まんカス/漫☆画太郎 |
漫☆画太郎の作品はとにかくこれまでのギャグ漫画になかった汚く強烈な印象を持つ描き込まれた絵と無茶苦茶な設定が魅力で私もこれまでの作品はほぼ全部読んできたのだが、今回のもなかなか凄い!
冒頭に収録されている「左翼ボクサーのぼる」は世界チャンピオン戦なのに左翼ゆえ「君が代」を歌うのを拒否して負けてしまうというとんでもなくシュールな内容には驚かされるし、学校で先生と生徒がエロ本をめぐって争う「エロ本物語」とかマツケンサンバを下品におちょくったような「けつだいらまん物語」、ある意味ホラーな話で絵も一部エグイ「タンスおやじ」、それから人間の食に対する皮肉なユーモア要素を含んでいたり、かっての「トワイライトゾーン」や「アウターリミッツ」のようなSF世界的な雰囲気も感じさせる「ギタイ」とかとことんバカバカしいギャグ話だけでなく何かもっと深い部分を感じさせるような世界を描いたものもあったりで面白い☆
それからこれまでの画太郎作品と違う点は「ビーチク物語」や「なんこうババア」、「バギナババア」など彼独自の視点でのエロチシズムを描いているのが笑える!
エロを描きながらもこんなに汚くバカバカしくて色っぽさのない作品はこれまでないし、それぞれの話の展開やオチがまるで一緒というのも、これまでの作品でもコピーを使いまくりだった彼らしいイイ加減なセンスがまたオカシイ。
本当にこの漫画は彼以外描けないものだし、普段の「漫☆画太郎」世界に加えてエロという新鮮味を加えた濃厚なバカさを400ページ近くも堪能出来る衝撃の1冊であると思う。
