蒼天の拳 第16巻 |
「蒼天の拳」というのは80年代にヒットした週刊少年ジャンプ連載の漫画「北斗の拳」(武論尊・原作、原哲夫・画)の前日談として描かれた作品で、北斗の主人公である北斗神拳伝承者ケンシロウの2代前の伝承者である霞拳志郎を主人公に1930年代の中国や日本を舞台にしたストーリーが展開されている。
これまでは拳志郎が彼の朋友である黒社会のメンバーと彼等に敵対する別組織に絡み、同じ北斗の一派である北斗劉家拳や北斗孫家拳などの使い手と戦ったり、記憶を失った拳志郎の婚約者をめぐるドラマなどが描かれてきたが、前巻から新たに登場したのは北斗神拳の源流ともいわれる「西斗月拳」の使い手であるヤサカという男。
物語中でヤサカというのは古代ヘブル語で「神を見る」の意味らしいというのが載っていたが京都の「八坂神社」は実は何か関係があったりして?
そのヤサカが北斗抹殺を唱え、拳志郎の友で北斗劉家拳の流れをくむ極十字聖拳の使い手、飛燕が狙われ危機に陥るのをメインに拳志郎が彼を救いに向かうが、飛燕は瀕死状態、そして拳志郎とヤサカの戦いが・・・・といったところで終わっていたが、この本の発行は約1年前なので後何冊かは出てるようだし、この戦いがどういう結末になるのか気になる所なのでまた探してみたい。
それにしてもこのヤサカという男のキャラがなかなか笑える!
食事中に因縁をつけてきた拳志郎の名前を語るザコキャラに対して西斗月拳を披露してやるのだが、箸で突いたいくつかの秘孔のうちどの箸を深く突いたら死に至るかをザコに選ばせる過程や答えを選ばせ正解を教えるまでの間の描き方など、まるでみのもんたの「クイズ・ミリオネア」のやりとりソックリで「最終回答!」と言うヤサカはみのもんたそのもの!
こういう妙なギャグをシリアスなはずの拳法アクション漫画に持ち込む原哲夫のセンスは本当に個性的で、ああいうハードな絵でこういうアホな事をやるからまた一層笑えてしまう。
これまではザコキャラでこういうギャグ扱いされるパターンのものが多かったが、メインの一人になるくらいのこのヤサカがどういう風に今後描かれていくのか楽しみな感じもする。
