2008年 05月 21日
ミスト |
スティーヴン・キング原作のホラー映画「ミスト」を見た。
大嵐の翌日、壊れた物の修理や食料の買出しにために町の人々は巨大スーパーに行くが、外はいつのまにか深い霧(ミスト)に覆われ、霧の中には何か得たいの知れないモンスターが存在しており、外に出た人間を襲い始める・・・・そんな閉塞的状況の中スーパー内に閉じ込められた人々に様々な行動や感情の変化が起こりはじめ・・・・といったストーリー。
映画のポスター画家をしているデヴィッドを主人公に、一緒にスーパーを訪れた息子のビリー、デヴィッドの隣人で弁護士のノートン、小学校の新任教師アマンダ、スーパーの副店長オリ-、同じくスーパーの技術主任ジム、レジ係のサリー、基地の新兵のウェイン、近所で変人扱いされている宗教カブレ女のカーモディ、最初に霧の中から逃げてきて危険を訴えたダンなど色んなタイプの登場人物が交錯し、極限状況の中ドラマを盛り上げていくが、デヴィッドやアマンダを中心とする人としての理性を失わず頑張ろうとする人々に対し、異変が起こっているのに自分の常識以外は信じないノートンとかその場の都合ですぐ立場を変えるジム、この状況の謎について何かを知ってそうな軍人たち、普段は変人扱いされながらもこの状況を「神の怒り」だと狂信的に説くカーモディと追い詰められ次第に彼女を信じていく人々・・・など集団心理の狂気やエゴ、極限状態における自殺や殺人行為など人間の闇の部分を様々な形で表現していたり、その心理描写の仕方もかなり巧みで人間ドラマや心理サスペンスとしても一流の作品となっている。
一見小柄でおとなしそうなスーパーの副店長が大活躍したり、バアさんがスプレーで作った火炎放射器でモンスターを倒したりと地味な人々が状況の変化で強い本質を見せたり、普段変人扱いのカーモディが教祖的存在になって権力を持ちはじめ暴走したりキャラクターの「変化」を見るのも面白い。
そういうドラマ面のクオリティの高さもさる事ながら霧とモンスターがこういう状況を作り上げる重要な要素だけあって、モンスターの描き方や見せ場もバッチリ作ってあったし、最初に登場するタコのような触手を持った怪物や中盤で登場するハエとサソリを足したような大きな虫、それを捕食する四枚羽のコウモリと鳥を足したような怪物、大型の蜘蛛のような怪物や六本足の巨大な怪物など数種の異様なモンスターが登場してモンスターホラー好きには楽しい映像だし、怪物の襲撃やそれによるパニック描写もリアルで恐怖感を盛り上げていた。
まあどっちかといえばメインはモンスターではなくそこにいる「人間」を描く事という感じだがホラーの枠を超えた壮絶な人間ドラマは見ごたえがあるし、絶望的状況の中で人間がする衝撃的で残酷な選択、さらにその選択を皮肉るようなラストのシーンはかなりな強烈さで迫ってくるし、見た後深く考えさせる余韻を残した映画でもある。
ラストからしてかなりの問題作であるが、私的には今年見たホラー映画で1番だと思っていた「28週後・・・」よりも良かったし、今の所2008年のホラーではベスト作品。
監督は同じスティーヴン・キング作品の映画化作品「ショーシャンクの空に」とか「グリーンマイル」で知られるフランク・ダラボン監督だったので、キング原作映画ながら「感動系」を撮っていたダラボンにホラーはどうなんだろうと思っていたものの、実際見てみるとその衝撃的内容に驚いたし、パンフで彼のプロフィールを見てみたら監督自身B級ホラー好きの上、「エルム街の悪夢3」や「ザ・フライ2」、デ・ニーロ版の「フランケンシュタイン」の脚本を担当していたというホラー畑出身の人で納得☆
ハズレ作品が多いキング原作映画の中、今回の「ミスト」は稀に見る秀作だと思う。

