スパイダーウィックの謎 |
ある古びた屋敷にニューヨークから越してきた家族関係がギクシャクしている母とその子供たちである姉と双子の弟たち。
双子のうち好奇心が強く向こう見ずなジャレッドはいつも家族の中でトラブルを起こし、もう一人のサイモンは逆に冷静沈着、姉のマロリーも気が強くてジャレッドと喧嘩ばかりしているし、母は怒るだけであまり子供たちと向き合おうともしない・・・・そんな中、家の壊れた壁から見つけた通路から天井にある秘密の部屋に行ったジャレッドは封印されていた謎の本「妖精図鑑」を開けてしまったことから彼等はその本を使って世界征服を企む悪い妖精たちに狙われる事になり・・・・といった内容。
話は昔ながらのおとぎ話的な展開のわかりやすさや壊れていた家族の絆が超常的体験を通して取り戻されたり、最強の敵の退治方法などキャラクターをうまく使ったオチの作り方とか、どの世代でも安心して見られて楽しめる、昔読んだ事があるような絵本のような懐かしさを持った作品として結構うまく仕上がっていたと思う。
またジャレッドたち家族に味方するやたら蜂蜜が大好きな妖精ブラウニーにシンプルタックや鳥を好物にしていてちょっと汚い感じのホブゴブリンのホグスイール、妖精のペットであるグリフォンや花びらのような羽を持つ花の妖精であるスプライト、タンポポの綿毛のような風の精、敵であるオーガ-の、変身能力を持ち、まるで角の生えたゴリラのような凶暴なマルガラスやマルガラスが率いるヒキガエルみたいなゴブリン軍団、トカゲのようなトロールなど様々な個性的な妖精が登場して面白いし、妖精の造形も可愛さのあるものや不細工で不気味な感じのものなど、絵本の世界からそのまま飛び出してきたような絵画的な雰囲気を持っていて面白い☆
特撮を担当したのは「スターシップ・トゥルーパーズ」で奇怪な昆虫型エイリアンを作ったフィル・ティペットであるが、この作品でも妖精の生物的な存在感がうまく表現されていたと思うし、物語の雰囲気に合ったファンタジックなキャラクターとして映画の中で生きている感じがした。
そういう妖精たちに対してジャレッドたちが「妖精図鑑」の魔法的知識を使い戦っていく様子も面白いし、これまで有り得ないと思っていた世界を見てしまった子供たちの冒険物語のような要素とか、マルガラスやゴブリンたちとのかけひきとかサスペンス要素もあって基本的には子供向きながら娯楽作品としての楽しさも十分ある作品だったと思う。
それから何より驚いたのは双子の俳優を使ってると思っていた主人公ジャレッドとサイモンが一人二役で演じていたという事。
演じていたフレディ・ハイモアはこの年齢でこんな演技が出来るならかなり凄いし、今後どんな風に成長していくのかも楽しみな俳優である。
