・・といったモンゴルの英雄チンギス・ハーンの生涯を描いたストーリー。
テムジンが父の死からたどる逆境に次ぐ逆境がとんでもなく困難な設定で当時のモンゴルは生きるか死ぬかの本当に過酷な世界だったという事が衝撃だったし、その逆境を不屈の意志で切り開いていき、モンゴルの伝統や格式に縛られない大きな男の生き方格好良い!
ちょっとテイスト的には日本の戦国時代の武将の波乱万丈なサクセスストーリーにも似た面白さがあって、そういう男性的な美学をうまく表現した映画だともいえる。、
またテムジンの妻となるボルテのたくましく強い生き方、正しい選択を夫にさせるという賢さなど大英雄チンギス・ハーンという存在はこの妻があってこそ有り得たものだと思わせる人間としての大きさがあった。
それにしても当時の社会は賊が妻を奪ったり、すぐ身体を要求したり女性に対して厳しい世界だった事もシビアに描かれていたが、そんな中自分を犠牲にしながらもテムジンを愛し助け、子供を守るボルテの姿は家族の「絆」というものを凄くドラマティックに表現してたし、こういった映画では単純に戦闘シーンばかりで人間ドラマがショボくなりがちな傾向の中、この「モンゴル」はそのあたりもしっかり描けていて見ごたえがあった。
まあ肝心の戦闘シーンに関しては独特の戦い方をするテムジンの戦法の面白さとか大人数を使った騎馬戦、弓矢の戦いなどそれなりに趣向を凝らされていてかなりな迫力があるが、血の表現が全部CGでやってしまったからか妙にアッサリ小綺麗感があって黒澤明の映画のような生々しいリアル感に欠けてしまい、臨場感があまりないというか、ちょっと物足りない印象がする。
それから西夏から逃げたテムジンが次のシーンではいきなり大軍団の長になっていてその間いかにしてそうなったのかがアッサリいきすぎている所ももうちょっと何かほしい感じだったが、映画全体としては雄大なモンゴルの情景を映した美しい映像といい、人間ドラマも合戦シーンも含め結構クオリティの高い良い作品だったと思う。
監督はこの「モンゴル」を3部作構想と考えているというような話も聞いたが、それならまあ後半の急展開の部分を後で詳しく描くのかもしれないし、チンギス・ハーンになってからの話も描かれてないのでどういった描き方をするのかも楽しみな所。
浅野忠信はチンギス・ハーンの肖像画のイメージを少し痩せさせたようなイメージだったが、目つきは肖像画そのままを感じさせるイメージだったし、役としてはちょっと前に角川映画が作った「蒼き狼」のチンギス・ハーン役だった反町隆史よりずっと合ってる気がした。
ジャムカ役の俳優スン・ホンレイは西村雅彦ソックリでみていて「古畑さん~!」とか言いそうだったが(笑)
by lucifuge
| 2008-04-23 22:58
| 映画/洋画