大嵐の翌日、壊れた物の修理や食料の買出しにために町の人々は巨大スーパーに行くが、外はいつのまにか深い霧(ミスト)に覆われ、霧の中には何か得たいの知れないモンスターが存在しており、外に出た人間を襲い始める・・・・そんな閉塞的状況の中スーパー内に閉じ込められた人々に様々な行動や感情の変化が起こりはじめ・・・・といったストーリー。
映画のポスター画家をしているデヴィッドを主人公に、一緒にスーパーを訪れた息子のビリー、デヴィッドの隣人で弁護士のノートン、小学校の新任教師アマンダ、スーパーの副店長オリ-、同じくスーパーの技術主任ジム、レジ係のサリー、基地の新兵のウェイン、近所で変人扱いされている宗教カブレ女のカーモディ、最初に霧の中から逃げてきて危険を訴えたダンなど色んなタイプの登場人物が交錯し、極限状況の中ドラマを盛り上げていくが、デヴィッドやアマンダを中心とする人としての理性を失わず頑張ろうとする人々に対し、異変が起こっているのに自分の常識以外は信じないノートンとかその場の都合ですぐ立場を変えるジム、この状況の謎について何かを知ってそうな軍人たち、普段は変人扱いされながらもこの状況を「神の怒り」だと狂信的に説くカーモディと追い詰められ次第に彼女を信じていく人々・・・など集団心理の狂気やエゴ、極限状態における自殺や殺人行為など人間の闇の部分を様々な形で表現していたり、その心理描写の仕方もかなり巧みで人間ドラマや心理サスペンスとしても一流の作品となっている。
一見小柄でおとなしそうなスーパーの副店長が大活躍したり、バアさんがスプレーで作った火炎放射器でモンスターを倒したりと地味な人々が状況の変化で強い本質を見せたり、普段変人扱いのカーモディが教祖的存在になって権力を持ちはじめ暴走したりキャラクターの「変化」を見るのも面白い。
そういうドラマ面のクオリティの高さもさる事ながら霧とモンスターがこういう状況を作り上げる重要な要素だけあって、モンスターの描き方や見せ場もバッチリ作ってあったし、最初に登場するタコのような触手を持った怪物や中盤で登場するハエとサソリを足したような大きな虫、それを捕食する四枚羽のコウモリと鳥を足したような怪物、大型の蜘蛛のような怪物や六本足の巨大な怪物など数種の異様なモンスターが登場してモンスターホラー好きには楽しい映像だし、怪物の襲撃やそれによるパニック描写もリアルで恐怖感を盛り上げていた。
まあどっちかといえばメインはモンスターではなくそこにいる「人間」を描く事という感じだがホラーの枠を超えた壮絶な人間ドラマは見ごたえがあるし、絶望的状況の中で人間がする衝撃的で残酷な選択、さらにその選択を皮肉るようなラストのシーンはかなりな強烈さで迫ってくるし、見た後深く考えさせる余韻を残した映画でもある。
ラストからしてかなりの問題作であるが、私的には今年見たホラー映画で1番だと思っていた「28週後・・・」よりも良かったし、今の所2008年のホラーではベスト作品。
監督は同じスティーヴン・キング作品の映画化作品「ショーシャンクの空に」とか「グリーンマイル」で知られるフランク・ダラボン監督だったので、キング原作映画ながら「感動系」を撮っていたダラボンにホラーはどうなんだろうと思っていたものの、実際見てみるとその衝撃的内容に驚いたし、パンフで彼のプロフィールを見てみたら監督自身B級ホラー好きの上、「エルム街の悪夢3」や「ザ・フライ2」、デ・ニーロ版の「フランケンシュタイン」の脚本を担当していたというホラー畑出身の人で納得☆
ハズレ作品が多いキング原作映画の中、今回の「ミスト」は稀に見る秀作だと思う。

by lucifuge
| 2008-05-21 21:23
| 映画/洋画