2008年 06月 17日
さくらん |
少し前にテレビ放送されていた2007年公開の映画「さくらん」を録画してあったのを見た。
安野モヨコの同名漫画を原作に写真家の蜷川実花が監督した映画だが、江戸時代の吉原を舞台に遊郭である「玉菊屋」に連れてこられた8歳の少女はきよ葉と名付けられ、高級花魁の粧ひに面倒を見られることになるが、場に馴染めないきよ葉は何度も脱走を試みるも失敗、しかし負けん気の強いきよ葉は粧ひや玉菊屋の清次などと関わっていく中で成長していき、やがて一人前の花魁になっていく・・・・といった内容。
きよ葉に厳しくも優しさもある粧ひや、粧ひが身受けされ玉菊屋を去った後、トップになった高尾との確執、きよ葉が本気で恋してしまった客の惣次郎や玉菊やの常連の老人、文左衛門、一人前の花魁となり日暮という名になったきよ葉を身受けしたいと申し出る倉之助など様々な人々と関わる事できよ葉の人生が変わり、成長する人間ドラマはなかなか見ごたえがあるし、花魁世界での華やかな生活や独自の掟、女性同士の凄まじい嫉妬や争い、花魁ゆえにたどってしまう悲しい恋の結末、堕胎や流産の苦痛など「花魁」世界における光と闇、そんな地獄と極楽が入り混じった世界の中で強く美しく生きようとする女性の姿を現代的センスでうまく描いていたと思うし、何より過剰なくらい極彩色いっぱいの画面は映像的に華やかで楽しいし、目で楽しめる作品に仕上がっていたと思う。
こういう風にポップなセンスで時代を生きた女性を描くという作品では数年前「マリー・アントワネット」を連想するが、それを撮ったソフィア・コッポラ監督とこの蜷川実花監督は共通する部分もあるようにも感じる。
またシーンとしては遊郭のという自由のない囲いの中では美しくいられるが、そこを出れば華やかではいられず死ぬという「遊女」の境遇を金魚鉢の中だけ美しく生きられる「金魚」と重ねて映画の所々に象徴的に金魚が登場するというのは金魚そのものだけでこの美しくも残酷な世界をあらわしているようで良かったし、玉菊屋にある「咲かない桜」も同じく花魁を象徴した存在のようで物語に彩りと深みを加えていたと思う。
きよ葉を演じる土屋アンナは目つきなどからして安野モヨコの絵柄そのままのイメージでピッタリだったし、遊女同士の喧嘩の描写や台詞回しなどはまるでヤンキ-のレディースみたいな感じだったり、普段の生活のちょっとした台詞や描き方にしても今の世界に通ずるような日常感を感じさせたり、女性の視点から現代的アレンジが大胆になされているのは面白かった。
安野モヨコの同名漫画を原作に写真家の蜷川実花が監督した映画だが、江戸時代の吉原を舞台に遊郭である「玉菊屋」に連れてこられた8歳の少女はきよ葉と名付けられ、高級花魁の粧ひに面倒を見られることになるが、場に馴染めないきよ葉は何度も脱走を試みるも失敗、しかし負けん気の強いきよ葉は粧ひや玉菊屋の清次などと関わっていく中で成長していき、やがて一人前の花魁になっていく・・・・といった内容。
きよ葉に厳しくも優しさもある粧ひや、粧ひが身受けされ玉菊屋を去った後、トップになった高尾との確執、きよ葉が本気で恋してしまった客の惣次郎や玉菊やの常連の老人、文左衛門、一人前の花魁となり日暮という名になったきよ葉を身受けしたいと申し出る倉之助など様々な人々と関わる事できよ葉の人生が変わり、成長する人間ドラマはなかなか見ごたえがあるし、花魁世界での華やかな生活や独自の掟、女性同士の凄まじい嫉妬や争い、花魁ゆえにたどってしまう悲しい恋の結末、堕胎や流産の苦痛など「花魁」世界における光と闇、そんな地獄と極楽が入り混じった世界の中で強く美しく生きようとする女性の姿を現代的センスでうまく描いていたと思うし、何より過剰なくらい極彩色いっぱいの画面は映像的に華やかで楽しいし、目で楽しめる作品に仕上がっていたと思う。
こういう風にポップなセンスで時代を生きた女性を描くという作品では数年前「マリー・アントワネット」を連想するが、それを撮ったソフィア・コッポラ監督とこの蜷川実花監督は共通する部分もあるようにも感じる。
またシーンとしては遊郭のという自由のない囲いの中では美しくいられるが、そこを出れば華やかではいられず死ぬという「遊女」の境遇を金魚鉢の中だけ美しく生きられる「金魚」と重ねて映画の所々に象徴的に金魚が登場するというのは金魚そのものだけでこの美しくも残酷な世界をあらわしているようで良かったし、玉菊屋にある「咲かない桜」も同じく花魁を象徴した存在のようで物語に彩りと深みを加えていたと思う。
きよ葉を演じる土屋アンナは目つきなどからして安野モヨコの絵柄そのままのイメージでピッタリだったし、遊女同士の喧嘩の描写や台詞回しなどはまるでヤンキ-のレディースみたいな感じだったり、普段の生活のちょっとした台詞や描き方にしても今の世界に通ずるような日常感を感じさせたり、女性の視点から現代的アレンジが大胆になされているのは面白かった。

by lucifuge
| 2008-06-17 21:50
| 映画/邦画