少林少女 |
中国・少林寺で9年間の修行を終えた桜沢凛は少林拳を広めようと日本に帰ってくる・・・・しかし凛のいた道場は何故か潰れ、師匠の岩井は中華料理屋になってしまっていたりで前途多難。
しかし凛は中華料理屋で働く中国人少女珉珉と仲良くなり、珉珉の紹介で彼女の通う大学でラクロスをやる事に・・・しかしその大学は「闇」の力に魅入られた男、大場が学長をやっている大学であり、大場は凛の道場が無くなった原因にも関係していた・・・・といった内容。
最初この映画の予告編を見た時、タイトルからしてチャウ・シンチ-の「少林サッカー」にインスパイアされ作られた日本版「少林サッカー」という感じの作品だと思っていてダイナミックなマンガ的アクション描写ととんでもなくバカバカしいギャグ満載な作品だと思ってたのだが、実際見てみると確かにおバカなシーンもいくつかあるものの、どちらかといえばラクロスや少林拳を通して成長していく少女たちの青春ストーリーがメインだし、アクションシーンはワイヤーやCGを多用した派手で迫力あるアクションを見せてくれるものの、「少林サッカー」ほどのブッ飛んだダイナミックさはなかった印象でちょっと物足りない感じ。
しかしながら柴咲コウの体当たりなアクション演技や「少林サッカー」にも出演していた太っちょ兄ちゃんラム・チーチョンやナインティナイン岡村などの細かいギャグ、最初はバラバラだったラクロス部やチームプレーが理解できなかった凛が成長していく人間ドラマなどそれなりに面白いし、大場の手の者にさらわれた珉珉を救うため、敵のアジトで戦う凛のシーンでは「鏡の間」があったり、階上に行くごとに敵がいたりブルース・リーの「燃えよドラゴン」や「死亡遊戯」へのオマージュととれるシーンも作られていたりで(ブルース・リーのモノマネみたいなキャラもチョビっと登場していたりもする)映画ファンにはちょっと嬉しい。
ただ戦いの決着としては「そうくるの?」という感じのちょっと妙な、ある意味ひとひねりした決着のつけ方をしていたが、何かあそこまで盛り上げたにしては少し拍子抜けな感じもする。
それにラストクレジットのバックに流れるシーンではサッカーをラクロスに変えただけみたいな「少林サッカー」と同じの話の展開で、いくらインスパイアを受けた作品にしてももうちょっとオリジナル性があった方が良かったのではないかとも思うラストで、部分的には面白い所もあったものの全体的には中途半端な印象が残る作品だった。
それにしても「ガンダム」の生みの親である富野由悠季が凛の祖父役として写真だけながら出演してたのには驚いた!何でわざわざ俳優でもない富野のオッサンをキャスティング・・・?
